ライバル
「ねえシンジ」
「ん〜何?」
もうすぐお昼になろうとしている葛城家のリビング、テーブルで料理本を読んでいるシンジにアスカが話しかけた。
「三丁目にカレー屋ができたでしょう、美味しいって評判なのお昼はそこで食べない」
「あ〜あそこのカレー屋ね」
一ヶ月前にできたカレー屋、安くて美味しいので学校でも評判であった。
「今から行けばちょっとお昼すぎちゃうから空いていて良いと思うわ」
「良いね〜お昼はそこで食べようか」
「よしっ決まりね、着替えてくるわ」
アスカは着替える為にダッシュで部屋に戻った。
「じゃあ僕も着替えてこようかな」
料理本を閉じると立ち上がった・・・
「ちょい待ち!シンちゃんっ!」
「わっびっくりした〜〜」
突然現れた寝起きのミサト。
「カレーと聞いたら私が黙っちゃいないわよ〜どんだけ美味しいか私も行くわよ」
カレーマスターを自負するミサト、美味しいカレーがあると聞いた日には食べに行かずにはいられない。
(ミサトさんのカレーよりは10000000000000000000000000000000倍美味しいですよ)
決して口にしないシンジ、したら恐怖のミサトカレーを食べさせられるだろう。
「じゃあ用意してくるからちょっち待っててね〜」
ミサトも着替える為にダッシュで部屋に戻った。
「ミサトさんに味がわかるのかな?」
呟くシンジであった。
「んじゃ行くわよ〜」
「ミサトさん安全運転してくださいね」
「そうよ食べる前に死んじゃあ洒落にならないわ」
「だ〜いじょうぶ、だ〜いじょうぶセクシーに運転するから大丈夫よん」
((本当か??))
心の中でユニゾンする二人、ミサトの運転は如何に?
「ねっ今日は安全運転だったでしょう」
無事にカレー屋に着いた。シンジもアスカも死んではいない。
「ま、まあ今日は安全だったわね」
「う、うん今日はね・・・」
二人とも汗びっしょりである、口から泡を吹き出していないので安全であった。
「さあ入りましょう」
ミサトは気合を入れて入店した。
「うわ〜〜混んでいるわね」
「うん、流石に評判なだけあるね」
お昼をまわっていたがお客は多かった。
「さあて何を食べようかな」
メニューを開くアスカ、色々なカレーがあり選ぶのに迷ってしまう。
「僕は・・・ビーフカレーで良いや」
「アンタ選ぶの早いわね〜もうちょっと考えて選びなさいよ」
「そうかな〜僕はビーフカレーが一番好きなんだ」
「んじゃ私はチキンカツカレーにビールね」
「ミサトさん、ビールは駄目ですよ飲酒運転になります」
「良いじゃない〜一本なんて飲んだうちに入らないわよ」
「駄目です」
頑固として拒否するシンジ、当然であろう。
「とほほ・・・じゃあチキンカツだけで良い」
肩を落とすミサト、しかし夜には思う存分飲むと心に誓っていた。
「じゃあアタシはロースカツカレーね」
「ア、アスカそれは高すぎるよ」
値段を見ると二千円を超えるいる。
「良いのよ、アタシくらいになるとこれが常識なのよ」
「非常識に思えるけど」
「シンジ〜アンタ死にたいのね」
「い、いいえ・・・そ、それで良いです」
「よし決まりね」
思わぬ出費に頭が痛いシンジであった。
「お〜〜美味しそう、いっただきます」
三人の前に並べられたカレー、アスカは早速一口食べた。
「ん〜〜〜〜美味しい〜〜」
「そうだね、流石評判なだけあるよ」
料理人シンジも絶賛である。しかしミサトは・・・
「ミサトさんどうしたんですか?」
顔をしかめているミサト、シンジは不思議に思った。
「まだまだ甘いわね」
「甘い?辛さは普通を頼んだんでしょう」
「違うわよ、私のカレーと張り合うにはまだまだ甘いってことよ、ライバルになるには当分無理ね。まあ食べない事はないけどあと10000000000000000000000000000000倍は努力しないとね」
「「・・・」」
どうやったらそんな自信が出てくるのであろうか、二人は呆れた。
「ふっこれは私が店を出した方がもっと繁盛するわね」
((それは絶対に無い!!))
またしてもユニゾンする二人であった。
カレーマスター(自称)ミサトさんには満足できなかったようですね、流石世界最高の味覚を持ちますね(笑)
アスカちゃんはシンジ君と行きたかったのでしょうが邪魔者が入ってちょっと残念だったかな?でも最上級のカレーを食べれて幸せだったでしょうね。
それにしてもミサトさんの自信は凄いですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ライバル