Revolution
「ねえ、シンちゃん」
「なんですかミサトさん?福神漬けですか」
夕食、葛城家のメニューはシンジ特製スペシャルカレー、ミサトの声にシンジは福神漬けを渡した。
「違うわよ」
「じゃあラッキョですか?」
カレーをじっと見つめるミサト、シンジはラッキョを渡したが受け取ろうとはしない。ミサトの隣ではアスカが満足した顔でカレーを頬張っていた。
「違うわ」
「ビールは駄目ですよ。今飲んでいるので終わりですからね」
ミサトの目の前には缶ビール、すでに中身は無くなっていた。
「そう、残念・・・」
駄目とわかっていたのであろう、ショックはそれほど無かった。
「シンジ〜〜おかわり〜」
「はいはい」
口の周りにカレーをつけたアスカが一杯目を終わり二杯目に入る。
「私ね、カレーで思うことがあるのよ」
「何よミサト、変な顔しちゃって食べないんならアタシが食べちゃうわよ」
「ねえアスカも気づかない?」
「なにがよ」
問い掛けるミサトだがアスカはカレーに夢中で半分しか聞いていなかった。
「ミサトさん何が気づかないんですか?」
「このカレーの色よ」
「色?」
シンジは自分が作ったカレーを目を凝らして見た、しかしどこも変わった色ではない。
「そう色よ、色」
「別に何とも無いですよ」
「どうしてカレーって茶色なの?もっといろんな色があったって良いんじゃないかしら?」
「そ、そうですね」
突拍子の無い事を言い出すミサトにシンジは返答に困った。
「赤とか青のカレーがあっても良いと思わない」
「気持ち悪いわねミサト、そんなカレー食べれないわよ」
「そんな事無いわよ、スイカだって黄色いスイカがあるじゃない、色が変わっても美味しいでしょう」
「それもそうね」
「・・・」
納得するアスカにシンジは何も言えない。
「だから私はカレー業界に革命を起こすの」
「「革命?」」
立ち上がるミサトに仲良くユニゾンする二人。
「そう革命よ、赤色のカレールーを作ってみせるわ」
燃え上がるミサト、しかし二人は・・・
(な、頭が狂ったのかしら?赤いカレールーって)
(ミサトさんやる気なのか?できるわけないよ・・・でもミサトさんなら出来そうな気がする)
そして・・・
「ごちそうさま・・・」
「アスカ、もう食べないの?」
シンジの特製カレーの時は必ず五杯はおかわりするアスカなのだが二杯目で終わっていた。
「うん、食欲なくなっちゃった」
「そう・・・」
原因がわかるシンジ、シンジも同じように食欲がなくなっていた。
「私ね、カレー屋をするのが夢なのよね」
「ぶっ!」
おもわず飲んでいた麦茶を飛ばすアスカ、その飛沫がシンジにかかった。
「うわ、アスカ」
「あっご、ごめんっ!」
謝るアスカ、もしシンジが麦茶を飲んでいたも飛ばすであろう。
「アスカきたないわね〜。それでね七色のカレーを看板メニューにして行列が出来る店にするの」
「そ、そうですか」
額に汗をかきながら答えるシンジ。
「ふふ私が店を開いたすぐに有名になっちゃうわね」
「そ、そうですね」
そうは思っていないシンジである。
「ア、アタシお風呂に入ってくるわ」
「ア、アスカ」
この場に居たら何があるかわからないのでアスカは逃げ出した。
「で、でもミサトさん七色のカレーって作れないんじゃないですか?」
「ふっふっふっふ、その辺は抜かり無くてよシンちゃん、すでに構想は私の頭に入っているの」
「・・・」
口を開けたまま固まるシンジ、不気味に笑うミサトが悪魔に見えるのであった。
ミサトさんのカレー、革命が起きるのでしょうか(別な意味で革命ですね^^;)
せっかくシンジ君を美味しいカレーを食べていたアスカちゃん、食欲が無くなりますね。
無気味に笑うミサトさん、危うしシンジ君(笑)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION Revolution