主夫の鏡
「ミサトさん、掃除の邪魔ですから退いてください」
「うい〜〜〜〜」
リビングでシンジは掃除機を片手に寝転がっているミサトを注意したが生返事だけで動こうとはしない。
「ミサトさん!」
「う〜〜ん、ちょっち動きたくないから先にアスカに言ってよ」
「どうしてアタシが先なのよ?」
ミサトの隣にはクッションを抱きかかえ寝転がっているアスカが文句を言ってきた、二人ともシンジにしてみれば邪魔なだけである。
「誰が先だって良いじゃないですか、アスカも掃除するから向こう行っててよ」
「や〜〜〜〜今日はここがアタシの場所なの」
「・・・」
言葉が出ないシンジ、少し移動すれば掃除ができるのだが動こうとはしない。
「ミサトさん!アスカ!掃除しないとゴミだらけになるんですよ」
「明日すれば良いじゃない〜、別に今日しなくても誰も怒りはしないわよん」
ミサトの言うとおりリビングは汚れていないが、主夫シンジには今日掃除をしないと居心地が悪いようである。
「そうそうシンジも寝転がれば?気持ち良いわよ」
「寝転がればって・・・わかったよ!もう掃除はしない、家事もしないんだからね」
二人の態度に怒ったシンジ、掃除機を放り投げて寝転がった。
(そう、僕はもう何もしないんだ、このままずっとしない。ミサトさんやアスカが困ったって知らないや!)
心に誓うシンジ、葛城家の生活崩壊の始まりか・・・
「・・・」
数十分後シンジは無言で立ち上がり洗面所に向かった。
「・・・」
そして無言のまま洗濯機に洗濯物を放り込み洗剤を入れる。
「はあ〜〜〜、しないって決めたのに気になってしちゃうんだよなあ」
ため息をつきながら回る洗濯機を見つめ愚痴をこぼすシンジ。
ニヤリ!ニヤリ!
リビングではそんなシンジを知ってか密かに口元を歪める二人であった。
シンジ君、主夫の血が寝ていることを許しませんでしたね(笑)
その事を知っているミサトさんとアスカちゃん、シンジ君が家事拒否をしても慌てませんでしたね。
シンジ君、主夫の鏡です(単にメイドさんなだけでしょうか)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 主夫の鏡