食べに行こう

「シンちゃん、アスカ〜食べに行くわよ〜」

「本当ですか?めずらしいですね」

 ミサトの一声にシンジは驚いた。ミサトがお金を持っているのが珍しい。

「今日はボーナスでしょ。どーーーーんといくわよ」

「あっそうでしたね、今日はボーナスでしたね」

 今日はネルフのボーナス、ホクホク顔のミサトである。

「お寿司を食べに行くわよ、用意をしてね」

「お寿司ですか〜、うわ〜ミサトさん太っ腹ですね」

「当然よ、今日はじゃんじゃん食べて良いわよ」

 ドンと胸を叩き大威張りである。

「な〜〜にが太っ腹よ」

 アスカが部屋から出てきた、今までの会話を聞いていたようである。

「アスカ、お寿司だよお寿司、久しぶりだよ」

「お寿司って回転寿司でしょうが、ボーナスでなら時価を食べてみたいわよ時価を」

 アスカは以前TVで見たお寿司特集を思い出した、値札には値段が書いていなくて時価、その日の仕入れで値段が決まる、庶民は値段を気にして落ちついて食べられない。

「回転寿司でも時価でもお腹に入れば同じでしょう、それなら安くていっぱい食べれる回転寿司の方が断然お徳よ。さあ着替えていらっしゃい」

「はいはい、わかったわよ。着替えてくるわ」

 ミサトの力説をさらりと受け流し着替える為に自室に戻る。ミサトと住んでいる限り時価を食べに行く事はないだろう。

 

 

 

 

 

「さあ沢山食べるのよ」

「はい!わかりました」

「な〜に気合入ってんのよ」 

 そして回転寿司店についた三人、ミサトとシンジは気合が入りまくり、アスカはそんな二人にはついてきけない。

「いざ!店内へ」

 自動ドアが開き店内に入ると店員の威勢の良い声が響き、三人は席に座る。

「さあてと何を食べようかな」

 シンジはおしぼりで手を拭きながらコンベアに乗って流れてくる寿司を吟味していく。

「えびにしよかな」

  えびが自分の斜め右に来た時皿を取る。

 もぐもぐ、、もぐもぐ

「うん、美味しい!」

 満足のようである。

 

 

「あら?ミサト達じゃない」

 聞きなれた声に三人は振り向いた。

「リツコ、レイあなた達も来たの」

 そこにはリツコとレイが立っていた、今しがた来店したのだろう。

「ええ今日はボーナスでたじゃない、あなたと考える事が同じよ」

「そうよね、ボーナスがでたなら豪華に行きたいわよね」

 頷くミサト、だがリツコは首を横に振った。

「あら?違ったみたいね。いつも時価を食べているからたまには一皿150円を食べてみたいのよね」

「くっ・・・イヤミいうわよね」

 時価をさらりと口にだして言うリツコに少し殺意を持ってしまう。

 

 

 

「碇クン、となり良い?」

「良いよ。食べようか」

「うん」

 コクリと頷くレイ、少し頬を桜色に染まる。席順は左からリツコ、ミサト、アスカ、シンジ、レイとなった。

「綾波は何を食べるの?」

「オオトロ」

 さらりと言うとオオトロの乗った皿を取った。高い寿司は皿の色が違う。シンジは驚いた、オオトロは一番高い。ミサトから食べても良いわよと言われていても躊躇してしまう。

(綾波簡単に取るなあ、僕は取るのに勇気が要るけどなあ、リツコさんと時価を食べに行っているんだなあ。良いなあ〜)

「ファーストまだまだ甘いわね、オオトロを最初から食べるなんて素人がする事よ」

 アスカはひとさし指を左右に振り、レイを素人扱いする。

「何から食べるの?」

「まずは青物から行くのよ。アタシは通だからオオトロは後に食べるのよ」

(アスカ、通ってこの前TVでやってたやつじゃないか)

 アスカはTVで見た事をそのまま言っていた。

「ふ〜〜ん、オオトロ食べましょう」

「こら〜〜人の話聞いていたんでしょうが〜」

「私は自分の好きなように食べるの、もぐもぐ美味しい。アスカも食べれば良いのに美味しいわよ」

「アタシは江戸っ子だから粋な食べ方をするのよ」

「えっ?アスカ江戸っ子だったの?知らなかったよ」

 驚くシンジ、アスカの言う事を間に受けている。

「アンタバカ〜?例えよ例え。間に受けてんじゃないわよ」

「そうだったの、てっきりてやんでぃ〜とか言うのかと思ったよ」

「言うわけないでしょうが」

「いいえ、言うと思うわアスカはSALだから」

 オオトロを食べつづけているレイである。

「どういう意味よ?」

「碇クン、プリンとって」

「あっうん、はい」

「ありがとう・・・ぽっ」

 プリンを取ってもらっただけでなぜか頬が赤くなる。

「こら!意味を説明しろ〜〜」

 無視されたアスカ、当然激怒する。

「碇クン、今度はカッパ巻きを取って」

「うん、はい」

 レイは一番右に座っているのだから最初に寿司が流れてくるが、わざと見逃してシンジに取ってもらっている。

「ありがとう、でも不思議ね。キュウリ巻きなのにどうしてカッパ巻きって言うのかしら?」

「それはね、キュウリはカッパの大好物なんだからだって」

「碇クンって物知り」

「こ、こいつらは無視して・・・・もう良いわ。アタシだって好きなのをお腹いっぱい食べるんだから」

 通はもうやめたようだ、早速大好物のウニに手を伸ばす。

「おいっし〜〜〜!」

 後から食べようと思っていたが最初に食べると更に美味しくなる。チルドレンは好きな寿司を沢山食べるのであった。

「じゃんじゃん食べなさい〜〜、私が責任を取って払ってあげるわよん」


 お寿司、時価じゃなくて回転寿司が手軽で良いですね(^^)

 ミサトさん、太っ腹のようですが、回転寿司で三人、高くても一万円は行かないと思いますから太っ腹じゃないかな。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 食べに行こう