永遠のミサトさん
「ミサトさんの誕生日って昨日じゃなかったっけ?」
シンジはカレンダーを見て思い出した。
「そう〜?知らないわ〜」
自分の誕生日を祝ってもらえば良いアスカはテレビを見ながら受け流した。
「昨日は葛城三佐の誕生日だったわ」
遊びに来ていたレイはシンジの問いにコクリと頷いた。
「やっぱり誕生日だったんだ、でも変だよね」
「なにが?」
「へっくちゅん」
疑問に思うシンジ、別にどうでもいいアスカ、少し風邪気味のレイ、リビングには平和な時間が流れていく。
「だって誕生日なんだよ、ミサトさん自分自身のイベントだからビールが大っぴらに飲めるってはしゃぐんじゃないかな」
「それもそうね。それに何も言ってこないなんて変ね」
何かイベントがあるとビールがたくさん飲めるので真っ先にはしゃぐミサトが静かであった。
「どうしてかな〜?」
「私知っているわ」
「綾波知ってるの?」
「うん」
レイは頷いた。
「葛城三佐は四捨五入しなくても三十の大台に乗ったの、だからはしゃぎたくないの」
「「そうなんだ〜〜」」
シンジ、アスカはそろって納得した。
「でも何もしない誕生日なんてつまんないわよ、シンジ!ファースト!誕生パーティーをするわよ」
「「うん」」
ずぼらでも一応は保護者で上司、三人はアスカに賛成した。
「ミサトさんが帰ってくるまでに準備だ」
「「「お〜〜〜!!」」」
三人は天高くこぶしをあげた。
「たらいま〜〜」
ミサトのご帰宅である、肩を落としてかなり疲れているようである。
パンッパンパ〜〜ン!!
「わっなに?」
「「「誕生日おめでと〜〜う」」」
一斉にクラッカーが鳴り三人は叫んだ。
「ミサトさん一日遅れですけど誕生日おめでとうございます」
「ミサト〜〜昨日が誕生日だったってこと言いなさいよ〜〜」
「おめでとう・・・お祝いの言葉・・・へっくちゅん」
「あ・・・そ、そうだったわね、昨日は私の誕生日だったけ」
本当は知っているがとぼけた。
「三十になったからってどうってことないですよ」
グサッ
「行かず後家にならないようにしなさいよ」
グサッグサッ
「三十路・・・四捨五入しなくても三十路」
グサッグサッグサッ
悪意の無い言葉がミサトの胸に突き刺さる。
「さあビールをたくさん用意しましたよ、思う存分飲んでください」
テーブルに置かれたたくさんの缶ビール、宝の山である。
「あんた達・・・」
言葉には傷ついたが優しさにジワっと涙が込み上げてくる。
「ありがとう〜〜嬉しいわ〜〜〜」
「うわっ」
「きゃっ」
「くちゃんっ」
三人に抱きつくミサト、感激である。
「祝ってくれてありがとうね。でも一つだけ違うわ」
「「「???」」」
「私は永遠に二十歳なのよん♪」
「「「・・・」」」
無理がある言葉に呆れる三人であった。
一日遅れのミサトさんの誕生日です。
ついにミサトさんも三十の大台に(笑)流石にはしゃぎませんね。
でもシンジ君達は祝ってあげました、偉いですね。ミサトさんの最後の言葉には呆れましたけどね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 永遠のミサトさん