へくちゅん

「あ〜〜くしゃみがとまらないわ」

 アスカはベッドでくしゃみを連発していた。

「アタシとした事が風邪を引くなんて不覚だわ」

「ペンペンと張り合ったりするからだよ」

 アスカの額に絞ったタオルを乗せたシンジは昨日の出来事を思い出した。



「ペンペンどっちがカキ氷早食いチャンピオンか勝負よ!」


「クエ」


「アスカやめなよ、お腹壊すよ」


「黙ってなさい!これはアタシとペンペンの勝負なの、スタートの合図をしなさい」


「クワ」


「ペンペンまで・・・わかったよ」



 そしてアスカは負けた、お腹を壊して風邪を引く賞品を貰ったのであった。

「あれはアタシの勝ちよ・・・そう試合に負けて勝負に勝ったのよ」

「なんだそれ?」

「つまりカキ氷クイーンはアタシなのよ!へっくちゅん!今度からアタシの事をクイーンアスカと呼びなさい!」

「はいはいクイーンアスカ様」

 呆れるシンジであった。

「ごほっごほ、お腹空いたわよ。早くごはん〜〜」

「はいはい」

 先ほどからアスカの目にはお盆に乗った小さな鍋が見えていた。

「熱いから気をつけて食べるんだよ」

「食べさせて」

 鍋の蓋を開けると湯気が立ちこめる、シンジ特製の雑炊である。

「え?自分で食べなよ」

「アタシはクイーンなのよ、食べさせるのが当然でしょ」

「はいはいクイーンアスカ様」

 シンジは他の家事があって忙しいのだがクイーンアスカに理由が通じるわけ無い、渋々アスカに食べさせはじめた。

「アタシがやけどしないようにちゃんとフーフーするのよ」

「はいはい、フーフー」

 シンジが雑炊を覚ます姿を見て少し頬を染めるアスカであった。

(負けてよかったかも・・・)

「ん、何か言ったかい?」

「何でもないわよ」



 風邪を引いたアスカちゃん、ペンペンと勝負するとはへっぽこ(^^)

 でもそのお陰でシンジ君の手厚い看護を受けて良かったかな。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION へくちゅん