ほしい

「ねえシンジ〜犬買って〜」

「え?」

 突拍子なアスカの一言にシンジは驚いた。

「ほらチワワ、可愛い〜」

 テレビのCMにチワワが出ている、その瞳に心を打たれたらしい。

「ダメダメ、ボーナスまで待ちな・・・」

 シンジの口が止まった、CMのチワワがこちらを見つめている。

「シンジ〜シンジ〜?」

「・・・」

 アスカはシンジの目の前で手を振るがシンジは気が付かない。

「可愛かったね」

「でしょ〜?買おう〜」

「でもダメ、そんな余裕ないよ」

「余裕ってアタシ達高給取りじゃない、チワワの一匹や千匹どうってことないじゃない」

「ペンペンが居るじゃないか」

「ペンペン〜?愛くるしい瞳じゃないからヤダ〜」

 冷蔵庫で寝ているペンペン、アスカの言葉を聞いたらショックを受けるだろう。

「世話が大変だよ、ミサトさんやアスカの世話だけでも精一杯なのに」

「ちょっとミサトはともかくアタシの世話ってなによ?」

「だってミサトさんもアスカも家の事なんにもしないじゃないか、それで犬の世話なんかできるわけないよ」

 日頃二人の世話で忙しくとても犬の世話までできない。

「犬くらいアタシが世話するわよ」

「アスカが?できるわけないよ」

「できるわよ」

 頬を膨らまして怒るアスカ。

「ご飯やトイレ、散歩に健康管理をちゃんとしなきゃいけないんだよ」

「そのくらいできるって!アタシを誰だと思っているの?アスカよ」

「じゃあ世話ができるかテストをしてもらうけどいいかい?」

「テスト?」

 アスカは首を傾げた、ペットを飼うのにテストが必要なのだろうか。

「うん、できたら買っていいよ」

「本当?約束よ」

 瞳が輝いた、大学出は伊達じゃない。

「それじゃあテストはね、ミサトさんの部屋を掃除する事」

「ミサトの部屋を?」

「うん、片付けたら買って良いよ」

「ふふ簡単よ、男に二言はないわね?」

 ビシっと指を突きつけ自信満々である。

「うん」

「ふふこのテストは百点だわ、行くわよアスカ!」

 気合を入れてミサトの部屋に向かった。そして・・・








「どう終った?」

「・・・」

 リビングでお茶を飲んでくつろぐシンジのところにアスカが戻ってきた。

「・・・いらない」

「そう、無理だったね」

「あんなの片付けられるわけないじゃない、どうして部屋が秘境になっているのよ」

 掃除は無理なようであった。

「あれくらい掃除できないようじゃあ犬は飼えないね」

「いいわよ、ペンペンで我慢するもん、イ〜〜だ!」

 ふてくされて部屋に戻るアスカであった。


 犬が欲しくなったアスカちゃん、世話はちゃんとできるのでしょうか?それはシンジ君のテストで試されます。

 テストはミサトさんの部屋を掃除。結果は・・・(^^;)ミサトさんの部屋を掃除できるのはシンジ君しかいませんね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ほしい