MS12

「・・・もう負けられないわ、碇クンの為に!」

 レイの紅い瞳は燃えていた、アスカとのMS対決は三戦全敗でありこれ以上シンジの目の前で敗北したくない。

「アスカに勝つ為には強力なMSスーツが必要だわ、そしてオプションパーツ・・・」

 手にはモビルスーツ大図鑑があった、次々とページをめくっていき自分にあった機体を吟味していく。

「これはダメ・・・これもダメ・・・キュべレイ・・・アスカと同じじゃイヤ・・・!!」

 次々とめくられていくページ、しかしある機体を目にした瞬間動きが止まった。

「こ、これだわ・・・これならアスカに勝てる。早速博士に作ってもらいましょう」

 大図鑑を小脇に抱えると急いで家を出た。











「いっけ〜〜ファンネル!」

「うわっアスカ危ないじゃないか」

「い〜じゃない暇なんだもん」

 場所はかわって葛城家、アスカは暇でリビングでファンネルを飛ばして遊んでいた。洗濯物をたたんでいるシンジにはいい迷惑である。

「暇だからってファンネル飛ばさないでよ、それにいい加減にMSスーツを脱いだらどう?」

 アスカは寝転がっていてもキュべレイMSスーツを着ていた。

「ダメよ、いつまたファーストが挑戦に来るかもしれないから戦闘体勢に入っているのよ」

「寝転がっていても?」

「ただ寝転がっているわけじゃないのよ、四六時中五感を研ぎ澄ましているのよ。まあ凡人のアンタにはわからないでしょうけどね」

「ほんと・・・僕にはわからないよ」

 あきれるシンジは口を動かしながらテキパキと洗濯物をたたんでいった。

 ♪♪♪♪〜♪♪〜〜♪

「シンジ電話よ」

「うん」

 電話が鳴ったアスカは絶対に取らない動くのが面倒なのでシンジに任せている。





「もしもし葛城ですが、あ綾波」

 受話器を取ったシンジ、電話の相手はレイであった。

「あ、うん、えアスカ?居るよわかろうか?え、かわらなくていい。うんうん、わかった伝えておくよ」





 やりとりされいたて二人の会話はアスカの耳にも入っていた。

「ファーストから何だったの?」

「うんアスカにね公園に来てほしいって渡したいものがあるようなんだ」

「わかったわ」

 アスカは頷くと立ち上がりMSスーツを装着し直し気合を入れた。

「着ていくの?」

「当たり前でしょ、ファーストが渡したいものがあるって挑戦状よ」

「挑戦状?」

「そうよあの女、新しいMSスーツをリツコに作ってもらったんだわ。まあどんなMSスーツでこようとアタシが勝つにきまっているけどね。じゃあ行ってくるわ」

「あ、アスカ」

 ベランダのドアを開けるとバーニアを開き飛立つアスカであった。













「ファーストは・・・まだ来てないようね」

 公園に着いたアスカは周りを見回したが人の気配は無かった。

「まったく呼び出しておいて待たせるとは無責任ねえ」

「待っていてたわ」

「きゃっ・・・お、驚くじゃないのよ!どっから出てきたのよアンタはってその格好は」

 いきなり背中から話し掛けられて驚いた。そしてレイのMSスーツは・・・

「私はずっとここに居たわよ、貴女が気づかなかっただけ。今日はこのガンダム三号機MSスーツで貴女に勝つわよ」

 レイのMSスーツはガンダム三号機ステイメンであった、0083の機体である。

「は〜〜〜アンタバカァ?そんな旧型でアタシのキュべレイに勝つつもりでいるの?おかしくて笑っちゃうわ」

 お腹を抱えて笑うアスカ、キュべレイにとってガンダム三号機は年代的に旧型であった。

「笑っていられるのは今のうちよ、勝負!」

「のぞむところよ」

 お互いにファイティングポーズをとり相手の出方をうかがう。

「先手必勝よ!いっけ〜〜〜ファンネル!」

 キュべレイMSスーツから無数のファンネルが飛び出した。

「単純な攻撃ね見飽きたわ」

「何ですって〜!?ファンネル攻撃よ」

「えい」

 ファンネルが攻撃する前にレイは空に向かって飛立った。

「逃げる気?」

「逃げないわ、このMSスーツはまだ完成してないから」

「完成してない?ま・・・まさか?」

「そのまさかよ」

 レイの言葉にアスカの額に汗が流れた。そして太陽を覆う巨大な飛行体が地上を暗くした。

「オ、オーキス・・・」

「そうよ、そしてステイメンと合体してデンドロビウムなるのよ」

 合体するオーキスとレイのステイメン、デンドロビウムの完成である。

「ちっ」

 アスカは舌打ちをするとこのままでは勝てないと悟りその場から立ち去ろうとしたが・・・

「逃がさないわよ」

「うっ」

 デンドロビウムの大型メガ粒子砲がアスカを捕らえた。

 バシュ〜〜〜〜〜〜〜!!!!

「きゃあああああああああああああ!!!

 アスカの悲鳴が響き渡った。








「か、勝ったわ。ついにアスカに勝ったわ」

 デンドロビウムの姿で飛び回り涙を流すレイ、一方地上のアスカは・・・

「く・・・アタシがアタシが負けるなんて〜〜〜〜!!」

 粉々になったキュべレイMSスーツ、仰向けに倒れ喜び飛び回るレイを唇を噛み締めながら眺め悔しがるアスカであった。

リベンジよ!絶対に勝ってやる〜〜!


 レイちゃん初勝利です、ついに登場しましたアームドベース・オーキス、これにレイちゃんのステイメンが合体すればアスカちゃんなんて敵ではない!

 負けたアスカちゃん、
キュべレイMSスーツは粉々になったようなので新しいMSスーツを考えているんでしょうね。アスカちゃんのリベンジはなるんでしょうか(^^;)

 どなたかCGを描いてくれると嬉しいですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION MS12