何の日?

「博士・・・」

「どうしたの?」

 レイは研究室のドアからリツコを伺っていた。

「見ていたの」

「見ていた?私を?」

「はい」

 頷くレイ、ドアから顔だけを出していた。

「ふふ、おかしな子ねえ。そんなところにいないで入ってきなさい」

「はい」

 入ってくるレイは用意された椅子に座ろうとせずリツコの前に立った。

「どうしたの?座らないの?」

「・・・これ、博士に」

 レイは背中に隠しておいた一輪の花をリツコに差し出した。

「カーネーション?」

 差し出した花は真っ赤なカーネーションであった。

「はい、今日は母の日だから」

 ポコッ

「いたいっ」

 発言した途端、傍にあったレポート用紙で頭を叩かれた。

「レ〜イ、母の日って私は母親じゃないわよ」

 怒るリツコ、米神に怒りマークが浮かび上がっている。

「じゃあ何?」

姉よ姉!誰が見たってでしょう」

「・・・」

「あっどうして目をそらすのよ、間違ってないでしょう」

「・・・大間違い」

何ですって〜〜

 呟くレイだが聞こえてしまった。

「おかあさんじゃないの?」

「言っているでしょうだって」

「違うの?」

「違うわよっ・・・」

 潤んだ瞳で見つめられるリツコ、勢いが無くなってしまう。

「そんな目で見ないでよ、もうわかったわよ。きなさい」

「うん」

 ため息をつくとレイを胸に抱き寄せた。

「なんだか安心する・・・おかあさん」

「まったく、姉って言っているのに」

 頭を撫でながら呟くリツコ、レイを見る暖かい表情は母親そのものであった。


 母の日です。レイちゃんがカーネーションをあげる相手はもちろんリツコさん(笑)

 しかしリツコさんは『姉』と言い張っていますがレイちゃんに見つめられたら敵いません。お母さんになってしまいましたね(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 何の日?