リツコ印3

「ねえリツコ・・・相談があるんだけど」

「相談?何かしら」

 リツコの研究室にアスカが足取り重くやってきた。

「シンジの事なんだけどね・・・」

「シンジ君?何かあったの」

「アタシの事をどう思っているのかなあって・・・」

 アスカは赤い頬を隠す為に俯いて喋ったが、指がモジモジしているので恋の悩みだと瞬時にわかった。

「どうって言われても私にはわからないわよ」

「それでね、この前思い切って聞いてみたの、アタシにときめかないかって」

「ときめき・・・」

 リツコはアスカの言葉に微笑ましく思った。

「そしたらね何て言ったと思う。ときめきメモリアル萌え〜って変な事言ったのよ」

「シンジ君・・・」

 乙女心がわかっていないシンジに呆れた。

「むかついたから顔面を殴ったやったわ」

 リツコは思い出したシンジが顔面に大きなガーゼを貼っていたことを。

「そしたらね鼻血が飛んでアタシのTシャツについたからお腹に蹴りを入れてやったわ」

「かわいそうに・・・」

 哀れなシンジに同情するのであった。

「それでねシンジをときめかせる方法はないかしら?」

「ふふ良い物があるわよ」

 リツコは戸棚からガラス瓶を取り出した。

「なにそれ?」

「これはときめき薬、シンジ君に飲ませればときめいちゃってもうラヴラヴよ」

「本当?」

 アスカは瞳を輝かせた。

「ええ本当よ。これでもうあ〜〜んな事やこ〜〜んな事、言わなくてもわかるわよね?」

「な、なに言っているのよ。馬鹿・・・貰っていくわね」

 アスカは瓶を受け取るとその場をダッシュであとにした。





「これでシンジをときめきに・・・」

 アスカは通路を歩きながら瓶を眺めた。

「でも変な色ね、飲めるのかしら?」

 液体の色は濃い紫、飲めるかどうか不安になってくる。

「おっアスカ君、まだ居たのかね。ごほごほ」

「あ、はい。それより風邪なんですか?」

 冬月が通りかかった、マスクをしており風邪のようだ。

「ああ碇にうつされたようなんだよ」

「へえ〜大変ですね、司令も風邪なんですか」

「あいつはもう治って南国へバカンスに行ったんだよ。置手紙を残してな」

「バカンスですか・・・」

 心で羨ましく思うアスカ、同じに冬月に同情した。

「ごほごほっ今日は早引きさせてもらうよ」

「お大事に、あっこれ風邪薬なんです」

「おおそうか、ありがとう」

 アスカは胸の鼓動を押さえながら冬月に瓶を渡した。

(まずは実験・・・もし副司令がアタシにときめいたら・・・必殺技で沈黙させればいいわ)

「ごくごく・・・」

「ど、どうですか」

 生唾を飲むアスカ・・・

 パサッ!

「あっ!か、髪の毛が・・・」

「ん?髪の毛がどうか・・・」

 アスカが最後に見たのは冬月の髪の毛がはじける光景、二人はそのまま床に倒れた。

「また失敗したわ」

 通路の影から現れたのはサングラスをして麻酔銃を手にしていたリツコであった。

「まさか脱毛薬になるなんて、でもこれを市販すればお坊さんに売れるわね。アスカはこのままにしておいて・・・副司令は育毛剤ができるまで接着剤でカツラをつけておきましょう」

 冬月を引きずってその場を立ち去るリツコ。アスカは目が覚めたら先ほどの光景は忘れているであろう。冬月には絶対取れないカツラが付いている事であろう。

「うふうふうふふふふふ」

 静寂なネルフの通路にリツコの不気味な笑い声が響くのであった。


 リツコさんMADです(^^;)アスカちゃんの悩みはシンジ君がときめかない(笑)

 そこでリツコさんに相談(相談する相手が間違いでしたね)渡された薬は失敗作、シンジ君に飲ませていたらとんでもないことになっていました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION リツコ印3