遊んでアスカちゃん

「シンジ〜これクリアして〜」

 リビングで家計簿をつけているシンジのところにアスカがやってきた。手にはGBアドバンストを持っている。

「ゲームかい?」

「うん、難しくて全然勝てないわ」

 プレーしていたのは中年の髭親父がカートに乗ってレースをするゲームであった。

「これかあ、よし」

 シンジはアドバンストを受け取るとゲームをスタートした。

「あっ」

「ん、どうしたの?」

「な、なんでもないよ」

 アスカが画面を覗き込もうとして肩が触れ合い、顔がシンジの顔の数センチに近づいている。

「よしスタートよ」

 アスカはスタートボタンを押した。レースが始まりシンジのカートが走り出す。

「しまった!」

「もう、何やってんのよ」

 スタートで出遅れた、最下位である。

「遅れを取り戻すよ」

「しっかりやんなさいよ」

「う、うん」

 画面を食い入るように見ているアスカの呼吸がシンジに伝わってくる。

「ああっ」

 呼吸に気を取られてコースアウトしてしまった。

「こら!ちゃんと操作しなさい」

「わ、わかってるよ」

 コースに復帰しスピードを出し始めたが・・・

「速い速〜〜い・・・へっくちゅん!」

「うわっ」

 アスカがくしゃみをした。肩が密着していたのでシンジの腕に揺れがきて操作ミスをしてしまった。

「ごめんごめ〜〜ん」

「なんとか大丈夫だよ」

 しかし先頭との差が少し開いてしまった。




「シンジってレースゲームは得意よね」

「うん、好きだからね」

 すでにファイナルラップに入りトップを走っている。

「格闘ゲームはアタシが得意だけどね」

「だって対戦してたら隣で五月蝿いじゃないか、あちょ〜〜とかうりゃ〜〜って」

 すでに独走状態、余裕である。

「気合が入っていいのよ。バーチャルじゃない」

「そうかな?まあ叫ぶのはいいけどコントローラ壊さないでよね」

 アスカの力はコントローラにヒビが入る。先週も一個壊している。

「そ、そんな事忘れたわ」

「ふふ、よしゴールだ」

 トップでチェッカーを受けた、クリアである。

「はい、クリアしたよ」

「わお、サンキュ〜。次はアタシがするわよ、かして」

「うん」

 シンジは本体を渡すと立ち上がった。

「どこ行くのよ?」

「どこって掃除をしようかなって」

「ダメよ、アタシの華麗なるプレーを見なさい」

 隣の座布団を叩いて座るように命令した。

「あ、うん」

「さあいくわよ〜〜」

 シンジは緊張しながらアスカの肩に触れ合うギリギリで静止し画面を覗き込むのであった。


 アスカちゃんとシンジ君のラヴ?ほのぼの一コマです。

 女の子は体が触れ合うのに何も思わないんですが男の子は緊張するんですよね。シンジ君もドキドキです(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 遊んでアスカちゃん