MS15
「わ、私とした事がまた素晴らしい発明をしてしまったわ。くっくっくっく」
ネルフにある魔の研究室から妖しい笑い声が深夜聞こえてくる。
「私はどうして天才なのかしら?本当に自分の才能が恐いわ」
コーヒーを口に含み完成品を見て満足げな科学者リツコは口元をニヤリと歪めた。
「今年の夏はこれで決まりね、お〜〜〜ほっほっほっほ〜〜」
笑い声がネルフ中に響くのであった。
「シンジ〜早く早く〜〜」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
ネルフのプールへ遊びに行く二人、シンジはまだ準備ができておらず早く行きたいアスカが急かした。
「ガンガン泳ぐわよ〜〜」
ご機嫌なアスカ、それは夏休みだからであろうか、それともシンジと泳げるからであろうか。
「今日は新しい水着を持ってきたのよ、ふふ楽しみだわ」
「へ〜そうなんだ」
「何よ、その喜びの無い返事は?アタシの新しい水着が見れるのよ、感謝しなさい」
「う、うん」
「宜しい、さあ行くわよ〜〜〜」
アスカは握りこぶしを天に突き上げるとネルフに向かうのであった。
「わお〜〜貸しきり状態だわ」
広いネルフのプールには誰も居ない、デートするには最高の環境である。
「じゃあ着替えて集合よ」
「うん」
ジャバッアン!
「うわっ!」
「きゃっなに?」
二人が更衣室に向かおうとした瞬間突然プールから水飛沫が飛んだ。
「二人とも待っていたわよ」
「リ、リツコさん?」
「アンタなにしてんのよ」
水の中から現れたのは白衣姿のリツコであった、ずっと待っていたのであろうか背中にはアクアラングを背負っている。
「遅かったわね、お陰で身体がふやけたわ」
「ふやけたって・・・どうして水の中で待つ必要があるのよ?」
「ふふふ、天才は何時の時代も理解されないのよ」
「「・・・」」
リツコの言葉に二人はあきれた。
「それで何の用なの?アタシ達これから泳ぐから邪魔よ」
「ふふふ、私の用はこれよ」
「「これ?」」
リツコは背中から何か入っている袋を出した。
「アスカに新作の水着を持ってきたのよ」
「水着〜?いらないわよ、アタシ持ってきたもん」
それにリツコが持ってきたという不安もある。
「ふっふっふっふ、この水着は有名デザイナーと天才科学者のコラボレーションな水着よ」
「そ、そうなの・・・」
有名デザイナーには惹かれるが天才科学者が引っ掛かる。
「さあアスカこれを着てちょうだい」
「いやよ、新しく買った水着があるもん」
「ふふふ、この水着はね・・・」
リツコはアスカの耳元でささやいた・・・
「これを着ればシンジ君のハートは貴女のものよ」
「えっ?うそ」
「嘘じゃないわよ、この水着はシンジ君が絶対に興味があるから」
「本当ね?」
「ええ、本当よ。だから着替えてくるといいわよ」
「わ、わかったわよ」
「シ、シンジ!着替えてくるから待っていて」
「あ、うん」
アスカは水着を受け取ると更衣室に向かった。
「シンジ君、アスカの着替えた姿を見てちょうだい」
「あ、はい」
シンジは思わず生唾を飲んだ。
そして・・・
「こら〜〜〜リツコ〜〜」
更衣室のドアが開きアスカの大声が飛んだ。
「お〜〜〜素晴らしいわ」
「何なのよこの水着は!!」
「ア、アスカそれって・・・」
水着に怒っているアスカだがしっかりと着ている。
「そうよ、その水着はズゴックよ!」
「そして赤いからシャア専用ですね」
「そうよ、シンジ君よくわかったわね」
「シャア専用で泳ぐと三倍速いわよ」
「だからどうしったってのよ!?要らないわよこんなの」
怒っているがしっかりと着ている。
「今年の夏はズゴックの水着が流行るわよ」
「流行らないわよ!もう脱ぐわよ!」
シンジには見せたかったようだ。
「もう脱いじゃうの?」
「自分の水着が良いわよ、バカリツコ!」
更衣室のドアが激しく閉められた。
「気に入らなかったようね、何が気に入らなかったのかしら?」
「リツコさん・・・」
悩むリツコにシンジは激しくあきれた。
「やっぱりゾックの方が良かったのかしら?」
「・・・」
首をかしげながらその場を立ち去るリツコであった。
リツコさん今回の発明?はちょっと失敗でしたね(^^;)
アスカちゃんが気に入ってくれませんでしたね、折角のシャア専用なのに(笑)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION MS15