夏のサンタクロース

「シンジ〜シンジ〜」

「ん、なんだい?」

 シンジがリビングでテレビを見ていると部屋からアスカが飛び出てきた。

「今日は七夕でしょ、願い事書いちゃった」

「今日は七夕だったね、すっかり忘れていたよ」

 毎日多忙な主夫は七夕を忘れていたようである。

「忘れてた〜?年に一度織姫と彦星が会えるのを忘れるなんてロマンチックじゃないわね」

「はは、ごめんごめん。笹を買ってこないといけないね。どんな願い事を書いたの?」

「ん〜〜どうしようかな〜〜見せてあげようかな〜〜」

 アスカは願い事を書いた短冊を後に隠した。

「意地悪だなあ〜」

「いいじゃん、どうせ見るんでしょ」

「うん、でも今見たいなあ」

 どんな願い事を書いたか気になる。

「しょうがないわね、見せてあげるわよ。はい」

「ありがとう、どれどれ・・・」

 短冊を読んだシンジは言葉が止まった。

「どうかしら?アタシの願い事は」

「これって・・・」

 短冊には『新しいゲームソフトが欲しい〜!シンジ今日買ってね、ハアト』と書いてあった。

「願い事よ、昨日新作が出たのよ、ねえ買ってよ〜」

 猫なで声でシンジの肩に寄り添った。

「短冊にこんな事は書かないんだけど・・・」

「どうして〜?だって織姫と彦星が年に一度会う記念としてアタシ達の願い事をかなえてくれるんでしょ〜ヒカリに七夕の事を聞いて日本は夏にもクリスマスがあるって感激したのよ」

 多少解釈を勘違いしている。

「七夕の願い事はね、世界が平和でありますように、だとか。健康でありますように、って書くんだよ」

「アタシが世界を守っているし健康だもん、ねえ買ってよ〜〜」

「うっ」

 更に身体を密着させ耳元でささやいた。

「ねえ〜〜ん」

「〜〜〜〜〜」

 シンジは顔面真っ赤になって茹蛸状態である。

「買って〜〜ん」

「わ、わかったよ〜買うよ」

「いえ〜〜い、ありがとう〜〜シンジサンタさん」

 アスカは大喜びすると出かける準備をする為に部屋に駆けていった。

 そしてシンジは・・・

「お小遣いからか・・・」

 生活費をゲームに使えない、自分のお小遣いから負担しなくてはならないのであった。


 アスカちゃんの願い事は見事にかないましたね(笑)でもシンジ君が(^^;)

 ガックリなシンジ君でしたがアスカちゃんが喜んだからいいかも。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 夏のサンタクロース