台風弐号
「ふんふんふ〜〜ん」
「あらアスカご機嫌じゃない、どうしたの?」
リビングでアスカは何か嬉しい事があったらしく喜びの舞を踊っていた。
「うふふ〜〜ん、何だと思う?」
「何かしらね〜?」
夜の晩酌中で少し酔いがまわっており思考が低下し考えていない。
「ふふふ〜〜ん、明日は学校が休みなのよ」
「休み〜?平日でしょ」
平日なのに学校が休みなのはおかしい、ミサトは首を傾げた。
「さっき学校の連絡網で明日は台風だから休みだって電話がかかってきたんですよ」
そこへ酒の肴を持ってきたシンジが答えをばらした。
「あ〜〜ばらすんじゃないの」
「へ〜〜台風が来るの、気が付かなかったわ」
「気が付かなかったって・・・・雨が強かったじゃないですか」
「あらそう?普通の雨だと思っていたわ」
「風も強かったじゃないのよ」
「へ〜〜」
ビールがあれば台風はどうでもいいミサトである。
「ふっふっふ〜〜だから明日は学校が休みなのよ。るんるんらんら〜〜ん」
「アスカ〜休みだけが楽しみなのかしら?」
「え?」
「停電になったらシンちゃんに怖いっ!って言って抱きつけるじゃないの」
「な、ななななななななななな何言ってんのよ」
顔が真っ赤になる、ミサトにはアスカの表情が酒の肴である。
「シンジ〜〜こっわ〜〜い。大丈夫だよアスカ、僕がついているよ。・・・って青春ね」
「ミサトさん!」
「ミサト!」
ミサトの迫真の演技に二人とも顔を真っ赤にして怒った。
「ふふ、停電したら私はどこかに消えるから二人で萌えてちょうだい。でも暴走はダメよん」
「バ、バカ!」
アスカが空になった缶を投げようとした瞬間・・・
「「「あっ!」」」
家中の電気が消えて真っ暗になった。
「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
そして暗闇に響くアスカの叫び声とシンジの悲鳴・・・
数十秒後に電気が復旧した。
「あっシンちゃん」
ミサトが見たのはアスカがシンジに抱きついている光景であったが、停電の恐怖で抱きしめに力が入りシンジが気絶していたのであった。
「あ〜あ、ムードもな〜〜んにもないわね」
二人をからかう気にもなれずにビールを飲み干すのであった。
停電でシンジ君に抱きついたのは良かったのですがアスカちゃん、力が入りすぎましたね(^^;)
シンジ君が弱いのかアスカちゃんが力強いのか、どちらでしょうね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 台風弐号