ボーナス
「んふふふふふ〜〜」
ネルフ、ミサトの執務室でミサトは椅子に座り机に置いてある一枚の紙を見てにやけていた。
「ボーナスボナース、ボ〜ナスゥ〜〜!毎日の仕事はこの日の為にあるのよ。あ〜〜六ヶ月は長かったわ〜〜」
今日はネルフのボーナス日、一枚の紙は明細書であった。
「何買おうかな〜〜って、もう決めているもんね〜〜車のパーツを買って、ビールを沢山買って、美人のお姉さんらしいところを見せるためにシンちゃんとアスカに臨時のお小遣いをあげて〜〜」
満面の笑みである、支給された金額を確認する為に明細書をあけた。
「ふんふんふ〜〜・・・」
鼻歌が止まった。
「なに〜〜これ?少ないじゃないのよ。これじゃあパーツを買っただけですぐに無くなっちゃうじゃない」
期待した以上に少なかったようである。
「それに税金が引かれすぎ!ろくな使い方をしないのにどうしてこんなに納めなきゃなんないのよ〜〜」
机を叩いて怒った。
「税金ムカツク〜〜チョ〜〜ムカ!」
ミサトは明細書を握り締め、机の引き出しから紙袋を取り出した。
「こうなったら、行くわよミサト!」
気合を入れると執務室を出て行った。
「リツコ〜居る?」
「居るわよ、五月蝿いわね」
ミサトが行った先はリツコの研究室であった。
「ボーナス見た?めっちゃくちゃ少なかったわよ」
「そう?貴女の勤務に問題があったんじゃないのかしら?」
リツコはコーヒーを飲みながらミサトの勤務姿勢を思い出した。
「遅刻に飲酒に早退に・・・ボーナスは少なくなるわね」
「査定されてんの?」
「さあそれは知らないわ」
「ねえ〜〜何とかなんない?」
「何が?」
ミサトの言いたい事は薄々感づいている。
「ボーナスがちと増えないかな〜〜って」
「増えるわけないでしょ、馬鹿な事言ってないで仕事しなさい」
「金額見たら仕事する気が失せちゃった〜〜」
「・・・」
リツコは呆れた。
「ねえこれちょっと見てよ」
「何よ」
ミサトは持ってきた紙袋から本を取り出した。
「そ、それは!」
「んふふ〜〜な〜〜んでしょ」
「猫ちゃんセクシー写真集!」
リツコの瞳が輝いた。
「よく読めました〜」
「限定一万部、店頭では発売せずに電話販売のみでおこない、わずか五分で売り切れたという幻の写真集を何故貴女が持っているの?」
リツコも手に入れるために電話をしたが込み合って繋がらずに買えなかった。
「たまたま電話したら繋がって買っちゃったのよ」
「そ、そうなの・・・」
冷静を装っているが欲しくて手がピクピク動いている。その動きをミサトは見逃さない。
「これねえ〜未開封なのよ」
「な、なんですって!」
まだ誰も見ていない、リツコは最初に見たくなった。
「ここで見ちゃおうかな〜〜」
「み、見るの?」
「どうしようかな〜〜?この明細書の支給額がちょこちょこ〜〜ってアップすれば良いんだけどなあ」
「何が言いたいのよ」
ミサトの言いたい事はもうわかっている。
「増えたらこの写真集要らないから誰かにあげちゃうかな〜〜」
「こ、この私を買収する気なの!」
リツコの瞳が一瞬怒りにかわった。
「いやならこれ私一人だけで見ちゃおう」
リツコの怒りにも動じない。
「・・・」
リツコは素早くミサトの明細書を奪い取ると研究室を出て行った。
「んふっふ〜〜」
研究室に一人残ったミサトはニヤリと笑うのであった。
「ミサト、これよ」
「どれどれ・・・サンキュ〜」
中身を確認して満足すると写真集をリツコに渡した。
「セクシー猫ちゃんをたっぷり堪能してねん」
「わ、わかっているわよ」
ミサトはウインクをすると研究室を出て行った。
「あ〜〜写真集の値段よりはるかに多い金額が入ってくるなんて最高だわ〜〜〜」
懐が潤ったミサトは買う予定の車のパーツを増やそうと思案して帰るのであった。
ミサトさんのボーナス少なかったようですね、やはり勤務態度がいけないのでしょうか(^^;)
そんな時はリツコさんに相談すれば問題は解決します(笑)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ボーナス