大発明4

「シンジ〜〜見て見て〜〜」

「ん〜なに?」

 リビングで家計簿をつけていたシンジ、そこへアスカが帰ってきて走ってやってきた。

「ものすんごい発明しちゃった」

「へえ〜〜なんだい?」

「ふふ、知りたい?」

 アスカは満面の笑みを浮かべて背中に発明してものを隠していた。

「うん、何だろう知りたいなあ」

「じゃあ教えてあげる。ジャ〜〜〜ン!!」

 アスカは背中に隠していたものを高々と天にあげてシンジに見せた。

「なんだ携帯じゃないか」

 アスカが見せたのはネルフから支給された携帯電話であった。

「ふっふ〜〜ん、普通の携帯じゃないわよ。もんのすご〜〜〜い携帯なのよ」

「どんな携帯なの?僕のと同じじゃないか」

 外見は同じである。

「同じじゃないわよ、中身が違うの!性能が違うのよ」

「へえ〜〜」

「まずはカメラよ!五千万画素のデジタルカメラを搭載!これで写せば何でも綺麗に取れるわよ!」

 パシャ

 アスカはカメラを起動させるとシンジを撮った。

「ほら綺麗でしょ」

「本当だ、市販より綺麗だね」

「ふふふ」

 アスカは笑うとこっそりシンジの画像を保存した。

「次はこれよ!はいシンジ、こっちを向いて」

「ん、またカメラかい?」

 シンジはレンズに向かってピースサインを出した。

「ぶっぶ〜〜残念外れました。これは動画よ!そこら辺にある動画じゃないわよ。なんと一時間も取れちゃうのよ」

「へえ〜〜〜」

「ほら動いているでしょう」

「あ、本当だ、スムーズに動くね」

「当然よ!」

 アスカは鼻で笑うとこっそりシンジの動画を保存した。

「次は!」

「次は何かな?」

「次は音よ!ステレオ音源にスピーカがドルビーサラウンドで5.1chよ」

「それは凄いね」

「凄いでしょ〜〜」

 携帯から聞こえてくる着信メロディーはオーディオで聴く音とほぼ同じであった。

「5.1chはどうやっているのか気になるね。どうやっているの」

「ふふ〜〜ん企業秘密よ」

 アスカはウインクすると秘密を教えなかった。

「そうなんだ、ちょっと残念だなあ」

「ま、気が向いたらアンタのにも搭載してあげるわよ」

「うん頼むよ」

「そしてそしてそして〜〜この携帯の最大最強の発明は〜〜!」

「発明は?」

 アスカはテーブルの上に立つと高々と携帯をあげた。

「なんと!」

「なんと?」

「通話料がかからないのよ!」

「かからないの?それは凄いね」

「ふふふ、これで何時間も話し放題よ」

 通話料はネルフが払ってくれるので別に通話料をかからなくしなくてもよかった。しかしアスカはそれに気が付いていなかった。

「でもそれって違法じゃないの?」

「違法じゃないわよ魔法よ。アンタの携帯にかけてみるわよ」

 PIPIPIPIPI!

 シンジの携帯が鳴った。

「ほら取りに行きなさいよ」

「あ、うん」

 シンジは携帯を自分の部屋に取りに行った。




「もしもし」

「もしもし〜〜よ〜〜く聞こえるでしょう」

「うん聞こえるよ、ふすまの向こうから」

 アスカの声が大きく携帯からもリビングからも聞こえた。




「本当に無料なのかい?」

 リビングに戻ってきたシンジは少し半信半疑である。

「本当よ、ほら」

 アスカは携帯のファンクションキーを押して先ほどの通話明細を見せた。

「本当だ、ゼロ円じゃないか」

「ふふふ、ドイツの科学力は世界一〜〜〜よ!」

「アスカ凄いね〜」

 腰に手を当て威張るアスカにシンジは感心するのであった。









「むう」

「どうした碇」

「今月の通話明細がやたらに高い」

「ほうかなり使ったな」

「身に覚えがないのだが・・・」

「ふっ歳じゃないのか」

「ち、違うぞ。わ、忘れていた今月はかなり携帯を使ったからな、高くなったんだ」

「そうかそうか」

「し、信じていないな」

「ふふ、信じているぞ」


 アスカちゃんの発明は良い物でした。こっそりシンジ君の写真と動画を保存したのは秘密です。

 通話料無料、その原理は・・・(^^)これでアスカちゃんはかけ放題ですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 大発明4