ダルイッ

 太陽がまぶしいなあ、清々しい朝だよ。

 小鳥が囀り、風が爽やかだよ。

 僕は碇シンジ、エヴァンゲリオン初号機パイロット兼主夫。90%は主夫なんだよね。

 昨日でゴールデンウィークが終わり、今日からまた普通の生活が始まったよ。ふう〜〜連休明けは朝起きるのが辛いけど頑張って起きないとね。

 今日の朝ごはんはシンプルに、ご飯と目玉焼きと味噌汁そしてトマト、朝は時間がないから簡単にできるのを作るんだよね。

「さあて」

 朝食を作り終えて時計を見ると二人を起こす時間だ。

「まずはミサトさんからだ」

 上司兼保護者のミサトさんを起こしに行こう。ちゃんと起きるかな?昨日夜更かししていたようだけど。




「ミサトさん朝ですよ〜」

 部屋には入らず扉の前で呼びかける、仮にも女性だから入るのはちょっとね。


「ふう〜」

 声をかけて数秒沈黙、返事がない。

「入りますよ〜」

 一応声をかけて部屋に入る。

「・・・」

 毎回入るたびに言葉を失うよ、部屋の散らかりようにね。

「ミサトさん朝ですよ、起きてください」

 頭から布団を被っているミサトさん、頭をポンポンと叩いて起こした。

「う、う〜〜ん・・・まだ朝じゃない、起こす時間じゃないわよ」

「朝だから起こしているんですよ」

「うい〜〜休みなんだから寝かしておいてよ」

 勘違いしているよ。

「休みは昨日で終わりましたよ、今日から仕事ですよ」

「仕事〜?何それ〜〜」

「・・・」

 凄いとぼけ方だなあ、ちゃんと働いてくださいよ。

「駄目ですよ、仕事に行かないと給料が出ないですよ」

「ん〜〜別にいい〜〜」

「よくないです!」

 飢え死にしますよ。

「ん〜〜じゃあ病気だから休むわ」

 ・・・また仮病が始まったよ。

「はいはい、わかりました。起きてくださいね」

 時間が無いから僕は布団を剥ぎ取ったよ。

「うひゃあ〜〜」

「遅刻しますよ」

「本当に病気なのよ〜〜」

「具合が悪いんですか?」

 見た感じ、悪そうに見えないけどなあ。

「うん、五・月・病、ウフッ」

 胸を寄せて谷間を僕に見せて艶かしい姿をしているよ。トウジやケンスケが見たら鼻血ものだけど、今の僕はそんな事より時間が大事なんだ。

「今日の晩酌抜きです」

うっそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!

「本当です、早くテーブルに着いてくださいね」

 真っ白になっていくミサトさんを残して、次はアスカを起こしに行くぞ。





「アスカ〜〜朝だよ」

 部屋には入らず扉の前で呼びかける、勝手に入ったら殺されるからね。


「ふう〜」

 声をかけて数秒沈黙、返事がない。

「入るよ」

 声をかけて部屋に入る、これで勝手に入ったことにならない。声をかけたんだからね。

「・・・」

 ミサトさんの部屋よりマシだけど散らかっているんだよね。

「アスカ〜朝だよ」

 布団がベッドから落ちているよ、蹴飛ばしたんだろうな。枕を抱きしめて寝ているよ、寝顔が可愛いなあ。

「う、う〜〜ん、朝〜?まだ夜じゃん」

「夜なら起こさないよ」

「アタシには夜に見えるわ」

「目をつぶっていればね」

「あと一時間〜〜」

 あと一時間って何?あと五分ならわかるけど、流石一味違うなあ。

「駄目だよ、学校に遅れちゃうよ」

「遅れてもいい、遅らせてよ〜」

「だ〜め、遅刻したら委員長に怒られるよ」

 委員長は時間に厳しいからね、ちょっとでも遅れたら怒られるんだよ。

「病気だから休む〜〜」

「病気〜?」

 なんとなく予想が付くけど・・・

「うん、聞きたい?」

「うん」

 多分病名は・・・

「五・月・病、ウフッ」

 パジャマの裾をあげて白い足を僕に見せたよ。トウジやケンスケが見たら鼻血ものだけど、今の僕はそんな事より時間が大事なんだ。

「今日の晩御飯はアスカの大好きなピーマンの炒めものね」

マジ〜〜〜〜〜〜〜?

「うん、マジ。早くテーブルに来るんだよ」

 真っ白になっていくアスカ、さあ二人を起こしたぞ、台所に戻ろう。






「ビール無し無し無し無し」

 先にミサトさんが食べていたよ、何か呟いているけど関係ないや。

「ピーマンは嫌、ピーマンは嫌」

 アスカがやって来た、何か呟いているけど僕はし〜らない。さあ清々しい一日の始まりだぞ。


 連休明けは疲れますね。でもシンジ君は元気です。そして二人の女性は(^^;)

 まだ休みと勘違いしているミサトさんとアスカちゃん、シンジ君は起こすの大変ですね。

 二人とも五月病ですがシンジ君の一言で治りましたね(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ダルイッ