ひとり
「トウジ達と一泊二日でキャンプに行ってくるよ」
え〜〜〜〜?
「一泊二日で出張が入ったのよ〜」
あっそ。
揃いも揃って家を空けるとなると、残りはアタシ一人・・・どうやって生活していけばいいのよ?
「たったの一日空けるだけじゃないの、死にはしないわよ」
「ご飯を作っていくからレンジで温めればいいよ」
「シンちゃんあまいわねえ〜アスカも良い機会なんだから一人で自炊してみなさい」
フン、ミサトに言われたくないわよ。でもたまには自炊してみるのもいいかもしれないわね。
「さっすがアスカ、えらいわね」
ふっふ〜〜ん、当然よ。アタシを誰だと思っているの?アスカ様よ。
「アスカ、大丈夫かい?」
大丈夫よ。アンタが居なくても、ちゃあんとやってやるわよ。
二人を見送って、この家にはアタシ一人、あっペンペンも居るわね。でも人間はアタシだけだから事実上一人ね。さあ何をしようかな。
まずは洗濯かしら、アタシのせくしいな下着を洗っちゃうわよ。
ふんふんふ〜〜ん、下着は洗濯ネットに入れて洗濯機へポイ。
Tシャツ、短パンはそのままポイ。後はボタンを押すだけで全自動よ。
簡単よね。
洗濯の次はお掃除よ。まずはアタシの部屋ね。
いつも綺麗にしているから掃除機をかけるだけでいいわね。ふんふんふ〜〜ん、掃除も簡単簡単。ふふアタシって案外主婦が似合うかもね。
お次はリビングをしようっと、ここも掃除機をかけるだけでいいわね。
ふんふんふ〜〜〜ん。って掃除機をかけるにも結構体力使うわね、汗かいてきたわ。
ふう〜〜疲れちゃったわ。ちょっと休憩しようっと。
冷蔵庫を開けてジュースは・・・な〜〜〜い。あんのバカシンジ〜ジュースを買ってないじゃないのよ。帰ってきたらセッカンよ。
しょうがないわ麦茶でも飲みましょうか。
ごきゅごきゅ
ぷは〜〜労働の後は美味しいわね。
そんでもってお昼ご飯よ。パンを買っておいたからコーヒーを入れて食べよう。
「クワクワ」
あっペンペンのご飯もよね。ええと何が食べたいのかしら、キャットフード?
「クエクエ」
違うの?アンタは雑食だから何でも食べるんじゃないの。
「クワクエ」
魚を食べたいの?えっ冷蔵庫に入っているの。
「クワッ」
はいはい、急かさないでも取ってあげるわよ。
「クワ〜〜」
よしっペンペンのご飯はこれでよし、アタシのご飯も準備できたわよ。
ふんふ〜〜ん
音楽を聴きながらゆっくりとお昼ご飯。う〜〜んまったりとしていいわね、マダムって感じだわ。
ご飯を食べたら・・・ふあああ眠たくなってきちゃったわ。あっペンペンったらもう寝ちゃっているわ、アタシもお昼ねしようっと。
はっ!寝すぎちゃったわ、もう夜じゃない。晩御飯の用意をしないと。
ええと、ええと買い物に行く時間がないから冷蔵庫に入っているもので作っちゃおう。
野菜にお肉にその他色々・・・無難に炒め物かしら。
野菜を切って。ふふふ〜〜ん、アタシって上手ね。っていった〜〜い!
ふえええ〜〜指切っちゃった〜〜痛いよ〜〜〜
バンソウコウはどこかしら?
棚かな?無いわ無いわ。引き出し・・・な〜〜い。
ううう〜ジンジン痛くなっていくし血がとまらないわ。どうしよう〜このまま出血多量で死ぬんだわ。
ああ、誰もいない部屋で一人さびしく死ぬのね・・・うえ〜〜ん、助けてシンジ〜〜〜!
「ただいま〜〜」
この声はシンジだわ。
「シンジ〜〜〜〜」
「わっどうしたの?」
「アタシ血が出て死んじゃうの〜〜〜ほら」
「指から血がドバドバ出ているでしょう」
「にじんでいるね、バンソウコウがいるね」
「包丁で切ったらイタタなの〜〜」
「それは痛かったね、バンソウコウ貼ったらもう大丈夫だよ」
「うん・・・少しは痛みが引いてきたわ」
「ご飯作っていたんだね」
「うん、でも指がイタタでもうできないの」
「それじゃあ僕が作るよ」
「うん、でもキャンプはどうしたの?」
「雨が降ったから中止になったんだよ」
「ふ〜〜ん」
それは残念だったわね。でもシンジが帰ってきてくれてよかったわ。
アスカちゃんの主婦?ぶりはちょっと失敗ですね。掃除はよかったのですが料理がダメでしたね。
やはり主夫シンジ君が必要ですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ひとり