除夜の鐘
「まだかな、まだかな〜」
アスカは何かが待ち遠しいのかリビングをうろうろしていた。
「アスカ〜座りなよ、まだまだ先だよ」
「う〜〜早く除夜の鐘を聞きたいわ」
日本の文化に興味があるアスカは除夜の鐘が鳴るのを待っていた。
「そんなに興奮していたら聞く前に寝ちゃうわよ」
「寝ないわよ、子供じゃないもん」
「十分子供よ」
ミサトはビールを飲みながらアスカの子供のような行動に笑った。
「除夜の鐘を聞きながらシンジと初詣に行って〜〜それから御神籤を引いてそれから出店で買い食いして〜〜」
アスカの頭にはすでに行動スケジュールができていた。
「あら〜〜シンちゃんと行くの?私は置いてきぼりかしら?二人でラヴラヴな初詣、う〜ん青春ね、でも新年だからあ〜〜んな事やこ〜〜んな事しちゃダメよん」
ミサトはニヤニヤしながらアスカに聞いた。
「ななななな、何言ってんのよ。そんな事するわけないじゃないのよ。それにシンジと行くのはどうせアンタが酔いつぶれて行けないからシンジと二人で行くのよ」
「はいはいそういう事にしておきましょう」
「き〜〜何かむかつく〜〜」
耳まで真っ赤にして怒るアスカにミサトはビールを飲みながら笑うのであった。
「は〜〜い年越しそばですよ」
日も暮れてシンジが年越しそばを用意してきた。
「おお、美味しそうね。これはシンちゃんの手打ちかしら?」
「違いますよ、既製品です」
シンジは本当は手打ちをしたかったのが時間が無く既製品を買ってきた。
「あらそう残念ね。でもシンちゃんが作ったんだから美味しいわね。いっただきま〜〜す」
「「いただきま〜〜す」」
三人手を合わせて年越しそばを食べ始めた。
「んんっんま〜〜い、これはビールに会うわね」
「アンタは何でも合うでしょうが」
「これで汁がビールだったら最高ね」
「それじゃあそばじゃないですよ」
「良いの良いの、美味しければ同じよ」
昼からビールを飲み続けていたのでミサトの味覚は麻痺していた。
「アスカどうしたの?」
ジッと時計を見ていたアスカにシンジが気づいた。
「あ、鐘がまだかな〜〜って」
「あと三時間後くらいかな」
「まだまだね」
「鐘が鳴り始めたら神社に行こうか?」
「うん」
微笑むシンジにアスカは大きく頷いた。
「ふあああ〜〜ご飯食べたら眠たくなっちゃった」
「すぐ横になるからよ」
寝そべって大きなあくびをするミサト、服装はだらしなくお腹が見えていた。
「横になりたいんだもん」
「太るわよ」
「太らないわよ、私は太らない体質だもん。アスカは大変ね太る体質は」
「ななな、何言ってんのよアタシだって太らない体質よ」
「そう?体重計に乗って悲鳴上げてたじゃない」
「そ、それは・・・」
先日体重計に乗って悲鳴を上げたのを聞かれていたようだ。
「まあ育ち盛りだからね。痩せようと思って食事制限したらダメよ。食べて運動すればいいわ。そうすれば私のようにないすばで〜〜〜!になるわよ」
「ここはなりたくないわ」
アスカはミサトのお腹の余分な脂肪を掴んだ。
「あいた〜〜痛いところをつかれたわね、でもすぐにスリムなばで〜〜になるから平気よ」
「ふ〜〜ん、そうなの」
返事をするがスリムに戻るとは思わない。
「あと一時間ね・・・」
時計を確認しながらテレビを見ていたアスカだが瞼が重くなってきた。
「あと一時間・・・」
「zzz」
半分眠りかけのアスカの横ではミサトがお腹を出して豪快に寝ていた。
「あと四十五ふ・・・ん・・・」
睡魔に負け力尽きたアスカはテーブルにうつ伏して寝てしまった。
zzz
zzz
zzz
ゴーンゴーン
そして除夜の鐘が鳴り始めた。
「アスカ〜初詣に行こうか?」
明日の用意を中断してシンジが台所から戻ってきた。
「アスカ?」
「zzz」
アスカはシンジの返事に答えずに安らかな寝息を立てていた。
「暫くは起きないかな」
シンジは呟くと自分の部屋に戻り毛布を持ってきてアスカの背中にかけてやった。
「今年もお疲れ、来年もよろしくね」
シンジはアスカの寝顔に微笑むと明日の用意をする為に台所に戻っていった。
今年も終わりですね、早いなあ。
除夜の鐘を聞こうと張り切っていたアスカちゃんですが睡魔に負けてしまいました(^^;)
起きた時には年が明けてシンジ君と初詣ですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 除夜の鐘