こどもの日
「シンジ〜今日は何の日か知っている?」
リビングでくつろぐシンジに部屋から出てきたアスカが尋ねてきた。
「こどもの日だろ」
「ピ〜ンポ〜ン、正解!」
なぜか機嫌が良いアスカは瞳を輝かせている。
「それでね、こどもの日と言えば何を連想する?」
「連想?そうだね、鯉のぼりかな」
一般的に連想して思いつくのは鯉のぼりだろう。
「ブッブ〜〜ちょっと正解だけど違います〜〜」
「正解だけど違うの?」
「そうよ。もっと連想するのがあるでしょう」
「う〜〜ん」
シンジは腕を組んで考え始めた」
「わかった菖蒲湯だ」
「違う違う〜〜」
アスカは髪の毛が大きく揺れるほど首を左右に振った。
「じゃあ何?」
「答えは・・・柏餅〜〜〜!」
「そう」
シンジの思ったとおりの答えだった。食べ物だったのであえて言わなかったのである。
「それで柏餅は〜?」
「ないよ」
「うそ〜〜〜〜〜」
アスカの大声が家中に響いた。
「ははは、ウソだよ。買ってあるよ」
「むう〜〜アタシを騙すなんて100年早いわよ」
大声を出した分体力を使ってしまった。
「用意してくるから手を洗っておいで」
「うん」
母親に言われたように足取り軽く洗面所に行き手を洗う。
「ふんふんふ〜〜ん」
手を洗ってシンジが用意してくるのをワクワクしながら待った。
「お待ちどうさま」
「わお〜〜美味しそう」
目の前の置かれた柏餅と熱々のお茶、見るだけで食欲を誘う。
「いっただきま〜〜す」
大口を開けてかぶり付いた。
「一気に食べると喉に詰まらせるよ」
「モグモグ、平気よ・・・うぐぐっ」
案の定喉に詰まった。
「お茶、お茶、うぐぐっ」
ゴクゴクゴク
喉の詰まりを取るためのお茶を流し込んだ。
「あ、熱い〜〜〜〜〜」
沸かしたてのお茶、それを一気に飲んでしまったから舌を火傷してしまった。
「ほら、言っただろう。大丈夫?」
「ひゃひゃ、あつい〜〜」
舌を出してシンジに見せた。
「あ〜〜あ、赤くなっているよ。氷で冷やしたほうがいいよ」
「うん」
アスカは涙目を指で拭うと氷を取りに冷蔵庫に向かった。
「うひぇ〜〜ヒリヒリするぅ〜」
氷で冷やしたが痛みは抜けない。
「まだ食べるかい?」
「うん、食べる」
舌がヒリヒリするがまだ食べたい。
「うぐぅ〜食べずらい〜」
「なら私が貰うわよ」
「あっ」
ミサトが丁度帰ってきた、アスカの手に持っていた柏餅を素早く取って口に入れた。
「ん〜〜美味しい〜〜シンちゃんお茶ちょうだいん」
「こら〜〜アタシの取るな〜〜」
「いいじゃない、人のものが美味しく見るのよ」
「だからって取っていいわけないでしょうが!」
「怒らない怒らない、お土産買ってきたわよ」
「本当?」
お土産と聞いて先ほどまでの怒りは消えてしまった。
「はい、これよ」
「わあ〜〜何かな」
アスカは心ときめかせ袋を開けた。
「・・・」
袋の中身を見たアスカは動きが止まった。
「どお〜〜?こどもの日にぴったりでしょう」
「うん・・・」
袋の中身は大量の柏餅、舌を火傷したアスカには嬉しいようで嬉しくないお土産であった。
女の子のアスカちゃんにとってこどもの日の楽しみは柏餅(笑)シンジ君も流石ですね、ちゃんと用意をしていました。
でも食べ方がまずかったですね、喉に詰まらせて熱いお茶を飲んで舌を焼けど、へっぽこです(^^;)
帰ってきたミサトさんのお土産は柏餅、火傷したアスカちゃんには苦笑ものです。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION こどもの日