靴下

「たっだいま〜〜!」

 アスカとシンジが学校から帰ってきた。

「オヤツオヤツ〜〜」

 アスカの声が弾んでいた、昨日買っておいたドーナツがオヤツだからである。

「あら、シンジそれ」

「ん、何?」

 靴を脱いだシンジの靴下に眼が行った。

「靴下破けているじゃないの」

「あっ本当だ」

 シンジの靴下は親指の爪のところが破けていて穴が開いていた。

「破けを履いているなんてカッコ悪いわね〜〜捨てなさいよ」

「いいじゃないか、別に」

「良く無いわよ、そんなの履いていたらアタシが変に思われるじゃない」

「どうしてアスカが変に思われるんだよ?」

 シンジは首を傾げた。

「そ、それは・・・と、兎に角みっともないし、カッコ悪いから新しいの買いなさい」

「別にいいよ、まだ履けるから」

 シンジは靴下がずれたので引っ張り上げた。

「あ〜ゴムもゆるんでるじゃないの、もう捨てなさいよ」

「いいって〜僕は物を大切にしたいんだよ」

「単なる貧乏性でしょうが!今から買いに行くわよ」

「いいって」

「良く無い!」

「うわっ」

 アスカは鞄を放り投げるとシンジの手を掴んで家を出た。






「別にいいのに」

「ごちゃごちゃ言わない!アタシが買ってあげるからもうそれは捨てるのよ」

「わかったよ」

 シンジは行く気が無いのか頭をかきながら返事をした。

「シャキシャキあるく」

「はいはい」

「ハイは一回!」

「はいはい」

「がるる〜〜」

 アスカはずっとシンジの手を引っ張ってスーパーに向かった。






「ええと、あったわ」

 下着売り場の隣に靴下売り場があった。

「四足千円だって、これが良いわね」

「うおっ」

「ん?」

 シンジは驚きの声をあげた、それを見たアスカは・・・

「このヘンタイ!」

 バシッ!

「いたっ!」

 アスカの平手打ちがシンジの後頭部を直撃した。

「下着を見てるんじゃないわよ、イヤらしいわね」

 すぐ隣は女性物の下着売り場であった。

「見ているんじゃないよ、眼に入り込んでくるんだよ」

「それを見るって言うのよ、まったく」

 アスカは溜め息をつきながら靴下を選んでいった。

「色はシンジに合わせて、黒、藍色、ねずみ色・・・ちょっと派手に赤もいいかしら」

 色とりどりに靴下、アスカは楽しそうに選んでいった。その隣にシンジは・・・

「うおっセクシーすぎる」

 展示されている下着を見て興奮していた。

「逝ね!」

 バシッ!

「いたっ!」

 再びアスカの平手打ちがシンジの後頭部を直撃した。

「顔がにやけすぎているわよ、あんな下着ミサトの見て、見飽きているでしょうが」

 洗濯はシンジがしているのでいつもセクシーな下着を見ている。

「ミサトさんの下着と売っている下着は違うんだよ」

「どう違うのよ、同じじゃない」

「う〜〜ん、どう言えばいいかな、売っている下着は萌えるけどミサトさんが着たら萌えないんだよ」

「・・・」

 アスカは開いた口が塞がらない。

「萌えについてトウジ達と話し合ったんだよなあ〜〜」

 シンジは頷いた。

「バカばっか」

 アスカは呟き、レジに向かった。






「ほら買ったわよ、感謝しなさい」

「うん、ありがとうアスカ」

 シンジは袋を受け取った、新しい物は嬉しい。

「さあ帰るわよ、オヤツが待っているわ」

「うん、帰ろう」

「そうね。っていつまでも見ているんじゃないの」

 バシッ!

「いたっ!」

 先ほどから下着売り場に眼が行っているシンジの後頭部に三度目の平手打ちが直撃するのであった。


 シンジ君の破けた靴下を見て買ってあげるアスカちゃん優しいですね。

 買いに行った二人、でもシンジ君は下着に夢中(笑)アスカちゃんは怒りますね(^^;)


 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 靴下