ランタンへ行こう
「シンジ、長崎へ行くわよ」
「へ?」
朝ごはんを食べた後シンジに言ったら鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたわ。
「だから今から長崎へ行くのよ」
「どうして長崎なの?」
「今ランタンフェスティバルがやっているのよ、これは見に行かないと罰が当たるわよ」
ランタンフェスティバル、なんでも中国の旧正月を祝う為の行事として始めたみたいね。もともとは「春節祭」としてあったようだけど規模を拡大したお祭りみたいね。ふふ事前にお祭りの内容をチェックしておくのは常識ね。
「べつに罰は当たらないけど」
「あ〜〜もう、行くのよ!行かないといけないの」
「わかったよ、片付けてからね」
皿なんか洗っている暇ないわよ。
「ダメよ、今から行くのよ。早く着替えなさい」
「でも〜〜」
「デモもテロもない!早く着替える」
「わかったよ」
「五分以内で準備をすること、わかった?」
「うん、わかったよ」
アタシも光速で準備をするわよ。
「アスカ〜準備できたよ」
「よろしい」
アタシも準備完了よ、さあ行きましょう。
「行くって何で行くの?」
「ふふふ、すでに屋上に待機しているわ行きましょう」
「屋上?」
移動手段もぬかりはないわよ。
「あっ!」
ふふ驚いたようね、そうヘリコプターを手配しておいたわよ。
「さあ乗りましょう」
「あ、うん。でもよくかりれたね」
「アタシを誰だと思っているの?アスカ様よ」
アタシに不可能は無いわよ。
「でもそれだけでかりれるとは思えないけど」
「ごちゃごちゃ五月蝿い!早く乗る!」
「は、はい」
本当の事言うと碇司令に頼んだんだけどね、これはシンジには内緒。
「さあ長崎へご〜〜!」
「到着〜〜流石に早いわね」
長崎の港に着陸したわ、なかなかいい場所があったわね。
「ここは松ヶ枝埠頭だって」
「へ〜〜よく知っているわね」
「パイロットの人に聞いたんだよ」
流石物知りね、ええと帰りはどうしようかな?流石に一泊はまずいかしら?シンジと一泊・・・きゃ〜〜〜イヤンイヤン、シンジのえっちい〜〜
バチン!
「イッタ〜〜いきなり何するんだよ?」
「あっご、ごめん。つい手がでちゃったわ」
妄想に走っちゃった。一泊はまずいから日帰り、夜になったらまたここからヘリに乗って帰りましょう。
「と言うわけで夜まで遊びまくるわよ〜〜」
「何が、と言うわけなんだよ。いたたたた」
「男の子がうだうだ言わない、さあ行くわよ」
「うん」
まずはメイン会場である湊公園へ、ええとここから歩いて・・・って少し遠いわねタクシーで行こうかな。
「歩かないの?」
「地図で見たらちょっと遠いのよね、タクシーで行きましょう」
「歩いた方が健康に良いよ」
「それは良いけど、公園に着いたら歩くでしょ、だから今は体力を温存しとかないといけないのよ」
「そうなんだ」
「そうよ」
ここで疲れたらもったいないもんね、タクシーを捕まえて湊公園へご〜〜!
「わお〜〜すご〜〜い」
港公園は交通規制で通れなかったから近くで下ろしてもらったわ。そして港公園に着いたら凄いわ〜〜色んなオブジェが飾られているわ。
龍や虎に獅子に鳳凰・・・どうして恐竜まであるのかしら?人のオブジェもあるわね、これは三国志かしら。
「あっアスカあれ見て」
「きゃっ何あれ?」
豚を首を飾っているわ、気持ちわる〜〜い、それに中央には子豚を飾っている。これは何を意味するのかしら?
「アスカ、写真を撮ってあげるよ」
「あ、うん」
アタシが見てたオブジェは孔雀、凄く綺麗ね。アタシみたい。
「撮るよ、はいチーズ」
パチッ!
「サンキュ〜〜今度はアタシが撮ってあげる」
「うん」
ええとシンジにはどれがいいかな?ええと・・・あ、あれがいいわ。
「シンジ、そこで撮ってあげるわよ」
「うん、これは虎だね、ホワイトタイガーだ」
「じゃあ撮るわね」
「うん」
「はいポーズ」
パチッ!
ふふアタシが撮ったから完璧よ。
「堪能したわ、次は・・・」
「もう堪能したの早いね」
「次の堪能があるのよ」
「次の?」
「そうよ、次はあれよ!」
アタシが指さした先には・・・
「出店か」
「そうよ、出店よ」
お祭りにかかせないのは出店!買い食いしちゃうわよ。
「ぶた饅食べましょう」
セイロから湯気が出ていて美味しそう。
「美味しそうだね食べようか」
勿論よ、アタシとシンジの分二個買うわよ。
「ぶた慢、ぶた慢〜〜アツアツで美味しそう〜〜」
ふっくらとしてアツアツ、ん〜〜〜まずは一口。
パクッ
「美味しい〜〜〜」
「うん、美味しいね」
肉汁がジワっと口の中で広がって美味しい〜〜〜
「ごちそうさま、次は・・・」
「もう食べたの、早いなあ」
「だって美味しいんだもん。次は角煮饅頭を食べるわよ」
「あっちょっと待ってよ」
「早く食べてしまいなさい」
シンジが食べている間に買っていようっと、当然これも二個ね。
「これもアツアツで美味しそうね」
角煮が饅頭から飛び出ているわ、食欲をそそるわね。
「ではいただきます〜〜」
パクッ
「ん〜〜美味しい」
角煮が口の中でとろけちゃう。
「角煮に味が染みこんでいて美味しいね」
これならいくらでもお腹に入っちゃうわ。
「次は何を食べようかな〜」
「まだ食べるの?」
「当然でしょ、折角来たんだから食べなきゃ損でしょ」
「でももうすぐお昼だよ」
時計を見たら十一時前だったわ。
「お昼ごはんとこれとは別腹よ」
「別じゃないけど、また太るよ」
ギュウウウ〜〜〜!
「いた、いたたたたた」
「そんな事言う口はつねる!」
「いたたた、ゴメンゴメンよ」
「禁句を口にしたらどうなるかわかっているのに口にするのね」
「ゴメン、許してよ〜〜」
「許してあげるからあれ買ってよ」
「あれ?」
アタシの目に飛び込んできたのは・・・
「ストラップか」
そう携帯ストラップよ、ランタンの限定らしいわね。限定・・・この言葉に弱いのよねえ。
「どれにしようかな〜〜」
選んでいる時が楽しいのよね。
「これに決めたっと」
「これかい」
「うん」
アタシが選んだのは龍のストラップよ。
「凄いの選ぶね」
「良いじゃん、長崎と言えば龍よ」
「どうして」
「それはね・・・あ、何か催し物が始まるわ」
音が聞こえるわね、ラッパの音かしら。
「龍踊りだわ」
ナイスタイミングね、龍踊りを見ないと長崎に来た意味が無いわ。
「凄い迫力だね」
「リアルね、シンジ〜写真撮ってよ」
「うん」
「早く早く〜〜」
早くしないと始まっちゃうわ。
「撮るよ〜〜」
「良いわよ〜〜」
「はいチーズ」
パチッ
「綺麗に撮ったんでしょうね?」
「バッチリだよ」
「あ、始まるわよ」
テレビで見た事あるけど実際に見るのは初めて、ワクワクするわね。
「龍が玉を捜しているね」
「あれって月を表していて月は不老長寿の源でそれを食べようとしているって」
「ふ〜〜ん、物知りだね」
「ネットで調べたのよ、結構面白いわよ」
ネットしてたらついつい遅くまで起きていちゃうのよね。
「どんどん動きが早くなっていくね」
「演奏も早くなってきたわね」
龍が髪を振り乱して舞っているわ、凄い迫力。
「凄いわね」
「うん迫力あるね」
髪を振り乱して月を追う龍、でもなかなか追いつけないのよね。
「あっ会場から出て行っちゃったわ」
「終ったのかな」
あれ?見ていた人々が何か叫んでいるわ。
「モッテコ〜イって言っているみたいだね」
「思い出したわ、モッテコ〜イがアンコールって意味だって。シンジ、アタシ達も言いましょう」
「うん」
「「モッテコ〜イ!モッテコ〜イ!モッテコ〜イ!」」
「あっ戻ってきたわ」
これからまた舞うのね。
「おお凄い凄〜〜い」
ふふ、シンジも楽しんでいるわね、来て良かったわ。
「ああ、また出て行っちゃった。アスカ叫ぼう」
「うん」
「「モッテコ〜イ!モッテコ〜イ!モッテコ〜イ!」」
こうやって叫んでいるとアタシ達もお祭りに参加しているって気分になれるわね。
「また戻ってきたよ〜」
シンジったら興奮しちゃって目を輝かせているわ。
「凄い凄〜〜い」
「シンジ〜来て良かったでしょう」
「うん、良かったよ。楽しいね」
ふふふ、喜んでもらえてよかったわ。
「あ、また出て行っちゃった。アスカ叫ぶよ」
「うん」
「「モッテコ〜イ!モッテコ〜イ!モッテコ〜イ!」」
今度は戻ってこなかったわね、これで終わりのようね。ちょっと残念だけど楽しめたから満足だわ。
「凄かったね〜〜」
「そうね、生で見ると迫力があったわ」
もう満足満足〜〜って感じだわ、さあて次はどうしようかな?
「アスカ新地中華街に行ってみようよ」
「そうね」
港公園から浜の町に行く通りが中華街ね、色々ありそうだわ。
ランタンフェスティバル、お祭り大好きアスカちゃんは行かなくてはなりません(笑)勿論シンジ君を誘って二人きりで。
移動手段から下調べまで全て整えていたアスカちゃん流石ですね。
色々見てまわった二人はお昼からはどうするのでしょうね。
次回へ続きます。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ランタンへ行こう