ランタンへ行こう2

 今僕はアスカと二人で長崎にいる、今ランタンフェスティバルがあっていてそれを見に来たんだよ。

「シンジ、上を見てランタンが沢山飾ってあるわよ」

「本当だ色鮮やかで綺麗だね」

 パンフレットを読んでみるとランタンとは中国提灯の事なんだね、これが市内中心部に約一万二千個飾られているのかあ。

「夜には点灯するんだって」

「そうなの?」

「うん、ほら」

 アスカにパンフレットを見せると顔を近づけてきた、ちょっとドキドキするなあ。

「オブジェも点灯するんだ、見てみたいわね」

「うん、でも夜帰らないといけないからちょっとしか見れないね」

「そうね、残念だわ。・・・そうだ!一泊しちゃおうか?」

「えっ?」

「アタシとシンジと二人きりで、うふふ」

 と、突然何を言い出すんだ、僕の耳が真っ赤になるのが自分でもわかるくらい緊張している。アスカと二人で異国情緒溢れる長崎で一泊・・・






アスカ、見てごらん夜景が綺麗だよ


本当、綺麗ね。あそこが港公園ね


そうだよ、さっきまで僕達がいた所だよ


ここからでもランタンの灯りが見えるよ


あっ雪が降ってきたわ


雪が降る夜景も格別だね


そうね、ロマンチックだわ


ふふ、これからもっとロマンチックにしてあげるよ


どうやって?


こうやってさ


バカ







 ぎゅううう〜〜

「アイタタタタタ」

「何鼻伸ばしてんのよ、またえっちな事考えていたんでしょう?」

「か、考えてないよ。一泊があのその・・・雪がロマンチックで」

「泊まれるわけ無いでしょ、泊まったらミサトに怒られちゃうでしょうが。それに雪〜?今雪が降るわけ無いでしょうが、やっぱりえっちな事考えていたんだ」

「違うって〜」

 違う違うぞ!断じて違うんだ〜〜

「はいはい、そういう事にしておきましょう。あれ買ってくれたら信じてあげる」

「あれ?」

 僕はアスカが指さしている方を見た。

「カステラ!まだ食べるの?もうすぐお昼だよ」

「カステラとお昼は別腹よ」

「そうやってまた太って・・・」

 ゴン!

「一言多い!」

「いたたた」

 アスカの拳が僕の頭に炸裂したよ、ふう〜〜頭が陥没してないかな?

「一口カステラを食べたいの、買って買って〜〜」

「はいはいわかったよ」

 駄々をこねられたらイヤとは言えないよなあ。

「へへサンキュ〜〜あれ?シンジは食べないの」

「僕は良いよ、ご飯が入らなくなっちゃうからね」

 僕のお腹には別腹が無いからね。

「そうなの、じゃあアタシだけいただきま〜〜す」

 アスカの大きな口にカステラが吸い込まれたぞ。

「あま〜〜い、卵と砂糖をふんだんに使っているから美味しいわ」

 ゴクリ、アスカの満足した顔を見ていたら僕も食べたくなってきちゃった。

「シンジ〜〜食べたいんでしょ?」

「え、あ・・・うん食べたい」

「じゃああげるわ」

「もう食べないの」

「アタシだけ食べたら不公平でしょう。それに全部食べたら次に食べるのが入らなくなっちゃうからね」

 胃袋の計算をしているとは流石アスカだね。

「わかった、もらうね」

 アスカの食べかけを手に入れたぞ。アスカの食べかけ・・・クラスの男子が知ったら僕は殺されちゃうかな。

「じゃあいただきま〜〜す」

「はい、召し上がれ」

「あっ」

「どうしたの?」

 アスカの食べかけって事はアスカの口がついたカステラを僕が食べる・・・これってもしかして間接接吻!

「シンジ〜どうしたの固まっているわよ」

「な、何でもないよ。いたいたいたいただきます!」

 デリシャス!口の中で広がる卵の香りと甘味がマッチして絶妙な美味しさをかもし出している、これはお茶に合うなあ。

「美味しかったでしょう」

「うん、美味しいよ。ミサトさんに買って帰ろう」

 ミサトさんは今日も仕事なんだよね、疲れた身体には甘い物が一番だ。でもミサトさんはビールが一番かな。

「シンジ〜喉かわいちゃった、お茶買って〜」

「うん」

 自販機でお茶を買おうかな、ペットボトルのお茶がいいね。これなら持ち歩けるしキャップが付いているからこぼれないからね。

「はいアスカ」

「サンキュ〜〜ゴクゴク!ぷはあ〜〜生き返るわ」

「大げさだなあ」

「大げさじゃないわよ、甘い物の後にはお茶よね。はい」

「僕は良いよ、もう一本買うから」

「一本で十分よ、二つ買ったら邪魔になるでしょう」

「あ、うん」

 一本で十分って事は、これを僕が飲んでも良いってことなんだね。アスカが飲んだ後に僕が飲む・・・これってもしかして間接接吻!

「シンジ〜どうしたの固まっているわよ」

「な、何でもないよ。いたいたいたいただきます!」

 デリシャス!口の中に残った甘味がお茶と一緒に喉に通って美味しいぞ。

「美味しかったでしょう」

「うん、カステラにはお茶が合うね」

 明日のオヤツはカステラにお茶だね。

「あっほらシンジ、蒲鉾が売ってあるわ、食べましょう」

 本当だ、その場で揚げているぞ、出来立てだから美味しそうだな。

「うん、食べようか」

「アタシは磯辺揚げがいいわ」

 チクワに青海苔をまぶして揚げているやつだね。

「じゃあ僕はイワシ蒲鉾」

 イワシを原料とした蒲鉾だ、僕のもアスカのも美味しそうだなあ。

「「いただきま〜〜す」」

 ぱくっ!

「美味しい〜青海苔の香りが口の中で広がっているわ、それに揚げたてだからアツアツ〜〜」

「僕のも美味しいよ」

「シンジのちょっとちょうだい」

「僕のかい」

「うん、見てたら食べたくなっちゃった」

 アスカは食欲旺盛だなあ。

「はい」

「あ〜〜ん」

 パク

 アスカの大きな口が僕のイワシ蒲鉾を食べたぞ。僕のイワシ蒲鉾を・・・・・・これってもしかして間接接吻!

「シンジ〜どうしたの固まっているわよ」

「な、何でもないよ。アスカのも美味しそうだね」

「ふふ食べる?」

「うん」

 おわっ僕は何を言っているんだ?うんって返事をしてしまったぞ、旅行気分で大胆になっているのかな。

「もう満足したから全部食べていいわよ」

「いいの?」

「うん、お腹がいっぱいになっちゃったの」

「食べすぎだよ、それじゃあお昼入らないんじゃないの?」

 僕もちょっとお昼は無理そうだな。

「へへそうなの、ちょっと食べ過ぎちゃったわ。お昼は無理かもね」

「多分無理だよ、僕も入りそうにないよ」

 この後も多分食べ歩くだろうから、ちゃんとしたご飯は入りそうにないなあ。ちゃんぽん食べたかったけどしょうがないかな。

「シンジ、あれ買って帰りましょう」

「あれは」

 ちゃんぽん皿うどんセットだね。袋に入っていて家庭で作れるやつだ、ミサトさんへのお土産だね。

「今買うと荷物になるから後から買いましょう」

「そうだね」






 ミサトさんへのお土産はちゃんぽん皿うどんセットにカステラで決まり!また何か見つけたらキープしておこうっと。

「これからどうしようか?」

 お昼が入らないからどこへ行こうかな。

「中央公園会場に行ってみましょう」

 中華街から少し遠いね、途中浜の町会場を見てから行くといいね。

「そこでも何かイベントがあっているみたいね」

「うん、遠いから少しはお腹が空くかもね」

「その通り!お腹が空いたらまた食べるわよ」

「また食べたら、ふと・・・おとっと」

 危なかった〜〜危うく禁句が出そうになったよ。

「シンジ〜〜」

「ごめんごめん」

 顔が笑っているけどこめかみが痙攣しているぞ、恐い恐い。

「さあ行こう」

「うんっ」

 パンフレットの地図を頼りに中央公園へゴ〜〜!


 ランタンフェスティバル、アスカちゃんの食べ歩きツアーです(笑)

 買い食いをするアスカちゃんとシンジ君、仲が良いですね〜これも旅の開放感でしょうか(^^)

 流石に二人とも食べ過ぎのようでお昼ははいらないようですね。

 次回へ続きます。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ランタンへ行こう2