それは突然やって来る。忘れた頃にやって来て僕を傷つける。

 それは今日やって来た。

「シンちゃ〜〜ん、アスカ〜〜ご飯できたわよ」

 僕とアスカがテレビゲームをしていると悪魔の声が台所から聞こえてきた。

「な、ミサトがご飯?」

「また病気が始まったんだ」

 ミサトさんは時々ご飯を作りたくなる病になる。ミサトさん曰く『花嫁修業よん』って言うけどぜんぜん違うと思う。

「今日はアスカのだあい好きなハンバーグを作ったわよ〜〜さあ食べましょう」

 ハンバーグか・・・確かにアスカの大好物だけれども。

「あ、あいたたたたた!」

 アスカがワザとらしくお腹を押さえてリビングを転がりまわったよ。

「ミ、ミサト、アタシあれがきちゃったからご飯が食べれないわ。早めに休むわね」

 アスカずるい。あれで仮病を使うなんて。僕は男だから使えないんだよな。

「あら大丈夫?」

「や、休めば大丈夫と思うわ。けど残念だわミサトのハンバーグが食べれなくって、シンジ〜アタシの分も食べていいわよ」

「げっアスカ」

「それじゃね」

 僕にウインクをすると部屋に逃げ込んだ。全部僕に処理させる気だあ。

「じゃあシンちゃんはアスカの分も食べてね」

 僕に死ねと言うんですね。

「あ、その僕小食だからそんなに食べれないですよ。ペンペン、アスカの分食べていいよ」

「ク、クワ?」

 ごめんペンペン、僕達は一蓮托生だよ。一緒に死のう。

「クワクワクエ」

「えっ?今から飛びに行くから要らないって」

「クワ!」

「あっペンペン」

 ペンペンがベランダの窓を開けると羽をバタつかせて飛んで行ったぞ。ペンペンって飛べたんだ。って逃げられた〜〜

「あら〜〜ペンペンまで行っちゃったわね。それじゃあ二人で食べましょうか」

「・・・はい」

 僕は覚悟を決めた。母さんもうすぐ会いに行きます。





「さあ、召し上がれん」

「はい」

 僕の目の前にはハンバーグがどーーーん・・・これがハンバーグ?タワシにしか見えないよ。

「ご飯も炊いたわよ」

 ホカホカのご飯をついでくれた。見た目は美味しそうだ。

「ちゃんととぎました?」

「といだわよん」

「洗剤使ってないでしょうね」

「使ってないわよ〜〜常識知らずじゃないわよ」

 たまに洗剤を使ってお米をとぐって聞くけど、確かにミサトさんは洗剤を使ってないようだけど以前は洗濯機でお米をといだんだよな。

 『全自動だから炊いてくれるかなと思ったの』だって言ったんだよな。『洗濯機は乾燥させるものだから炊けませんよ』って言ったら、驚いたんだよなあ。

「さあさあ何ぼ〜〜っとしてんの、食べましょう」

「はい」

 覚悟を決めるか。

「いただきます」

 ハンバーグだけを食べると意識不明になるかもしれないからご飯を口に入れて中和しよう。

 ミサトさんにしてはよく炊けているなあ、お米が立っているよ。まあ水の分量を間違えなければ誰でも炊けるからね。

 パクッ

 ・・・

 ・・・

 ・・・

「あうっ〜〜〜」

 ご飯を口に入れた途端、僕の意識が遠くなっていった。

「あらシンちゃん眠たいの?でも食事中に寝たらお行儀悪いわよん」

「あ、はうう〜〜」

 マジですか?手が痺れてきた、目が見えなくなってきた、どうしてご飯でこんなに破壊力があるんだろう。

 もうだめだ、僕は今から母さんの処にいきます。

「ぐえっ・・・」

「あらシンちゃん寝ちゃったの?疲れているのねえ〜〜」

 ご飯で意識不明になるくらいの破壊力があったのだから、ハンバーグはもの凄い破壊力なんだろうな。食べた瞬間に身体が爆発するんだろうな。

 はああ〜〜今日は厄日だよ・・・


 ミサトさんの花嫁修業には困ったのもです(^^;)

 アスカちゃんは女の子ということを利用して逃げましたね。でもシンジ君は逃げられません。ペンペンも逃げてしまって一人で地獄をみました(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 魔