崖からジャンプと同時にビームサーベルを抜いたガンダムは





崖下にいる青いMSに向かってビームサーベルを振り下ろした。





 ドッ!!





しかしビームサーベルは青いMSを斬りつける事はできなかった。





青いMSはシールドでビームサーベルを防いだのであった。






「ザクとはちがうのだよ・・・」










ザクとわあああ!!











MS19





「素敵・・・」

 研究室、リツコは休憩中に「機動戦士ガンダム」のコミックを読んで瞳を輝かせていた。

「ザクとは違う・・・素敵な言葉だわ。ああ、私も言ってみたいわね。エヴァとは違うのよ、エヴァとわああああ!!

 絶叫が室内に木霊する。

「ふう〜〜ネルフにあるのは全部エヴァ、この台詞は使えないわ」

 少しガッカリするリツコであった。

「それにしても素敵よね。ランバ・ラル、口ひげがセクシーだわ」

 思わず顔が赤くなる。

「そうだわ!」

 ポンっと手を叩くと机の端にあるボタンに手を伸ばして押した。

 ニャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!

 ネルフ全内に猫の鳴き声が響いた。これはチルドレンの集合の合図である。









 数分後・・・

「一体なんなのよ?」

 アスカがやって来た。手にはジュースを持っており自販機で休憩していたようだ。




「非常事態ですか?」

 シンジがやって来た。身体から湯気が出ており髪が濡れていた、シャワーを浴びていて急いで来たようだ。




「替え玉したかった・・・」

 レイがやって来た。食事中だったのか手にはラーメンの丼と箸を持っていた。






「みんなよく来てくれたわね」

「で、用は何?忙しいから早くしてね」

「ええ、すぐ済むわよ。今からみんなには髭をつけてもらいます」


「「え〜〜〜?」」

「替え玉・・・」

 驚く二人とマイペースが一人。

「リ、リツコ〜何考えてんのよ?とうとう頭おかしくなったのね」

「違うわよ」

「ランバ・ラルですね」

「シンジ君、大正解よ」

 シンジは机に置いてった漫画本に気づき、リツコの考えを察知したのだ。

「はあ〜〜?何よそのタンバリンってのは」

「違うよランバ・ラルだよ」

「カーニバル?」

「違うよ。ランバ・ラルってのはね・・・」

 ガンダム好きのシンジはアスカに説明し始めた。

「スープ美味しい」

 替え玉をあきらめたレイはスープを飲んでいた。





「わかったかい?」

「ええ十分過ぎるほどわかったわよ」

 シンジは熱く語っていたようだ、アスカはめんどくさそうに頭を縦に振った。

「ランバ・ラルはわかったけど、どうしてアタシ達が髭をつけなきゃならないのよ」

「エヴァをグフにするからよ」

「はあ〜?」

「そしてエヴァとは違うのよ、エヴァとわああああ!!って言いたいの」

 リツコの瞳が輝いている。

「アタシ帰る・・・」

 口を開けて呆れるアスカであった。

「ちょっと待ちなさい。それ」

 ピト

 リツコはアスカの肩を掴むと素早く白衣のポケットから髭を取り出して鼻下につけた。

いやあああああああああああああああ!!

 髭をつけられ思わず絶叫する。

「う〜〜んイマイチねえ〜シンジ君ならどうかしら?」

 ピト

「あっ」

 光速の動きでシンジに髭をつけた。

「碇クン似合っているわ」

「そ、そうかな?」

 レイの褒め言葉に頬が赤くなった。

「う〜〜ん、ちょっと上品すぎるわね。レイならどうかしら?」

 ピト

 再び光速でレイに髭をつけた。

「あ、綾波も似合っているよ」

「な、何をいうのよ」

 頬が赤くなった。

「う〜〜ん、ピンとこないわねえ」

 リツコは腕を組んで首を傾げた。

「髭なら父さんにつけたらどうですか?今も顎鬚生やしてるから似合うと思いますよ」

「それはだめよ」

 冷めたコーヒーを口に含んだ。

「どうしてですか?」

「司令の顎鬚は偽物だからよ」

「ええっ?あれって付け髭だったんですか」

 驚いた、そしてどうして付けているのか疑問に思った。

「髭じゃないのよ」

「え?どういう意味ですか」

「あれは海苔なのよ」

「うそっ?」

 再び驚いた。

「司令は髭と見せかけて海苔を顎につけているのよ。そしてお腹が空いた時に、こっそりと食べているのよ」

「し、知らなかった」

 タバコを取り出し火を点け、一吹かしすると天井を見上げた。

「ごめんなさいね、貴重な時間を使って・・・今日はこれで終わりよ、帰っていいわ」

「あ、わかりました。アスカ帰ろう」

「髭〜〜髭があ〜〜」

 精神汚染されてその場に座って呟いているアスカを立たせるとシンジは部屋を出て行った。

「赤木博士」

「まだ居たの、帰っていいわよ」

 髭をまだ付けて丼と箸を持ったレイが立っていた。

「碇司令はまだ居るんですか?」

「ええ司令室にいるはずよ」

「わかりました。さようなら」

 レイは一礼すると部屋を出て行った。髭を付けたままで・・・

















「碇司令・・・」

 司令室にやって来たレイ、手には箸と茶碗を持っており、茶碗にはホカホカのご飯がついでであった。

「どうしたレイ?なんだその髭は」

 レイの付け髭に驚いたゲンドウだが口の前に手を持っていくポーズは崩していない。

「いただきます」

 レイの箸がゲンドウの髭を引っ張った。

「うおっレイ!何をするのだ?」

「熱々ご飯には海苔が美味しいんです」

「な、何を言っている?」

「一人でこっそり食べてずるいです」

「や、やめろレイ」

 レイの箸を避けつつ逃げる機会を伺う。

「それは味付けですか?それとも生?」

「だから何を言っているのだ?」

「ご飯が冷めてしまいますから動かないでください」

 レイの瞳が一段と真っ赤に光る。

「うおっ〜〜〜」

 ゲンドウは間一髪で箸をさけると司令室から逃げ去った。

「・・・」

 一人司令室に佇むレイはおもむろにゲンドウがいつも座っている豪華な椅子に腰を下ろした。

「・・・もぐもぐ」

 そしてポケットからフリカケを取り出すとご飯にかけて食するのであった。



「やっぱり海苔がよかった・・・」


 リツコさんのガンダム熱にチルドレンは迷惑ですね(^^;)

 台詞を言いたい為に髭を無理やり付けるリツコさんには困りますね。

 アスカちゃんは精神汚染されてしまいましたね。シンジ君はちょっと似合っていたんでしょうね(笑)

 レイちゃんはリツコさんの冗談を真に受けていました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION MS19