後ろから

 晴れた日のお散歩・・・

 空が青いわ・・・

 雲が白いわ・・・

 空が青いのは当然、雲が白いのも当然。でもたまに赤木博士は違う色に見えるみたい・・・逝っているのね。

 健康の為に始めたお散歩、ちょっと年寄りくさいけど楽しい事もあるの。

 あ、あの後姿は・・・

 弐号機パイロットだわ。お猿さん、通称アスカ・・・逆だったかしらアスカが名前で通称がお猿さんだったわね。

 アスカの後ろを同じスピードで歩いていく。

 がに股で歩いている、自分の事美少女って言っているくせにがに股はないと思うわ。

 美少女よりガキ大将が似合うわね。

 ・・・ずっとがに股で歩いている、美しくないわね。

 ・・・速く歩いてすかさずアスカの真後ろへ。

 ・・・気づいてないの?すぐ後ろに居るのに気づかないなんて神経が無いのかしら?

 チョンチョン

 右肩を叩いてみた。

「ん〜だ〜〜れ、あれ?誰も居ない」

 当然右から後ろを向く、でも私は素早く左後ろへ身を隠したわ。

「肩を叩かれたようだったんだけど・・・」

 アスカ首を傾げているわ、知能はお猿さんかしら。

 チョンチョン

 次は左肩を叩いたわ、当然・・・

「誰?」

 今度はさっきより素早く振り向いたけど私はその三倍速く右後ろへ身を隠したわ。

「?おかしいわね」

 また首を傾げているわ、普通は気づくはずなのにね。

 アスカの後ろを歩いているとある事に気が付いたわ。

 アスカの髪はカツラ・・・じゃなくて長い。

 長い髪・・・サラサラして綺麗ね。

 長い髪・・・引っ張りたい衝動に駆られるわ。

 引っ張って良い?

 引っ張って良い?

 ダメかしら?

 引っ張ったら見つかるわ。見つかる・・・お猿さんから鬼に覚醒・・・私は四人目になるのかしら?

 でも・・・手が耐えられそうに無いわ、無意識にアスカの後ろ髪に・・・あっ

 ぎゅっ!

いたっ〜〜〜!

 やっちゃった、もう戻れないわ。

「ファースト!アンタ何アタシの髪引っ張ってんのよ、痛いじゃない!」

 私が引っ張ったの?この手が引っ張ったのよ。

「それもアンタの手じゃないのよ!髪が抜けたらどうするのよ!」

 この手は私の手なの?そうなの、サヨナラ・・・

「ちょ〜〜と待て〜〜〜い」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 何このプレッシャーは?ガンダム?

「何トンチンカンな事言ってんのよ」

 宇宙が落ちるの?

「空が落ちるわけないでしょうが」

 違うわ、宇宙と書いてそらと読むのよ。

「だから何よ?今からアンタを落としてあげるわよ」

 ゴゴゴゴゴゴ

 アスカが笑っている、不気味な笑い・・・私の身体が震えている・・・脅えているの?

「覚悟は良いかしら?」

 ・・・急用を思い出したわ、サヨナラ。

「逃がすか〜〜〜えり絞め〜〜!」

 はうう・・・アスカの強力な絞めが私を襲う。

「ふっふっふ、完璧に決まったわ。サヨナラファースト」

 ・・・うかつに手を出すんじゃなかったわ。ああっ宇宙が落ちてくるわ、もうダメなのね・・・


 アスカちゃんの後ろ髪、引っ張りたくなりますね(笑)

 でも引っ張るには命と引き換えでしょうね。レイちゃんはついつい引っ張って気絶させられてしまいました(^^;)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 後ろから