Birthday

 どきどき、どきどき

 今日は私には大事な日、朝から緊張してドキドキしているわ。

 ドキドキしている理由、それは今日が鈴原の誕生日だから。

 誕生日プレゼントはしっかりと用意しているわよ。後は渡しに行くだけ。

 あ〜〜ちゃんと渡せるかしら、ドキドキして脚が震えちゃうわ。

 でも頑張るわよ、頑張って渡すわよヒカリ!







 鈴原はいつも今の時間にこの公園を散歩で通るわ、その時偶然会った事を装ってプレゼントを渡すの、うふふ良い考えね。

 鈴原が来るまで草むらの中に隠れて待っているわ。

 ドキドキ、ドキドキ

 まだかしら?もし来たら・・・






「す、鈴原誕生日おめでとう」



「おおイインチョか、おおきに」



「これプレゼントなの」



「お〜〜すまんの〜〜開けてええか?」



「うん」



「おっジャージか」



「うん、新しいジャージよ、私とお揃いなの」



「揃いか〜〜照れるの〜〜」








 あふぅ〜〜鼻血が出そう・・・あっ鈴原が向こうからやって来たわ。ようし飛び出してプレゼントを渡すわよ。

 よしっ今よ飛び出して・・・って、走って行っちゃった。早すぎよ〜〜







 今度は失敗しないわよ、鈴原はここのたこ焼き屋でたこ焼きを買い食いするの、その時偶然を装って渡しちゃうわよ。

 あっ来たわ、ようし渡して・・・って鈴原の横に誰か居るじゃない、メガネをかけている、え〜〜と誰だっけ?名前を思い出せないわ。

 え〜〜と、メガネをかけている鈴原の友達は・・・あ、あいはら・・・じゃなくて相田、そう相田君ね。もう〜〜邪魔だわ〜邪魔!

 あっ鈴原がたこ焼きを買ったわ、美味しそう〜〜






「こら鈴原買い食いしちゃダメよ」



「学校帰りじゃないから別にいいやろ」



「お行儀悪いでしょ」



「硬いこと言うなや〜ほれ、一個どや?」



「だ、ダメよ。悪い子になっちゃう」



「ほれ、あーんしてみ」



「だ、ダメよ」



「ほれ、あ〜〜ん」



「・・・あ〜〜〜〜〜〜〜ん」








 ダメ、たこ焼きで口の中がとろけちゃう、よ〜〜し、注意してたこ焼きをあ〜〜んさせてもらうわよ。

 でも一つ問題があるのよね。邪魔者が鈴原の隣にいるの、いつもは居ても居なくても目立たない存在が妙に腹立たしいわ。

 こうなったら・・・

 とうっ!





「ん〜〜美味いの〜〜最高や」

「ああ、美味いな。うっ・・・」

「おっケンスケ、どこに行ったんや?」

「す、鈴原偶然ね」

「おっイインチョ、こんなとこで会うとは珍しいの〜」

「ところでケンスケ見いへんかったか?」

「相田君、さあ見なかったわよ。帰ったんじゃないかしら」

 相田君には宇宙のはてに飛んでいってもらったわ、宇宙のはてで叫んでも無駄よ。

「そうか〜なんか用でもあったんかいな」

「そうじゃない」

「そか」

 うふふ、これで鈴原と二人っきりよ。

「どやイインチョもたこ焼き食うか?」

「あ、うんっ」

 いきなりの展開にさっき行なったシミュレーションができなくなったわ。

「ここのたこ焼きは美味いんや、最高やで〜〜」

「うん、ありがとう」

 きゃっ鈴原がたこ焼きを奢ってくれたわ、嬉しい〜〜

「さ、食うてみ〜」

「うん・・・美味しい〜〜」

「そやろ、そやろ」

 鈴原、自分のことのように嬉しそうだわ、笑顔が素敵。

「と、ところで鈴原、今日誕生日でしょう」

「誕生日?誰の」

「貴方でしょう」

「お〜〜ワシか、すっかり忘れとったで〜〜」

 自分の誕生日を忘れるなんてウッカリ屋さんね、鈴原らしいわ。

「こ、これ誕生日プレゼント、受け取ってくれる」

「お〜〜〜プレゼントか、おおきに嬉しいの〜〜開けてええか?」

「うん」

「お〜〜ジャージか」

「うん、いつも同じジャージ着てるから」

「すまんの〜大事に使わせてもらうで〜」

「うん」

 良かった喜んでもらえたわ。

「そや、良かったらこれからお好み焼き食いに行かへんか」

「お好み焼き?」

「おう、ジャージのお礼や」

「うん、行くわ」

「そうか、なら行くで〜〜」

 鈴原がお好み焼きに誘ってくれたわ、これってデート?もしかしたらデート、いいえデートだわ。うふふ二人でデート、アスカに自慢しちゃおう〜


 トウジの誕生日、ヒカリちゃんは勿論チェック済み。そして妄想(笑)

 公園で渡すのは失敗、二度目のたこ焼き屋の前で渡すのに邪魔者が居ましたが、ヒカリちゃんの素早い技で宇宙に棄てました(笑)そして二人でラヴラヴ?な時間を過ごせましたね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION Birthday