バースデー
高層ホテルのスカイラウンジ、一組のカップルが夜景を見ながらディナーを楽しんでいた。
「アスカ、誕生日おめでとう」
「ありがとう、シンジ」
アスカは赤いドレスに身を包み、シンジの言葉に頬を少し赤らめた。
「今夜のディナーは気に入ってくれたかい?」
「うん、素敵だわ。でもよくここがとれたわね」
二人が居るホテルは第三新東京でも一二を争う高級ホテル、全てが予約制で利用する客はほぼVIPであった。
「たいした事ないよ、僕ならすぐに予約OKさ」
「それにここのディナー、凄く高いんじゃないの?」
テーブルには高級フルコースに年代モノのワイン、素人が見ても値が張ることがわかる。
「たいした事ないよ、僕のポケットマネーで十分さ」
シンジは微笑むと胸の内ポケットからラッピングされた小さな箱をアスカの目の前に置いた。
「これは?」
「プレゼントだよ、開けてみて」
「うん」
アスカはラッピングを破らずに綺麗に取ると箱のふたを開けた。
「綺麗」
箱の中はダイヤモンドが輝く指輪であった。
「アスカ、僕と結婚してくれないか」
「えっ?」
突然のシンジのプロポーズにアスカの動きが止まった。
「君と一生居たいんだ」
「え・・・うん」
シンジの真剣な眼差しにアスカは小さく首を縦に振った。
「ありがとうアスカ」
「ううん、アタシの方こそ・・・嬉しい。でもアタシでもいいの?」
「うん、アスカじゃないとダメなんだ」
「シンジ・・・」
「アスカ・・・」
シンジは胸ポケットからここの部屋のキーをテーブルに置いた。
「部屋を取ってあるんだ」
「もう、バカシンジ」
怒りながらも微笑むアスカはキーを取ると立ち上がった。
「行きましょう」
「まだ全部食べてないよ」
「そんなのいつでも食べれるわよ、行くわよ」
「あ、うん」
アスカはシンジの手を取ると無理やり立ち上がらせて、腕を組むとラウンジを出て行った。
(・・・って、事はないわよ)
リビングでアスカは寝転がりながらホテルのレストラン特集を見ていた。
(こ〜〜んな、ところで食べてみたいわね〜)
「アスカ〜お待たせ〜」
「うん」
テーブルに用意されたケーキと料理、そしてそれをヨダレを垂らして見ているミサトが居た。
「ではミサトさん、お願いします」
「オッケ〜、え〜〜シンちゃんから御紹介がありました、美人お姉さま葛城ミサトです。今日はここに居ます、美少女アスカちゃんの誕生パーティーを開催しま〜〜す!」
「みんな〜ありがとう〜」
アスカは立ち上がると二人に対し大喜びで両手を振り満面の笑顔であった。
「それじゃあ、アスカロウソクを消してちょうだい」
「うん」
テーブルには十五本のローソクがゆらめくケーキめがけてアスカは大きく息を吸い込んだ。
「フ〜〜〜〜」
息はロウソクの火を確実に捉え消していった。そしてロウソクの火が全て消えると二人から拍手と歓声があがった。
ぱちぱちぱち〜〜
「「おめでとう〜〜」」
「ありがとう〜〜」
「アスカ、誕生日プレゼントよ」
「ありがとうミサト」
ミサトから手渡された大きな包み紙、早速開けてみた。
「わ〜〜洋服じゃない」
「サイズもピッタリよん」
ミサトからのプレゼントはブランドの洋服、アスカには手が出せるような金額ではないブランド品であった。
「アスカ、僕からだよ」
「ありがとうシンジ」
シンジからは小さい袋に入ったプレゼントだった。
「開けていい?」
「うんいいよ」
「何かしら〜?わあ〜〜可愛いバック」
シンジがプレゼントしたバックは小さいながらも使い勝手がいいものである。
「アタシこれ欲しかったのよ〜どうしてアタシが欲しいものがわかったの?」
「それは秘密」
以前欲しいと言われていた品である。
「大事に使わせてもらうわね、ありがとうシンジ」
アスカは微笑みウインクをするとシンジの頬が赤く染まった。
「う、うん」
「シンちゃん良かったわね、大事に使えてもらえるそうよ。アタシのは大事じゃないようだけどね」
「そんな事ないわよ、ミサトのも大事に着させてもらうわよ」
「シンちゃんのバックよりはランクが落ちちゃうわね。高くても愛情には敵わないわね」
ミサトは麦酒を飲むとニヤニヤと二人を見つめた。
「「そんな事な〜い!!」」
二人とも顔を真っ赤にさせながら仲良くユニゾン。
「あ〜〜甘いわね、ケーキがいつもより甘く感じられるわ〜〜」
「もう〜バカミサト!ケーキは甘いに決まっているじゃないのよ」
アスカはテレを隠すためにケーキを勢いよく食べるのであった。
アスカちゃんの誕生日ですね。高級ホテルでディナーを楽しむ二人・・・アスカちゃんの願望ですね(笑)
本当はリビングでほのぼのと誕生パーティー、二人にお祝いされて至福のアスカちゃんでした。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION バースデー