勘違い

「すまんが付き合ってくれんか?」

「え?」

 突然鈴原に告白された。まだ心の準備もしていないのに。

「ダメか」

 ダ、ダメじゃないわ、ちょっとイキナリで驚いただけなの。

「う、うん。いいわよ」

「よっしゃ〜〜ありがとなイインチョ、さあ行くで」

 イ、イクの?告白されて間もないのにすぐにイクなんて、鈴原大胆だわ。私そんなキャ〜〜〜〜な事できない・・・でも鈴原とならできるかも。きゃ〜〜〜〜私ったら何を言っているのかしら。

「なにモタモタしてんのや、置いていくで」

 鈴原ったら強引だわ、自分一人だけ先にイク・・・・じゃなくて行くなんて。

「ま、待ってよ」







 鈴原の歩きが速い、なんとか頑張って追いついているけど、もう私に合わせて歩いてくれればいいのに、そんなにキャ〜〜したいのかしら。

「さあ乗ろか」

「の、乗るの?」

「ああ、乗るで」

 こんなところで乗るなんて凄く大胆、私こんな所で乗られるなんてできないわ。

「早く乗らないと出てしまうやないか」

「あ、うん」

 じゃ、じゃあ乗るわ。電車に・・・私って変な妄想しているわ。

 どこに行くの?・・・なんて言えない。言ったら女の子としてはしたないわ。

「イインチョ、顔真っ赤やで、風邪か?」

「な、なんでもないわ。平気よ」

「そうか、着いたから降りるか」

「こ、ここで降りるの?」

「そや」

 ここで降りて目的の地へ行くのね、そうイク・・・







「さあ着いたで、入ろか」

「こ、ここに入るの?」

「入るで〜」

 こ、ここに入って、入って入って〜〜〜!!ってデパートなの。

「妹にクリスマスプレゼントをやりたいんやけど、何やっていいのかわからんのや。イインチョすまんが選んでくれ」

「い、妹さんのクリスマスプレゼント?」

「そや、付き合ってくれてすまんやったの」

 付き合ってくれって言ったのは告白じゃなくて、クリスマスプレゼントを選ぶための付き合い・・・

「どした?」

「な、なんでもないわ、いいわよ選んであげるわ」

 そうよね、鈴原が大胆なわけないじゃない、ドキってしたけどちょっと残念だわ。

「おおきに」

 私達はデパートに入ったわ。








「何がいいかの〜?」

「女の子だから香水なんてどうかしら?」

「そうか」

 私も欲しいんだけどね、化粧品売り場に行きましょう。ここは香水の品揃えがいいのよね、アスカも利用しているわ。

「うっ匂いがきついの〜」

「いい香りじゃない」

「そうか〜?」

 男の子と女の子は嗅覚が違うのかしら、私には良い香りだけどね。

「これなんか良いんじゃない」

 透き通るような香り、みずみずしいわね。私が欲しいわ。

「そうか〜?」

「じゃあこっちは?」

 暖かみのある香り、こっちも良いわね。

「う〜〜ん、香水・・・妹に必要か〜?」

 鈴原が首をかしげたわ、確か妹さんは小学生だったわね。小学生・・・まだ香水は早いわね。

「じゃあ他行きましょうか」

「そやな」

「玩具がいいかもしれないわね」

 クリスマスの定番商品があるかもしれないわ。







 玩具売り場に来た私達、人が多いわね。

「何がいいかの〜?」

「お人形なんかどうかしら?」

 私も小学生の頃お人形で遊んでいたから良いと思うわ。

「今は色々種類があるわね」

「全然わからん」

 お人形コーナーに来たら種類がいっぱい、アニメキャラから定番のリカちゃん人形まで、どれがいいかしら。

「鈴原はどれがいいと思う?」

「な〜〜んかみんな同じように見えるで」

「全部違うでしょ、よく見なさい」

「ああ・・・やっぱり同じや、これにするか」

 鈴原が選んだのはアニメキャラ、今人気のあるキャラだから喜ぶかもしれないわね。

「私もそれでいいと思うわ」

「そうか、なら買ってくる」

「ええ、待っているわ」

 鈴原が買ってくるまで私はベンチで待つことにするわ。







 遅いわね。レジが混んでいるのかしら?








 ふう〜今日のはデートって言うのかしら?うふふアスカに自慢しちゃおう。







「おう〜待たせてすまんかったな。帰ろか」

「もう帰るの?」

「ああ、何か買うんか?」

「べ、別にないわ」

 折角だからお茶でもして行きたいけど・・・

「じゃあ帰ろか」

「うん」

 私から誘うのは勇気がいるわ。






 帰りの電車、勘違いはあったけど今日は楽しかったわ。

「今日は付き合ってもらってすまんかったな〜」

「ううん、私も楽しかったわよ」

 妄想もしちゃったけどね。

「これワシからや」

「え?」

 鈴原からラッピングされた小さい箱を貰ったわ。

「一日早いけどクリスマスプレゼントや」

「あ、ありがとう」

 予想外の展開、鈴原がクリスマスプレゼントをくれるなんて」

「開けていい?」

「ああ」

 私はプレゼントを開けたわ。

「わあ〜」

 さっき私が欲しいと思っていた香水、何時の間に買ったのかしら?あ〜さっき遅かった時に買いに行ったのね。

「気に入ってくれたか?」

「うん、ありがとう」

 鈴原から貰ったプレゼント、私は何も用意していないわ。よし!明日ケーキを焼いて鈴原にあげるわよ〜


 トウジの告白に暴走するヒカリちゃん、でも告白ではありませんでした(笑)

 付き合いはデパート、ガッカリなヒカリちゃんでしたが最後にはプレゼントを貰えました(^^)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 勘違い