風邪
う〜〜ん、目覚めのいい朝だわ。外も快晴、買い物には問題ないわね。
今日はシンジを誘って買い物〜まだ行こうって言ってないけど、無理やり連れて行くわよ。
さあ朝ごはんを食べようかな。
ふんふんふ〜〜ん、パジャマだけどまだ着替えなくて良いわ。台所へ向かうわよ。
おっはよ〜〜。って誰も居ないじゃない、台所が使われた形跡が無いわ、ただ炊飯器のご飯だけができている。
もうシンジはどうしたのよ?まだ寝ているのかしら、まったくアタシより遅く起きるなんて主夫失格だわ。
こうなったら直接部屋に乗り込んで叩き起こすわよ。
シンジを起こさないように足音を立てないように部屋に忍び込んで・・・ちょ、ちょっとドキドキしちゃうわね。
シンジがベッドで寝ているわ、ちょっと寝汗をかいている。悪い夢でも見ているのかしら?
なんか寝ているシンジを見ていると悪戯をしたくなるけど起こすわよ。
「シンジ〜〜起きろ〜〜!」
息を命一杯吸って大声を出したわ、これなら誰でも起きるわね。
「う、う〜〜〜ん」
ほら起きた。
「シンジ、朝よ。ご飯食べたら買い物に付き合ってもらうわよ」
「う〜〜ん、アスカなの・・・」
今日は目覚めが悪いわね、さっさと起きなさいよ。
「ご飯作ってよ、お腹空いちゃった」
「ごめん、頭痛いからもう少し寝かせてよ」
「頭が痛い?どうしたのよ」
「目の奥も痛いんだ、身体もちょっと寒い」
「それって風邪じゃない」
「そうかな?」
昨日はなんとも無かったから引き始めたのね。
「そうよ、今日は寝ていなくちゃダメね」
風邪なら仕方ないわね、今日の買い物は中止ね。
「ご飯は出来ているからおかずは昨日の残り物を食べて」
「うん、アンタはどうするの?お粥か雑炊を作ってあげるわよ」
料理はたまにしかしないけどちゃんと作れるわよ。
「食欲ないからいらない」
「でも何か食べないと治らないわよ、バナナくらいなら食べられるでしょう」
「うん」
バナナは美味しくて栄養満点だからアタシも好きよ。
「じゃあ持ってくるわね」
「うん」
アタシは冷蔵庫からバナナを取り出したわ。
何本食べるかしら?食欲なさそうだから一本。二本持っていこうかな。
それと風邪薬とお水を用意してシンジの部屋に戻るわよ。
「シンジ〜持ってきたわよ」
「うん、ありがとう」
シンジが上半身を起こしたわ、あまり無理しちゃダメよ。
「はいバナナ」
「ありがとう」
シンジはゆっくりバナナを食べ始めたわ。ちょっと苦しそうね、表情が痛々しいわ。
「もう一本食べる?」
「ちょっと無理そう」
「ならやめた方がいいわね。はい次は薬よ」
「うん」
苦い風邪薬、アタシは苦手だけど効き目があるわよ。
「うう苦い」
「文句言わない、早く良くなりなさいよ」
「うん、折角の休みなのに残念だね」
それは残念だけど・・・
「今日の埋め合わせは来週にしてもらうわよ」
「わかったよ」
アタシはシンジを寝かせるとご飯を食べる為に台所へ向かったわ。
「クエクエ〜」
「おはようペンペン」
台所ではペンペンが起きていたわ。あっ目玉焼きを作っている、それもアタシの分を。
「ありがたくいただくわね」
「クワ」
アタシの目玉焼きを作った後は自分用のシシャモを焼いているわ、生活力あるわね。
「いただきま〜す」
ご飯と目玉焼き、それとインスタントの味噌汁で軽めに朝食を済ませたわ。
あ〜あ、何にもする事がないわね。
日曜の午前は面白いテレビはやっていないし、ゲームは一人でするのつまらないわ。
「洗濯でもしようかな」
洗濯物が溜まっていたわよね、シンジがするはずだったけど代わりにしてあげようっと。
洗濯機に放り込んで洗剤を入れればOK〜後はボタンを押すだけよ。
洗濯が始まって終わるまでは何もないわね。シンジの様子を見に行こうかな。
「シンジ〜入るわよ」
「うん」
「具合はどう?」
「まだ痛い」
それはそうね、すぐに良くならないわよね。
「少しお腹すいた」
「何か作るわよ」
「それじゃあお粥」
「わかったわ」
お粥を作る為に台所へ行くわよ。。
「さあ手早く作るわよ」
美少女天才アスカ様は何でもできるのよ、お粥なんてお茶の子さいさい。
「おっはよ〜〜」
ミサトが今頃起きてきたわ、ブラとパンティー一枚でだらしないわね、だから行かず後家なのよ。
「おはよ、相変わらず遅いわね」
「日曜は遅くまで寝ていないとバチが当たるわ」
「逆に遅くまで寝ている方がバチ当たるわよ」
「当たってもいいから寝ていたいのよ」
ふ〜〜ん、そんなもんなのかな。あっ冷蔵庫に手を伸ばして麦酒を取り出したわ、朝から麦酒とは呆れるわね。
「おっ何作ってんの?」
「お粥よ」
「お粥?」
「シンジが風邪引いたのよ、だから作ってんのよ」
「あらシンちゃん風邪引いたの、じゃあご飯は無いの?」
「冷蔵庫に昨日の残りがあるから温めて食べてよ、ご飯は炊けているわよ」
まったく自分で作ろうという気が無いのかしら。
「それじゃあ昨日の残り物で我慢しますか」
ミサトがレンジで残り物を温めている間にお粥は完成、薬とお水も付けて持って行くわよ。
「お、完成したの味見味見〜」
「あっコラ」
アタシの両手が塞がっていることをいい事に一口食べちゃった。
「んま〜〜〜〜い!」
「当たり前でしょ、誰が作ったと思ってんのよ」
「なんて美味しいの、これならシンちゃんも惚れなおすわよ」
「な、なにバカなこと言ってんのよ」
「照れない照れない、そのエプロン姿も良いわよ、萌え〜〜って感じで後ろから襲いたくなるわ、ハアハア〜〜ってシンちゃん欲情しちゃうわね」
「殺すわよ」
今度エヴァに乗ったら踏みつけてやるわ。
「エプロン姿で怒ったか顔も素敵よん、案外主婦も似合うかもよ」
「五月蝿いわね〜もう行く!」
ミサトを無視して台所から出たわ、アタシって主婦が似合うのかしら?
「シンジ〜入るわよ」
「うん」
「お粥作ったから」
「ありがとう」
「ちょっと作りすぎたかも、無理だったら残していいわよ」
「うん、頂きます」
「熱いから気をつけなさいよ」
「うん・・・美味しいね」
ふふふ当然よ。
「あったりまえよ、このアタシが作ったのよ」
「これならすぐに良くなるよ」
「嬉しい事言ってくれるじゃない、でも安静にしてなきゃダメよ」
「うん」
美味しそうに食べてくれている、嬉しいわ。
「アスカ、エプロン姿可愛いね、ハアハアしていい?」
「えっな、なに言ってんのよ」
可愛いって当然の事だけどハアハアってなによ?
「僕何も言ってないよ」
「へ?ってミサト!」
後ろを振り向いたらトビラの少し開いていてミサトの顔が見えたわ。
「もう僕は僕は〜〜アスカ〜〜ハアハア〜〜」
「このバカミサト!」
ドカッ!
アタシはミサトに蹴りを入れたわ、いっぺん死んでみなさい。
「いった〜〜い、エプロン姿純情アスカのラブラブを邪魔された怒りは恐ろしいキックは効くわね」
「何よその変なネーミングは」
「ちょっとシンちゃんの様子が気になって見に来たのよ」
「見に来たって、覗いていたじゃないのよ」
「だっていい雰囲気だったから入れなくて、もう最後までいくかと思ってお姉さんもうドキドキ」
何が最後までよ。
「最後は最後よ、最高にハイってやつよ」
「殺すわよ」
「私を殺した後はシンちゃんとナニするのね」
「ナニってナニよ」
「だからナニよ」
もう酔っ払いには付き合ってらんないわ。アタシはミサトをリビングへ引きずって置くとまた部屋に戻ったわ。
「ミサトさん朝から元気だね」
「麦酒飲んでんのよ、信じられないわ」
「困ったミサトさんだね」
「あれで保護者を名乗ってんだから呆れるわ」
肩書きだけの保護者ね。
「はは、ミサトさんももうちょっと自覚があればいいんだけどね」
「自覚ゼロよね」
「そうだね、ご馳走様美味しかったよ」
全部食べたのね、良かったわ。
「後は薬を飲んで寝なさい」
「うん、ありがとう。アスカハアハア〜〜」
・・・ってまたミサトか〜〜
振り返るとまたミサトが居たわ、今日一日逝ってなさ〜〜い!
ボカッ!
「グエッ」
ミサトは気絶したわ、これで今日一日は起きないわね。
「アスカ強烈だね」
「このくらいしないと躾にならないわ」
「凄い躾だ」
「動物には叩くのが一番の躾、これで覚えなかったら銃殺よ」
「こ、怖いなあ」
「今日の家事はアタシがするから安心して寝てなさいよ」
「うん、ありがとうアスカ、お休み」
「お休みなさい」
アタシはミサトを引きずるとリビングへ向かったわ。燃えないゴミはいつだったかしら?まあ放置してても大丈夫よね。今日はアタシが家事をするけどこの埋め合わせは来週してもらうわよ。
シンジ君が風邪を引いたのでアスカちゃんが主婦のかわりになりました。
家事をそつなくこなすアスカちゃん、流石天才美少女です。
そんなアスカちゃんに魔の手が(笑)ミサトさんはどこでも容赦なくからかいます、困ったものですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 風邪