ケガのワケ
「フンフンフ〜ン、今日も快調〜」
シミュレーションで使徒相手に連戦勝利しているアスカ、ATがチルドレンでトップである。
「さあリツコ、次を出して」
「レベルをあげるわよ」
「いいわよ」
リツコは使徒の強さを上げてシミュレーションを再開させた。
「アスカ凄いね」
「そうね」
シンジとレイはアスカの戦いをモニターで見入っていた。
「アスカ〜ちゃっちゃ〜〜と倒しちゃいなさい」
「オッケ〜〜」
ミサトの指示にレバーを握る手に力がこもる。
「アスカいくわよ。どえええええ!!アスカスクリューパンチ〜〜!!」
必殺技を叫び、手首に力を入れレバーを回した瞬間・・・
ピキーーーン!
「いった〜〜〜い!」
右手首に針を刺すような痛みが走った。
「アスカどうしたの?」
リツコはシミュレーションを停止させた。
「手首が痛い・・・」
モニターに映るアスカは手首を押さえてうずくまっており痛さが伝わってきた。
「シミュレーションは終了、アスカは医務室に行きなさい。シンちゃん、レイ、一緒に付いて行ってあげなさい」
「「はい」」」
ミサトが素早く指示をだしシミュレーションは終了した。
「いたたた」
「アスカ大丈夫?」
「痛そうね」
医務室に向かう三人、アスカは痛みで額に汗をかいていた。
「大丈夫じゃないわ、いたたた」
手首を押さえて痛みをこらえ医務室に入った。
「待っていたわよ」
「はやっ」
アスカは驚いた、医務室には後からシミュレーション室を出たリツコが待っていた。
「さあ見せてみなさい」
「うん。ってシンジは出ってよ」
「あ、うん」
手首を見せるためにはプラグスーツを脱がなければならないのでシンジが居ては脱げない。
「ふふシンジ君もアスカが心配なのよ」
「すけべなだけよ」
シンジが出て行いくとアスカはプラグスーツを肩から先を脱いで右手首をリツコに見せた。
その様子を見ていたレイは・・・
(勝ったわ)
アスカの胸を見て小さくガッツポーズをしたのであった。
「腱鞘炎だわ、手首の使いすぎよ」
「ええっ!」
診察に驚いた。
「そんなにひどくないからシップを貼っておくわ」
リツコは手首にシップを貼り包帯を巻いていった。
「暫くはアスカスクリューパンチは使えないわね」
「・・・」
「それにしてもどうして腱鞘炎になったのかしら?そんなにパンチはしてないでしょう」
リツコはいままでのシミュレーションを思い出したが、腱鞘炎になるような原因は浮かばなかった。
「う、うん」
言葉に詰まりながらも頷いた。
(言えないわ、シンジを相手にしていたなんて)
アスカは事あるごとにシンジに文句を言って殴っていたのである。
「今日は終わりだから帰っていいわよ」
「うん」
小さく頷くと医務室を出て行った。
「あらレイも帰っていいわよ」
医務室を出て行ったのはアスカだけであった。レイはなぜか残っていた。
「100点です」
「何が?」
「包帯の巻き方です」
「あら、ありがとう」
「どうだった?」
医務室の外ではシンジが待っていた。
「うん、腱鞘炎だって」
「腱鞘炎?それは大変だ」
病名に驚く。
「別に大した事無いわよ、シップを貼ってもらっただけだから」
「そう、良かったね」
「うん」
喜ぶシンジに少し反省するアスカであった。
(殴ったのが原因なのに)
「今日はもう終わりだって、一緒に帰りましょう」
「うん、待っているよ」
二人は着替えるためにロッカーに向かった。
ロッカーに着替えに行ってから数十分後、二人は食堂に来ていた。アスカが何か食べていこうと言ったからである。
「アタシが奢るわ、好きなのを選んで」
「うわ〜奢ってくれるの、珍しいな」
「アタシだって奢るときは奢るわよ」
アスカなりのお詫びである。
「それじゃあコーラ」
「コーラ?他のを頼んでいいのよ」
「今はコーラを飲みたいんだ」
「そうなの、アタシはストロベリーパフェにしようっと」
食券を買って品を受け取ると席に座った。
「あっしまったわ」
「どうしたの?」
アスカはある事に気がついた。
「スプーンが持てないわ」
持つ事はできるのだが動かすと手首に痛みが走る。
「それは問題だね」
「ええ問題だわ、だから・・・」
「あ〜〜ん」
シンジがスプーンを持ちアスカに食べさせてあげるのであった。
「美味しい〜〜」
シンジ君を殴りすぎて腱鞘炎になったアスカちゃん、シンジ君が可哀想ですね(^^;)
これにこりて殴るのをやめればいいのですが治ったら、またやりそうですね。
シンジ君にあーんさせてもらうアスカちゃん、ちょっと計画的でしょうか。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ケガのワケ