マフラー

 冬、恋人達の季節。

 寒い並木道を肩を寄せ合いながら歩く・・・そんな季節・・・

 って、一年中夏だから関係ないのよね。

 この前リツコから聞いた冬のデートの仕方、手編みの長いマフラーを首に巻きあい手を繋いで歩く。

 最初聞いたときは一本のマフラーだけじゃあ歩き辛いんじゃないと思ったけどロマンチックよね。

 他にも手編みアイテムは手袋に帽子、相手と自分のイニシャルを入れたら尚更良いって言っていたけど、アタシに編めるわけないじゃない。

 編めるならせいぜいマフラーってとこね。




 だから編み出したわよマフラー、編み方はリツコに教えてもらって暇がある時コツコツやってきたの。

 毛糸の色はもちろん赤よ。紫でも良かったんだけど、それじゃあアイツにあげるみたいで嫌だったから赤にしたの。リツコにも紫にしたらって言われたけど赤がいいの!




 ふう〜〜昨日も徹夜で編んでいたからかなり長くなったわよ、図ってみたら丁度二メートル、これなら十分に巻けるわね。

 ふふふ、これでアイツと・・・・





「マフラー編んだの、長いから一緒に巻けるわよ」


「ホントだ、じゃあ巻こうか」


「巻いたら手を繋いで歩きましょう」


「うん、暖かいね」


「ふふ手編みだからよ」


「手編みかァ、どうりで愛がこもっていると思ったよ」


「もうバカ!」






 最高よね〜〜さあてアイツを呼びに行こうっと。

「シンジ〜〜」

「何?」

 シンジはリビングでテレビを見ていたわ。

「ほらマフラー編んだの」

「おっやっと完成したんだね」

「え、どうして知っているの?」

 シンジに言った覚えはないのに。

「ちょっと待ってて」

 シンジは立ち上がると自分の部屋へ行ったわ。




「はいこれ、アスカのだよ」

 すぐ戻ってきてアタシに紙袋をくれたわ、何かしら?

「あ、手袋」

 袋の中には手袋が入っていたわ、それも赤色。

「どうしてアンタが手袋持っているの?」

「リツコさんから聞いたんだよ、アスカがマフラー編んでいるから僕には手袋を編めって」

 リツコったらお喋りなんだから。

「大きさは大丈夫かな?結構難しかったよ」

「アンタが編んだの?」

「うん、リツコさんに教えてもらったんだ」

 アタシも手袋の編み方教えてもらったんだけど下手だからやめたのに上手いじゃないの。

「暑いのにどうしてマフラーを編んだの?」

 確かに暑いわよ、でも・・・

「いいじゃない、マフラーを編みたい気分なのよ」

「ふ〜〜ん変わってるね」

 ええ変わっているわよ、そして・・・

「マフラーをアンタと巻いて歩きたい気分なの!きなさい」

「わあ、外に行くの?暑いよ」

「暑いから良いのよ、さっさとくる!」

 アタシはシンジから貰った手袋をはめて。

「手袋するの?蒸し焼けちゃうよ」

「焼けないわよ!」

 これでバーチャルな冬を体験するわよ、でもちょっと暑いわ。


 マフラーを編んだアスカちゃん、暑いのに頑張りますね。そしてシンジ君は手袋を編みました(シンジ君の方が上手)

 マフラーを巻いて外を歩けば注目間違いなしですね(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION マフラー