大晦日
今日で今年も終わり〜長いようで短い一年だったわね。
一年の締めとして今日はゴロゴロして過ごすわよ〜誰がなんと言おうとゴロゴロして過ごすんだもんね。
「アスカ〜買い物行くよ」
いきなりの障害、シンジが買い物に行こうって言ってきたわ。
「いや〜よ」
今日はゴロゴロするんだもん。
「そんな事言わないで行こうよ〜」
いつもなら付いて行くんだけど、今日は荷物持ちだからパスよ。年末の買い物はたくさん買うからアタシはいつも荷物持ち、疲れちゃったわ。
「だって荷物持ちじゃない」
「そうだけど、僕一人じゃ持てないから」
「ミサトがいるでしょ」
「ミサトさん逃げちゃったよ」
「逃げた?」
「うん、消息不明だって」
「ミサトのやつ〜〜」
消息不明になって夜には帰ってくるのよね。帰ってきても家に入れてやるもんですか。
「それじゃあ行こうか」
「ちょ、ちょっとアタシ行くって言ってないわよ」
「途中で肉まん食べようか」
「うん」
「よし決まり」
あっ!いつものクセで返事をしてしまったわ。肉まんに釣られるなんて・・・
「うわ〜〜多いわね」
「大晦日だからね」
商店街は人で賑わっていたわ。
「ちゃんと付いて来るんだよ、迷子になるからね」
「迷子にならないわよ、もう!」
「迷子になったら放送で呼ぶからね」
「呼ばなくていい」
子供と間違えているわね。きっと迷子になったらこう呼び出されるに違いないわ。『惣流・アスカちゃん、お友達の碇シンジ君がお待ちです』ってきっと言われるわ。
「はは呼ぶから心配しないで」
「うるさい、行くわよ」
アタシは人ごみをかきわけて商店街を進んで行ったわ。
「きゃっ、凄い!」
「あ、アスカ」
「シンジ〜」
人ごみに入った途端アタシは流されていったわ、ああシンジと離れていく〜〜
「アスカ!」
あ、シンジの手がアタシの手を掴もうとしているわ。
そしてアタシの手を掴むのね・・・
「碇クン、こんな所で大胆」
「げっファースト!」
アタシの手を払いのけてファーストがシンジの手を掴んだわ。
「綾波!」
「こんな所でプレイするの?私ドキドキするわ」
「ぬわに言ってんのよ!」
「さっさと流されてしまいなさい」
「きゃ〜〜」
アタシはファーストに押されて人ごみの中へ流され〜〜・・・
「って流されてたまるか〜〜!」
流れをさかのぼる鮭のように人ごみを掻き分けてシンジの元へ行くわよ!
「チッ生きていたのね」
「こんな所で死ぬわけないでしょうが、アンタね〜〜」
「碇クンもお買い物なの」
「うん」
「こら〜〜人の話を聞け〜〜!」
「・・・貴女誰?」
しばく!絶対にしばいてやるわ。
「アンタね〜〜初日の出を見れなくていいってのね」
「これで機嫌直して」
「はむっ」
ファーストがアタシの口に肉まんを押し込んだわ、ん〜〜〜美味しい。
「しょうがないわね、許してあげるわよ」
「肉まんで許せるなんてお手軽ね」
「うん、助かるよ」
ボコッ!
「いたっ」
「アタシはお手軽じゃないわよ」
「じゃあ肉まんは要らないんだね」
「要るわよ!」
「やっぱりお手軽なのね」
・・・お手軽じゃないのに、でも肉まん美味しいんだもん。
「さっさと買い物を済ませて帰りましょう」
「うん」
「碇クン、一緒にお買い物しましょう」
「あ、うん」
「ダメよ、シンジはアタシと一緒に買い物するのよ」
買い物を邪魔するものは排除しないといけないわ。
「ううっ・・・碇クン、アスカがいぢめるわ」
げっ嘘泣き、いつのまに高等テクニックを習得したのよ。
「アスカ、泣かしちゃダメじゃないか。綾波も一緒に買い物しよう」
「うん、ありがとう」
あっ今シンジにわからないようにニヤリって笑ったわ。
「ダメよダメ!行きましょうシンジ」
アタシはシンジの手を引っ張って連れて行こうとしたわ。
「仲良く三人で買い物しようよ、肉まんの他にピザまんも買ってあげるから」
くっ・・・ピザまんも付けるですって、そんなんでアタシの心が揺らぐと思って・・・
「アンマンもつけて欲しい」
「わかったよ」
「しょうがないわね、ファースト!良かったわね、さっさと買い物終わらせなさいよ」
「ピザまんとアンマンに釣られたのね」
「釣られてない!」
アタシは決してピザまんとアンマンに釣られてないわよ、シンジがど〜〜してもって言うから許可しただけなのよ!
年末の買い物はシンジ君一人では無理、そこで荷物持ちのアスカちゃんが同行。でも嫌がるアスカちゃんは肉まんで手を打ちました(笑)
途中で会ったレイちゃんと三人でお買い物をする事になりました。アスカちゃんはピザまんとアンマンで釣られて許可、お手軽ですね(笑)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 大晦日