乙女の悩み
「はあ〜〜」
学校の屋上。レイ、ヒカリと一緒に昼食を食べていたアスカは箸を止め大きくため息をついた。
「アスカどうしたの、ため息なんかついて」
「ため息をつくと幸せが逃げるわよ。もっとも貴女の場合は逃げていいけど」
レイはサンドイッチを一口食べると口元をゆがめた。
「ファースト五月蝿い!サンドイッチとるわよ」
「嫌よ」
とられない様に素早く全部口にほおばった。
「綾波さんもそんなに早く食べると喉に詰まらせるわよ」
「大丈夫よ・・・はうっ」
言っているうちから喉に詰まらせた、コーヒー牛乳を一気に喉に流し込んだ。
「ふう〜〜美味しかった」
「一人で満足してんじゃないわよ、まったく」
「美味しいからいいの。話を戻すけど、どうしてため息をついたの?」
「別になんでもないわよ」
「アスカらしくないわよ、私でよかったら相談に乗るわよ」
委員長としてクラスメートが困っているのを見捨てて置けない。
「う、うん・・・実は・・・」
「太ったのね」
レイが口を開いた。
「な、どうしてアンタが知っているのよ?」
「太ったのアスカ?」
「私の目は貴女が日を増すごとに太って行ったのを見逃していないわ、かなり凄く太っているわ。うふふ・・・」
「綾波さん、笑い方が怖いわ」
レイの笑いにヒカリの背筋に冷や汗が流れる。
「う、う〜そんなに太っているように見えるの?」
「かなり凄いわ、例えるならトンカツ・・・美味しい。カツ丼・・・美味しい」
「綾波さん、例えがわからないわ」
ヒカリは首をかしげた。
「え〜〜そんなに太っているの、あ〜〜ショックだわ」
「そうね人間失格よ。失格、そう失格なのね」
「ちょっとファースト、アンタアタシを陥れようとしているでしょう」
「知らないわ、私は太ってないから」
腰をひねりやせている事を強調した。
「綾波さん、綺麗ね」
「うふふ、努力の賜物よ。委員長さんも素敵よ、特に胸が」
モミモミ
レイの手がヒカリの胸に伸びた。
「あん、綾波さんやめて」
「こらファーストなにやってんのよ」
「モミモミしているの、いい胸ね。ジャージ君が凝視するのもわかる気がするわ」
「えっ鈴原が見ているの?」
「ええ、会っている時、授業中もずっと見ているわ。特に体育のときが凄いわ、体操服だから胸の形がわかってハアハア。目がいつも血走っていたわよ」
「す、鈴原の不潔よ〜〜〜〜〜〜!」
ヒカリの絶叫が屋上に響き渡った。
「ヒカリの絶叫はいいとして、ダイエットしないといけないわ」
明日からしようと心に誓うアスカであった。
「アスカ知っている?」
「何が?」
「痩せていく場所は初め胸からなのよ」
「えっ?そうなの」
「そうよ、ダイエットしたら無い胸が更に無くなってえぐれて・・・恐ろしいことになるわ」
レイは身震いした。
「そ、そうなの?」
本気に受け取るアスカも身震いし始めた。
「アスカ違うわよ」
呆れて突っ込みを入れるヒカリであった。
「そういうわけだからダイエットしなくても良いと思うわよ」
「でもお腹の肉が気になるのよね」
「それも貴女の魅力よ、その魅力に私は・・・トキメキそう」
レイの瞳が輝き始めた。
「ちょ、ちょとファースト」
「おいしそうなアスカ・・・食べていい?」
レイの手がアスカの頬に伸び優しく触れた。
「や、やめてよ。アタシはそんな趣味はないわよ」
「あ、綾波さん暴走はやめて」
「うふふ、二人まとめて可愛がってあげるわよ」
「「い、いや〜〜〜〜〜」」
二人の叫びが学校中に木霊するのであった。
アスカちゃんの悩みは太ったこと、これは一大事ですね。体系的には些細な変化と思いますが、レイちゃんはそれを見逃しません。
悩みを告白したアスカちゃんでしたが、問題は解決しませんでしたね。そしてレイちゃんの暴走(^^;)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 乙女の悩み