乙女の入浴
「たっだいま〜〜!」
「こらどうしてアンタがただいまを言うのよ、お邪魔しますでしょ」
マナの言葉にアスカが呆れながら怒った。
「いいじゃない、ここは私の家も当然だからただいまで良いのよ」
「よくないわよ」
「・・・ただいま」
「ファースト、アンタまで言うか」
少し遅れてやってきたレイが小声で言ったのを聞き逃さない。
「さっすがレイさんね、さあ入りましょう」
「うん」
「こら〜アタシより先に入るんじゃないの!」
「のど渇いたね〜」
「うん」
「こら〜〜人の話を聞け〜〜〜!」
アスカの叫びもむなしく二人は家の中へ消えていった。
「ふい〜〜クーラーが効いていて極楽ね〜〜」
マナは制服の胸元を開けて、手で仰いで冷たい風を胸に当てた。
「まったく図々しいったらありゃしないわ」
「誰かさんには負けるけど」
「ちょっとファースト、誰かさんって誰のことよ」
「・・・」
レイは黙ったままである。
「黙秘する気、どうせアタシだって言うんでしょ」
「・・・空が綺麗ね」
ベランダから空を眺めて呟いた。
「むかつくわね〜〜」
「あ〜〜今日も暑かったわね〜〜シャワー浴びようっと」
「こら、ちょっと待てぃ〜〜誰がシャワー使っていいって言ったのよ」
「私よ」
マナの身体は汗がべとついて気持ち悪かった、今すぐにでもシャワーを浴びたい気分であった。
「アンタが良くてもアタシが良くないわよ」
「じゃあ私が浴びるわ」
レイは立ち上がると洗面所へ向かおうとした。
「待てぃ!」
「うぐっ!」
アスカはレイの襟を掴むと力ずくで座らせた。
「アンタ達ね〜、ここをどこだと思っているの?アタシの家よ、それを自分の家のように振舞って常識ってものがないの?」
「ここってアスカの家よりも前に葛城さんが家主でしょ」
「そ、そうだけど」
「ここは葛城三佐の所有物、でも生活権は碇クンが持っているわ」
「そしてアスカはただ住んでいるだけ〜〜〜、それに葛城さんが言っていたのよ、自宅のようにゆっくりしなさいって」
「私も葛城三佐に命令されたわ、いつでも来なさいって」
「そ、それがなによ」
アスカは腕を組んで気丈に振舞った。
「「ここは私達にとっても我が家なの」」
「ユニゾンで言わないでよ」
「わかったでしょ〜〜じゃあシャワー浴びてくるわね」
「な、アタシが一番に浴びるのよ」
アスカも今すぐにでもシャワーを浴びたい気分であった。
「私もすぐに浴びたいわ」
「ありゃ〜〜みんな一番に浴びたいのね、それじゃあジャンケンしましょう」
マナは立ち上がるとコブシをあげて叫んだ。
「ジャンケンね、それなら恨みっこなしね」
「まけないわ」
アスカとレイも気合が入る。
「「「じゃんけんじゃんけんじゃんけんぽ〜〜〜〜〜ん!!!」」」
アスカ、チョキ。マナ、グー。レイ、パー。であいこであった。
「あいこね、次は勝つわよ」
再び気合が入るアスカ。
「あいこだから全員一番ね、みんなで入りましょ〜〜」
「うん」
「え、ええ?」
マナの言葉に頷くレイと驚くアスカであった。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。あいこだからもう一回でしょう」
「私達のルールではあいこはないのよ。ね〜レイさん」
「うん」
マナの同意に頷くレイであった。
「そんなルール知らないわよ、とにかくもう一回よ!」
「アスカ、正確には日本のルールなのよ、憲法にも載っているのよ」
「そうなの」
「そうよ、だから平和主義なのよ」
「ふ〜〜ん、そうなんだ」
素直に信じるアスカであった。
「それじゃあ入りましょう〜!」
三人は洗面所へ向かった。
「ふんふんふ〜ん」
マナは持ってきたバックから着替えを取り出した。
「アンタどうして着替えを持ってきているのよ」
「どうしてかな〜〜?」
「計画的犯行ね」
「そうとも言うかな〜〜」
「まったく」
呆れるアスカは準備が早いレイを見た。
「アンタもかい!」
レイも着替えを持ってきていた。
「備えあれば憂いなしよ」
「はあ〜〜付き合い止めようかしら」
本気で考えるアスカはため息をつくと服を脱ぎ始めた。
「わお〜〜アスカって可愛いパンティー履いているわね」
アスカのパンティーのバックには可愛いネコの絵柄がプリントされていた。
「わっエッチ何見てんのよ」
素早くお尻を隠して頬が赤くなった。
「照れない照れない、中学生らしくて良いわよ〜〜お姉さん興奮しちゃう」
「何親父くさい事言ってんのよ」
「そういうキャラだから気にしない。レイさんは白で統一ね、流石清純派ね」
レイの下着はシンプルで白であった。
「シンプルイズベストよ、これが萌えの原点なの」
「どこでそんな知識を仕入れてくるのよ!」
「葛城三佐、仕事サボっていつもこんな話をしているの」
「アイツは・・・」
ぐうたら保護者に怒りマークが浮かんだ。
「私はちょっとセクシーに黒よ」
マナは下着姿になり前かがみになり両腕を胸に当てて強調した。
「アンタ学校に何着て来てんのよ」
「もしもの時のためよ」
「はあ?」
「学校でシンジに押し倒されても良いようにいつでも勝負下着を着けているのよ」
「何馬鹿なこと言っているのよ。シンジが押し倒すわけないでしょうが、そんな下着はミサトの奴ので見飽きているわよ」
「え、そうなの?」
「そうよ、ミサトの下着はいつもシンジが洗濯しているからアタシのような可愛い可愛い〜〜〜下着に萌えるのよ」
勝ち誇るアスカ。
「そうなんだ、今度買いに行こう」
(しまった、言わなければよかったわ)
言ったことを後悔した。
「先に入るわ」
レイは二人の話を聞きつつ自分も買ってこようと思い、すでに下着を脱いでいた。
「あ、レイさん待って」
「待ちなさいよ」
二人は急いで下着を脱いで浴室に向かった。
「お風呂入れるわね」
レイは蛇口をひねると浴槽に湯船をはった。
「貯まるまでに洗いましょう」
マナはシャワーの蛇口をひねるとシャワーの口をアスカに向けた。
「わっビックリするじゃないの」
「気持ち良いでしょ〜」
「ええ汗が流れていい気持ちね」
「マナさん、私にも」
「うん」
次にレイにシャワーを当てた。
「はああ、気持ちいい」
恍惚の表情になりシャワーの心地よい熱さも加わり頬がほんのり桜色になった。
「何悶えてんのよ」
「マナさん、シャワーテクが上手」
「だからどこでそんな知識を仕入れてくるのよ」
「葛城三佐」
「アイツは・・・」
帰ってきたらお仕置きをしようと心に誓うアスカであった。
「レイさん気持ちいいの?どこが気持ちいいの?」
「はああ〜そ、そこ」
「うひゃひゃひゃ〜初々しいの〜〜」
「二人ともやめんか〜〜〜い!」
マナからシャワーを奪い取った。
「あ〜〜折角『美少女中学生お風呂場での二人の秘め事』プレイをしていたのに」
「そんなのしなくていいの!さっさと身体洗って入りなさいよ」
アスカはタオルにボディーシャンプーを付けると身体を洗っていった。
「アスカ〜洗ってあげるわよ。モミモミ〜」
マナは後ろからアスカの胸を掴んだ。
「きゃっ、やめてよ」
「やめないわよ、モミモミ〜アスカの胸って柔らかいわね〜」
「や、やめてよ。あ、あん」
振り払おうとするが力が入らない。
「レイさんも揉んでみたら」
「うん、モミモミ」
レイは真正面から胸に手を当てた。
「こ、こらファースト、あん」
「確かに柔らかいわ、でも・・・」
「でも何よ?」
「小さいわね」
揉むのを止めると身体を洗い流し湯船に浸かった。
「ちょ、ちょっとファースト!アンタ失礼ね。小さくなんかないわよ」
「あ〜確かに小さいわね」
マナは自分の胸に手を持って行き比べた。
「アンタまで言うの」
「大きさは私、レイさん、アスカの順ね」
マナも身体を洗い流すと湯船に浸かった。
「ファーストよりも小さいですって?そんな事ないわよ」
「私はCのトップは○○、アンダーは○○よ。レイさんもCでトップは○○、アンダーは○○なのよ。アスカは?Cの何?」
「ア、アタシは・・・」
Cすら出てこない、肩を落とすと身体を洗い流し静かに湯船に浸かった。
「アスカ落ち込まないでいいわよ、これからよこれから!」
「そうよ、アスカには未来がある・・・かもしれないわ。多分・・・」
レイはアスカの顔を悲しそうに見た。
「レイさん、落ち込ませないで」
アスカは顔半分が湯船に沈んでいった。
「アスカ、沢山牛乳を飲めば大きくなるわよ」
「え、ええ。いっぱい牛乳を飲んで頑張るわ」
再び顔が浮上し始めた。
「沢山飲んだら下痢するだけよ」
「レイさん!」
再び沈むアスカ。
「揉んだら大きくなるから私が揉んであげるわよ、ほらモミモミ〜」
マナはアスカの右胸を揉み始めた。
「あ、あん。やめてよ」
「じゃあ私もモミモミ〜」
レイはアスカの左胸を揉み始めた。
「あ、こら。あ〜ん」
アスカの悩ましげな声が浴槽に響き始めた。
その頃シンジは・・・
「血、血が足りない・・・」
先ほどから帰ってきておりリビングでくつろいでいたが。アスカ達の声が聞こえて鼻血がずっと流れ続けているのであった。
「か、母さんもうすぐ逝きます」
薄れ行くシンジの表情は安らかであった。
学校から帰ってきたアスカちゃん達、汗はさっぱり流したいですね。
みんなで入れば楽しいお風呂、でもマナちゃんとレイちゃんが暴走(笑)アスカちゃんは災難ですね。
そしてシンジ君は・・・嬉しいですね(^^;)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 乙女の入浴