お茶時間

「ん〜〜今日の朝食も美味しいわ〜〜流石シンちゃん、いいお嫁さんになれるわよ」

 シンジの美味しい朝食をたいらげ満足なミサトは缶に残っていたビールを飲み干した。

「ありがとうございます」

 褒められてまんざらでもないシンジは頬を赤らめた。

「なに照れてんのよ、アンタがお嫁に行けるわけないじゃない」

「あっそうだね、じゃあお婿さんだ」

「おっとそうだったわね、シンちゃんはお婿さんだったわね。じゃあお嫁さんは誰かしら?」

 空になった缶を振りニヤニヤしながらアスカを見た。

「なんでアタシがバカシンジのお嫁になんなくちゃいけないのよ!」

「あら〜〜私はアスカって言ってないわよ」

「ニヤついてアタシを見たじゃないのよ」

「見てないわよ。そうか〜〜アスカはシンちゃんのお嫁さんになりたいのね」

 朝からミサトのからかいが冴える。

「な、なりたくなんかないわよ。こんな・・・」

 アスカはシンジの方を見た。

「こんな僕だから・・・」

 シンジはアスカを見つめ悲しそうな顔をした。

「べ、別に何でもないわよ。この話は止め止め!撤収よ」

 手をバタつかせて話をうやむやにした。

「ありゃりゃ、残念」

 ミサトは缶を置き椅子に深く座り込んだ。



「んじゃ〜〜食後のお茶を貰おうかしらね」

「あ、はい」

 シンジはお湯を沸かすためにポットに水を入れ火にかけ、そし茶葉を用意し始めた。

「ふふふ、このお茶は美味しいわよ、何てったって玉露!高かったのよ」

 昨日ミサトが珍しく玉露を買ってきていたのである。

「お茶よりケーキの方が良かったわ」

「そうね、ケーキも良かったかしら。でもね日本人ならお茶よ、お茶を飲んでワビサビを感じるのよ」

「ふ〜〜ん」

 興味が無いアスカは頬杖をつき聞き流した。

「あっ沸いたようですね」

 シンジは席を立つと、急須に茶葉を入れてお湯を注いだ。




 三つの湯飲みにお茶が注がれてお茶時間が始まる。

「ん〜〜いい香りね」

「そうですね」

 ワビサビを感じている二人、一方アスカは・・・

「苦そうな香りね」

 湯気に眉をひそめた。

「ゴクゴクゴク、んま〜〜〜い!」

「美味しいですね、流石に高いだけの事がありますね」

 満足な二人、一方アスカは・・・

「苦いけど美味しいわね」

 一気に飲めないで少しずつ飲んでいった。




「ミサトさん、おかわりいりますか?」

「ん〜〜いいわ、それより急須をかして」

「急須をですか?」

「そっ、玉露を飲んだ後の茶葉を食べると美味しいのよ」

「へ〜〜そうなですか」

「そうよ。どれどれ」

 ミサトは急須のふたを取り、箸で茶葉を取り口に入れた。

「美味!二人とも食べてごらんなさい。美味しいわよ」

「美味しいの?」

 アスカは半信半疑である。

「めっちゃ美味しいわよ。ケーキで言うとショートケーキくらい美味しいわ」

「例えが変だけど美味しいんだ。食べてみようっと」

 アスカとシンジは茶葉を取り口に入れた。

「「にがっ!」」

 二人はティッシュを大量に取ると口に当て茶葉を吐き出した。

「うげえ〜〜にがいじゃないのよ。全然美味しくな〜〜〜い!」

「もの凄く苦いですよ」

 ブーイングである。

「あら、子供にはちょっとアダルティーな味だったかしら、それなら醤油をかけるとマイルドになって食べやすいわよ」

「うそ〜〜」

「本当よ、ケーキで言うならチーズケーキね」

「そうなの、ならかけてみようっと」

 アスカは小皿に茶葉を取り醤油を少々かけた。

「僕ももらうよ」

 アスカとシンジは醤油かけ茶葉を口に入れた。

「「!!」」

 二人は全身の血が引くと白目を剥き床に倒れこんだ。

「あら〜〜気絶するほど美味しかったのね。どれどれ」

 ミサトはアスカが作った醤油かけ茶葉を口に入れた。

「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜美味しゅうございます」

 口の中に広がるハーモニーにミサトはうっとりするのであった。

「み、味覚がくるっている・・・よ・・・」

 辛うじて意識があったシンジであったが、ミサトが醤油かけ茶葉を美味しいと言ったことで気絶するのであった。


 食後のお茶は高い玉露、美味しいお茶に満足する三人。その後に茶葉を食べるミサトさん、味覚が狂っていますね(^^;)

 ミサトさんに騙され?醤油かけ茶葉を食べるシンジ君とアスカちゃん、ミサトさんの味覚についていけませんね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION お茶時間