来訪者

「ふあああ〜〜」

 アスカはリビングで本を読みながら欠伸をした、何もする事がなく暇なようである。

「ね〜〜なんか面白いことない?」

「ないよ〜」

 同じくリビングで裁縫をしているシンジは聞き流しながら返事をした。

「なにかあるんじゃないの?例えば・・・」

「例えば?」

「アタシの宿題が全て終わっているとか」

「終わってないよ、自分でするんだよ」

 アスカは夏休みの宿題にはまだ手をつけていない。

「やってくれないの?」

「うん」

「速攻で返事しないでよ、良い事してあげるから」

「い、いいこと?」

 シンジは思わず生唾を飲んだ。

「ふふ、良い事よ」

「ど、どんないいことなの?」

「ひ〜み〜つっ」

 アスカはウインクをして人差し指を自分の唇に当てた。

「き、気になるなあ〜いたっ!」

 シンジは親指に裁縫針を誤って刺してしまった。

「ばっかね〜ちゃんと手元を見ないと危ないわよ」

「う、うん」

 親指からジワッと血が出てしまい反省するシンジであった。

 ピ〜〜ンポ〜〜ン!

 シンジが親指にバンソウコウを貼っていると呼び鈴が鳴った。








「どちらさまですか?」

 シンジは玄関へ行きドアを開けた。

「やあ久しぶりだね」

「カヲル君」

 そこにはカヲルが立っていた。

「シンジ君に会いたくなったので来てしまったよ」

 カヲルは微笑んで歯を光らせると髪をかきあげシンジを見つめた。

「カヲル君・・・キュン」

 何故か頬を赤らめるシンジであった。

「あがってよ」

「そうさせてもらうよ」

 シンジはカヲルをリビングに招き入れた。








「誰だったの・・・げっ!」

 雑誌から顔を上げてカヲルの顔を見た瞬間、眉を歪めた。

「やあアスカ君、相変わらずだらけているね」

「アンタに言われたくないわよ。それにどうして来たのよ?邪魔よ邪魔」

「そう邪険にしないでくれよ、これはアスカ君にお土産だよ」

 カヲルは手さげ袋をアスカに渡した。

「何よ・・・あっ!」

 アスカは起き上がると袋を開けた。

「ふふお気に召したかな?」

 中身はシュークリームであった。アスカは瞳を輝かせると、一つを口に入れた。

「ん〜〜〜〜〜美味しい〜〜〜」

「ふふ気に入ってくれたようだね」

「アンタ結構良い奴ね〜〜これからは毎日来ていいわよ」

 二個目を口に入れた。

「ふふアスカ君のお許しが出たようだね」

「来るときはお土産を持ってくるのよ」

「ふふお金がかかるね」

 三個目を口に入れた。

「アスカ〜カヲル君に失礼だよ」

「べっつにいいじゃん」

「ふふシンジ君は優しいねえ、好意に値するよ」

「カヲル君・・・キュン」

 微笑に鼓動が高くなった。

「な〜〜にボーイズラブしてんのよ、気色悪いわね」

 四個目を口に入れた。

「ふあああ〜〜眠くなっちゃった・・・zzz」

 アスカは大あくびをするとそのまま横になって吐息を立てて眠りだした。

「ふふ、これで邪魔されないね」

「え?」

「シュークリームに睡眠薬を入れておいたんだよ」

「そ、それはひどんじゃ・・・」

 流石のシンジも苦笑いをした。

「シンジ君にもお土産があるんだよ」

「僕にも」

 カヲルは隠し持っていた紙袋を渡した。

「開けていいかい?」

「ああいいよ」

 紙袋を開けた。

「洋服?いやこれは体操服、そしてこれはブルマー、カヲル君これはいったい?」

「ふふ、シンジ君それを着てくれないか。そして僕と体操服でプレイしようよ」

「ええっ!」

 シンジは驚いた。

「これをきて、あんなプレイやこんなプレイを。ああシンジ君ボーイズラブだね」

「カヲル君、これはちょっとマニアックすぎるよ、それにブルマーなんてはけないよ」

「いやなのかい?」

 カヲルは瞳を潤ませた。

「え、あ、あの・・・カヲル君が望むなら・・・い、いいよ」

「そ、そうかい嬉しいよシンジ君!早速着替えてくれ」

「う、うん。着替えてくるから待っていてね」

「ああ、待っているよ」

 シンジは着替える為に自分の部屋に向かおうとした・・・



このド変態どもが〜〜〜!

 ボカボカ!

 アスカの強烈なコブシが二人の頭上に落ちた。

「ア、アスカ君眠っていたんじゃ」

「眠っていたけど変態な気配がすれば誰でも起きるわよ」

「そ、そんな像でも丸一日眠る睡眠薬なのに」

「アンタ、そんなものをアタシに食べさせたわけね」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 アスカの背中にどす黒い炎が立ち上った。

「あ、いやその・・・シ、シンジ君、助けて・・・」

この変態使徒が〜〜!腸をブチ撒けろ〜〜〜!

シ、シンジく〜〜〜〜ん!!

 アスカにベランダから投げ飛ばされてカヲルは昼のお星様になった。

「カ、カヲル君。アスカちょっとひどいよ」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「シンジ〜アンタもアンタよ」

「え、何が・・・」

 シンジの背中に冷や汗が流れた。

変態に要求されて体操服を着るんじゃな〜〜〜〜〜〜い!

あ〜〜〜〜れ〜〜〜!

 シンジも投げ飛ばされて昼のお星様になった。

「まったく、暑さで頭がバッカになってんじゃないの」

 二人が居なくなって広くなったリビングで再びシュークリームを食べるアスカであった。

「ん〜〜〜おいし!」


 カヲル君のお土産に嬉しがるアスカちゃん、でも一服盛られていましたね(笑)

 シンジ君へのお土産は体操服、それもブルマーでそれを着ようとするシンジ君(^^;)怪しい世界ですね。

 でもアスカちゃんに粛清されてお星様になる二人でしたね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 来訪者