台風参号

 ベランダから外を見る、風と雨が強いわ。

 台風が明日に上陸するみたい、ここは大丈夫かしら?飛ばされないかしら?アタシは飛ばされちゃうの?飛ばされないように誰かに抱きついてないといけないわ。そう誰かに・・・

「アスカ〜外に居ると危ないよ」

「うん、わかった」

 シンジに言われて部屋に戻ったわ、テーブルにはオヤツが用意してある、今日はメロンパンね。

「風で飛ばされれば良かったのに」

「舌打ちしてんじゃないわよ!」

 シンジの隣には何故かファーストが居るのよね。

「このメロンパンは私の大好物、流石碇クン私の好物をしっているのね」

「無視するんじゃないのよ!」

「貴女誰?」

「アンタいっぺん死んでみる?」

 食べながら喋るんじゃないわよ。

「まあまあ二人とも喧嘩しないで、アスカも座って食べなよ」

「まったく〜それ食べたらさっさと帰ってよね、邪魔なんだから」

 台風が来るから避難しにきたファースト、邪魔だけよ。家に帰って飛ばされればいいんだわ。

「それはできないわ、二人っきりにすると貴女が暴走する危険があるからよ」

「な、何のことよ?」

「そういうことよ、パン食べないから貰うわよ」

「ダメよ、食べるんだから」

 ファーストが手を伸ばす前にパンを取ったわ、まったくいやしいんだから。

「碇クン、牛乳ちょうだい」

「あ、うん」

 飲み物は牛乳なのね。

「アタシはオレンジジュースよ」

「うん」

「碇クン違うわ、その牛乳じゃないの」

「え?これじゃないの」

 パックには牛乳って書いてあるじゃない、どこが違うのかしら?

「貴方の牛乳を飲まして」

 ボカッ!

台風に飛ばされてきなさい!

 脳が腐ってんじゃないの。

「な、何言ってんだよ、綾波〜」

「何って知っているくせに、碇クンってシャイなのね」

「ファースト、アンタ一度といわず十回くらいは死んだ方がいいわよ」

「どうして?男の人は好きなんでしょう」

「す、好きって言われても・・・まあ嫌いじゃ」

 ボクッ!

シンジ、アンタも逝け!

「い、痛いよアスカ〜」

 一生気絶していなさい!まったくエヴァパイロットはどうして変態が多いのかしら?

「アスカ、貴女には負けるわ」

「どうしてアタシに負けるのよ?」

 アタシが一番の変態なわけのなの、アタシは正常よ。

「そうかしら?貴女は口に出して言っていないだけよ」

「何がよ」

 ファーストがジッとアタシを見ているわ、目をそらしたら負けね。

「私が来なかったら台風の夜は碇クンと二人っきり。碇クンの入浴を覗いてハアハア、碇クンの下着姿を見てハアハア、碇クンのパジャマ姿を見てハアハア、碇クンの胸元を見てハアハア、碇クンの寝姿を見てハアハアする気でしょう」

「な、何言ってんのよ。それはアンタの願望じゃないのよ」

「そうよ、だから邪魔をしてほしくないのよ。ネルフに行って夜勤でもしてきて」

 こ、こいつは・・・

「タクシー代なら払ってあげるわよ、ここからならいくらかしら?」

 ゴゴゴゴゴゴゴ!

「擬音を出しても無駄よ、さっさと行って」

台風に飛ばされてこ〜〜〜い!

「あ〜〜〜〜〜〜〜〜碇ク〜〜〜ン!」

 むかつくからベランダから投げ飛ばしてやったわ、まあファーストだから死ぬことはないでしょう。


 台風の日は三人で楽しく・・・アスカちゃんとレイちゃんはそうでもなさそうですね(^^;)

 暴走しようとするアスカちゃんとレイちゃん、困ったのもですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 台風参号