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「今日は二月二十二日なのね」
リツコはキーボードを打つ手を止めコーヒーを口に含み、モニターの横に置いてある卓上カレンダーを見た。
「あ!私とした事が・・・なんて事なの、のんびりコーヒーを飲んでいる暇はないわ」
椅子から勢い欲立ち上がるとロッカーを開けて中から品を取り出しバックに詰め込んだ。
「急がないと今日が終わってしまうわ」
研究室を急いで後にするのであった。
「はあはあはあはあ」
走ってきた場所は司令室、ゲンドウと冬月が将棋を指していた。
「何か用かね?」
「二人ともこれを着用してください」
リツコはバックから先ほど詰めた品を取り出した。
「何だこれは?」
受け取った冬月は眉をゆがめて品を見た。
「ネコ耳です」
「見ればわかる」
同じくゲンドウも眉をゆがめていた。
「今日は二月二十二日、にゃんにゃんにゃんでネコの日です」
「それがどうした」
「ネコの日にはネコ耳を着けなくてはいけません」
「何を言っているんだ、こんなもの着けられるわけないだろう」
老体の冬月にネコ耳を着ける勇気はない。
「あら、副司令にお似合いですよ、司令も」
「あっ何をする」
「や、やめたまえ」
リツコは二人の手からネコ耳を取ると強引に頭に着けた。
「ほ〜〜ら、かわい・・・」
二人のネコ耳姿を見たリツコは言葉が出なくなった。
「そ、それでは失礼しました」
嵐のようにその場から立ち去っていった。
「碇、なかなか似合うぞ」
「ふっ問題ない」
次に訪れたのは発令所、オペレータ三人組が休憩していた。
「あっ先輩」
最初に気づいたのはマヤ、リツコの匂いで来るのがわかったらしい。
「三人とも集まってちょうだい、重要任務よ」
「重要任務ってなんすか?」
「もしかして使徒?」
ロンゲと眼鏡がゆっくりと席を立ち上がった。
「もしかして先輩?」
マヤの瞳が輝いている、どうやら気づいているようだ。
「うふふ、マヤの考えていることよ。はいこれはマヤ用よ」
リツコはネコ耳をマヤに渡した。
「いや〜〜〜ん、可愛い〜〜先輩素敵ですぅ〜〜〜〜!」
「マヤ、素敵よ素敵よお〜〜〜」
童顔にネコ耳はジャストフィット、リツコは感激のあまり思わず抱きしめた。
「ああっ先輩が抱きしめているぅ〜〜〜〜」
興奮が絶頂に高まる。
「さあ二人とも着けてちょうだい」
「「わ、わかりました」」
二人とも男なので着けたくないが、着けないと改造されるので嫌々装着した。
「・・・やっぱり三流は三流ね、居ても居なくてもどうでもいいわ」
リツコはため息を大きく付くとその場を後にした。
「「ち、ちくしょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜うっ」」
「はい、僕の勝ち〜〜〜」
「き〜〜〜シンジのくせにむかつく〜〜〜」
「碇クン強い」
続いてやって来たのは食堂、チルドレン三人がオセロをしていた。
「あら三人とも丁度良かったわ」
「リツコさん、何か用ですか?」
「また変なこと企んでいるんでしょう」
「何となくわかるわ」
リツコから用がある時は何かよくない事である。
「今日は特別な日なのよ、これを着けてちょうだい」
「ネコ耳〜?リツコ頭おかしくなったの?」
「おかしいのはいつもの事よ」
「ふ、二人とも言い過ぎだよ」
「良いのよシンジ君、後からきついお仕置きをしてあげるから、うふふ」
リツコの口が不気味にゆがむと二人の背中に悪寒が走った。
「あ、い、今の言葉は無しよナシ!」
「私の言葉じゃないわ」
「ネコ耳を着けたら許してあげるわよ」
脅迫である。
「つ、着けるわ」
「私も装着」
「か、可愛い」
アスカとレイのネコ耳姿にシンジは呟いた。
「あらそう?まあ美少女のアタシが着けたから当然よ」
「碇クンに褒められた、嬉しい」
「う〜〜ん流石ネコ耳ね、可愛さをより引き出すわ。さあシンジ君も着けてちょうだい」
「ぼ、僕がですか?」
着けるのには勇気がいる。
「シンジ〜早く着けなさいよ」
「碇クンのネコ耳・・・見てみたい、着けて碇クン」
女性三人の瞳が光る。
「か、身体が動かない」
シンジは蛇に睨まれた蛙の様に動けない。
「赤木博士、私何故だか肉球持っています、これも碇クンに着けてもらったらどうですか?」
「あら良いわね〜」
「アタシは何故だか知らないけど尻尾を持っているわ、これもシンジに着けちゃえ」
「流石アスカ、一味違うわね」
「だ、誰か助けて・・・」
「さあシンジ君、痛くしないからね。うふふ」
「シンジ〜〜〜観念しなさい、うふふ」
「碇クンのネコ耳、尻尾、肉球・・・うふふ」
「い〜〜〜や〜〜〜〜!」
シンジの叫びが食堂にこだました。
「うう、汚された・・・汚されたよ〜〜〜」
ネコ耳、尻尾、肉球を無理やり着けさせられたシンジは床に横たわり涙を流した。
「シンジ君のその姿、ご飯を軽く三杯はいけるわ」
「シンジのその姿、かるくイッちゃったわ」
「碇クンのその姿、キュン」
三人ともシンジの姿を見て鼓動が高まっていた。
「も、もうお婿にいけない・・・」
二月二十二日はネコの日、当然リツコさんが黙ってはいませんね(笑)
強引にネコ耳を着け回るリツコさん、満足そうですね。でも一番の満足はシンジ君のネコ耳、尻尾、肉球姿を見れた事でしょうね。でもシンジ君はショックでした(^^;)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 222