朝
今日アタシは朝ごはんを食べないことにした。
「アスカ〜ご飯だよ、起きるんだよ〜」
部屋の外からシンジの声が聞える、アタシはまだ眠たい身体をベッドから起こしたわ。
「いらないわ」
「えっ?どうしたの、具合でも悪いの」
「普通よ、食べたくないの」
「食べないと身体が持たないよ、少しでもいいから食べなよ」
「いらない」
食べられない理由があるの、そんな事シンジには言えないわ。
「風邪なの?おかゆを作ろうか」
「風邪じゃないわよ、いらないったらいらないの!」
「・・・」
ちょっと強く言いすぎたかしら、でもいらないのよ。
「シンちゃん、シンちゃん」
「何ですかミサトさん」
ベッドに潜り込んで二度寝を決め込もうと思っていたらミサトの声が聞えたわ。
「アスカがご飯を食べない理由はね」
「はい?」
「今日は健康診断だからよ」
ギクッ!ミサトったら何ばらしてんのよ。
「健康診断とご飯を食べないのと何の関係があるんですか?」
「ん〜〜シンちゃんは乙女心をわかっちゃいないわね〜健康診断って事は体重も量るってことよん」
「体重〜?それだけでご飯を抜くんですか」
バカシンジ!それだけって、乙女はそれだけが苦労すんのよ。
「そうよ、乙女は体重を量る一瞬だけでも軽くなる事を祈っているのよ」
「そうなんですか、ミサトさんは大丈夫なんですか?」
「何が?」
「体重、さっきご飯を三杯もおかわりしたじゃないですか」
「私は大丈夫よん、太らない体質だから」
ぬあにが太らない体質よ、体重なんて気にしないオバサンになっただけでしょうが!
「アスカは太る体質だから苦労しているのよ」
バカ言わないでよ!アタシだって太らない体質なのよ!
「一食でも抜いたら身体に悪いですよ、やっぱりアスカには食べてもらわないと」
シンジ・・・
「う〜〜ん、シンちゃんは優しいわね〜お姉さんは感動しちゃうわ。感動しすぎで涙がでちゃうわ、チュ〜〜していいでしょ」
「わっ何をするんですかミサトさん!」
な、ななななチュ〜〜ですって!?
「シンちゃ〜〜ん、ぶちゅ〜〜〜」
「うわっ〜〜」
ひ、人の部屋の前でなにやってんのよ!
「こら〜〜〜ミサト〜〜〜!」
「おっはよ〜〜」
「なっ・・・」
襖を開けたらミサトがにこやかな顔して立っていたわ、シンジはその後ろに。え、演技していたわね!
「も〜〜騙されちゃって〜〜そんなにシンちゃんの事が心配だったのね」
「ししし心配なんかじゃないわよ、部屋の前で変な事しないでよ」
「心配してないの〜?じゃあチュ〜〜しちゃおう。シンちゃんぶちゅ〜〜〜」
「ミサトさんやめてください」
ああっミサトが垂れてきた胸をシンジの顔に押し当てて!
「こらっ〜〜〜!」
ボゴッ!
アタシは無意識のうちにミサトに蹴りを入れていたわ。
「いたたた、相変わらずいい蹴りしているわね」
「五月蝿いわね、シンジから離れなさいよ!」
「どうしようかな〜〜」
「ミ、ミサトさん」
まだ抱きついているわ、なんかムカつく。
「シンジも鼻の下伸ばしてないで離れなさいよ」
「は、離してくれないんだよ」
嘘言ってんじゃないのよ、胸の感触を楽しんでいるんでしょうが!そんな垂れた胸のどこがいいのかしら?
「アスカがご飯食べたら離してもいいわよ」
「な、なんですって」
「簡単な事じゃない、ご飯食べるだけでシンちゃんが解放されるのよ」
ご飯を食べたら体重が・・・ミサトのやつこの状況を楽しんでるわね。
「食べないの〜?ぶちゅ〜〜しちゃおう」
「ミ、ミサトさん」
あわわわ
「わ〜かったわよ、食べるわよ。食べればいいんでしょうが!」
「オッケ〜〜イ、そんじゃあシンちゃんを解放するわよ」
「ふう〜〜アスカ助かったよ」
ぬあにが助かったよ、顔がにやけているわよ。このスケベシンジ!
「このスケベシンジ」
ぎゅううう〜〜〜
「あいたたた頬をつねらないでよ」
「つねりたくなったのよ」
「はは、ご飯食べるんだろう」
「ええ、食べてやるわよ!」
二人でグルになっていたんじゃないでしょうね、あ〜〜ムカつくわね。こうなったら健康診断なんて関係ないわ、朝ごはんバッチリ食べてやるわよ。
アスカちゃんが朝ごはんを食べない理由は・・・乙女の問題ですね(^^;)
朝ごはんを食べないアスカちゃんを心配するシンジ君、優しいですね。ミサトさんは理由をしっているので当然からかいますね。
ミサトさんの脅迫?で食べる事になったアスカちゃん、もはや諦めでしょうか?
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 朝