BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY 2

「アスカ〜撃ちに行こう」

「うんっ!」

 今日はシンジから誘ってきたわ、いつもはアタシから誘うんだけど今日はシンジから誘ってくれた、これってもしかして愛の告白?・・・ってなわけないわよね。

「準備は出来ているわよ、さあ行きましょう」

「毎度の事ながら用意が良いね」

「当然でしょ」

 アタシはアスカ様よ、誘われたらすぐに行くことができるのよ。







「ねえシンジ、今日は勝負をしない」

「勝負?」

 シューティングレンジへ行く途中、アタシは提案が浮かんだわ。

「そっ、勝負よ。決められた弾数で多く的に当てた方にジャンボパフェを奢るのよ」

 練習して上手くなったから自信あるわよ。

「ジャンボパフェ〜?どうせ僕が勝っても横取りするんだろう」

 み、見透かされているわ、確かにジャンボパフェは女の子の為にあるデザート、シンジはたぶん半分食べたらギブアップするから、あとの半分はアタシが頂くって計画だったのに。

「し、しないわよ。とにかく勝負よ、わかったわね」

「はいはい、わかったよ」

「むっその返事の仕方、僕は負けませ〜んって態度ね」

「まあね〜自信あるよ」

 シンジのくせにムカつくわね〜見てらっしゃい、絶対に勝ってやるわよ。








 ふんふんふん〜ん、もうすぐシューティングレンジだわ。

 多分今日はシンジと二人っきりだわ、だって諜報部に連絡して手を打ってあるから完璧よ。

 眼鏡は拉致って戦場のど真ん中に置いてきたし、ヒカリとジャージは無理やりチケットを送って水族館に連れて行ったし、鋼鉄は更迭したわよ。

 だから・・・シンジと二人っきりのデートよ。




「碇クンこんにちは」

「やあ綾波」

「げっファースト」

 シューティングレンジに入ろうとした時、ファーストが後ろから声をかけてきたわ。うっかりしてたわ、まだコイツがいたんだ。

「綾波も練習かい?」

「うん、碇クンもなの」

「そうだよ」

 なんで同じ時間に来るのよ〜アンタは根が暗いから夜中に来なさいよ。ってファーストが持っているのはバイオリンケース?って事はバイオリンを練習しているのかしら?ファーストがバイオリンをしているって知らなかったわ。

「それじゃあ、さよなら」

 よっしゃあ〜〜〜!ファーストが消えたらシンジと二人っきりよ〜〜〜!ってどうしてファーストがお店に入っていくのよ。

「アスカ入ろうか」

「ちょ、ちょっと何でファーストがお店に入っていくのよ」

「綾波も練習するみたいだよ」

「練習って」

 ここはシューティングレンジでしょ、バイオリンを練習する部屋なんてなかったわよ。・・・まあいいかっ、部屋が同じって事ないから。





 お金を払って室内へ・・・

「ファースト!なんでアンタがここにいるのよ」

 室内にはファーストが居たわ、ここはアンタの来るところじゃないのよ!

「なんでって練習だから」

「練習ってここはバイオリンを弾くところじゃないでしょう」

「バイオリンって何?」

 コイツ頭おかしいんじゃない?バイオリンケース持ってきているのに。

「アンタの目の前にあるじゃない」

「目の前?これの事」

「そうよ、バイオリンが入っているんでしょう」

 さっさと向こうへ行きなさいよ。

「バイオリンは入ってないわ」

「あっ」

 ファーストがバイオリンケースを開けると中には・・・

「P90、サブマシンガンよ」

「な、なんでバイオリンケースに入れているのよ、紛らわしいじゃない」

「P90仕様だから」

「はあ?」

 意味わかんないわ。

「いつも手入れが良いね」

 シンジがやって来たわ、話口調からファーストもちょくちょく来ているみたい、これはチェックミスだったわ。

「ねえアスカ、私と勝負しない?」

「勝負?」

 コイツから話しかけてくるなんて珍しいわね。

「的を全部早く当てた方が勝ち」

「ふんっアタシに勝負を挑むなんて良い度胸じゃない、いいわよ受けて立つわよ!」

「勝った方にジャンボパフェ五杯奢るのよ」

「いいわよ、どうせアタシが勝つけどね」

 絶対にか〜〜〜つ!

「じゃあ的を並べるわ」

 ファーストが的を並べに行っている間にアタシは銃の準備よ、負けるもんですか。

「準備できた?」

「ええ、いいわよ」

「それじゃあどうぞ」

 ようし、集中するわよ〜〜〜って的が多すぎない?1、2、3・・・50?

「こらファースト、的が50もあるじゃないのよ、多すぎよ!」

 マガジンは一個しか持っていないから弾を込めるのに時間がかかるわ。

「私の勝ちね」

 パシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュパシュ

 げっ隣から無理やり割り込んで撃ちだしたわ、連射だから次々に当たっていく〜

 カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

「私の勝ちね、忘れないでジャンボパフェ奢ってね」

「ちょっとインチキじゃないのよ、認めないわよ」

「インチキじゃないわ、これはP90仕様、勝負を受けた時点ですでに負けていたのよ」

「アタシは銃に詳しくないのよ、この勝負は無効よ」

「そんなの知らないわ、さあ行きましょう」

「あ、ちょっと離しなさいよ」

 ファーストがアタシの手を掴んで強引に引っ張ったわ。

「あ、綾波どこに行くの?」

「ジャンボパフェ」

「だ〜か〜ら〜勝負は無効って言っているでしょうが」

「知らない」

「シンジ〜助けて〜拉致られる〜〜〜」

 うが〜〜今日も邪魔が入ったわ、どうしてアタシのシンジの楽しいひと時を邪魔するのよ〜〜〜!


 シューティングレンジへ行くシンジ君とアスカちゃん、今日こそは二人っきりで・・・それは残念ながら叶いませんでした(^^;)

 銃に興味がなさそうなレイちゃんまでもがはまっていましたね。それもバイオリンケースに入れて(笑)

 レイちゃんと勝負対決になり負けた?アスカちゃんは強引にジャンボパフェを奢るはめになりそうですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY 2