Father's Day

「シンジ〜今日が何の日か知っている?」

 巷で賑わっているあの日よね。

「今日?日曜日だろ」

「つまんない事言っていると逝かすわよ」

「じょ、冗談だよ。父の日だろ」

「ピンポ〜ン、大正解よ」

 流石のバカシンジでも知っていたわね。

「それが何なのさ」

「司令にはもう贈りものしたの?」

 一応、髭でグラサンでもシンジの父親だからね。

「してないよ」

「どうしてよ?」

「だって・・・」

 ウヂウヂしているわね、どうせ会いづらいんでしょう。そんな事じゃあダメよ。

「だって何よ?」

「何を贈っていいかわからないし・・・」

「そんなの何だっていいのよ!シンジが贈ったものなら喜んでくれるわよ」

「そうかな・・・」

「そうに決まっているでしょうが!あんな顔しているけどアンタの実の親なのよ!」

「あんな顔って凄い事言うね」

 つい言っちゃったわ。

「だって本当の事じゃない。ってなんて事言わせるのよ、このバカ!」

 ポカッ!

「いった〜〜〜」

 頭を叩いてやったわ、むかつくわね。

「当たり前よ、痛く叩いたんだもん。まだ買ってないなら今から買いに行くわよ!」

「今から?」

「そうよ、早く準備しなさい」

「でもお金が・・・」

 はあ〜小遣いが残り少ないですって?このバカシンジ!何無駄遣いしてんのよ。

「アタシも出してあげるから、さっさと準備をする!」

「あ、うん」

 シンジと連名でだせば、アタシの株もアップ!将来アタシの御父様なるかもしれないから・・・って、キャ〜〜〜〜アタシったら何を言っているのかしら。

「アスカ、どうしたの?顔が真っ赤だよ」

「早っもう準備してきたの?」

「うん、顔がタコのように真っ赤だよ」

「う、五月蝿いわね。行くわよ」

 あ〜〜シンジに真っ赤な顔を見られたわ、恥ずかしい〜〜














「電気店?ここで買うの?」

「そうよ、どうせアンタは何を買って良いかわからないと思うから、アタシが決めるわよ」

「別にいいけど」

 何を買うかはもうすでに決めてあるのよ。目当ての品を求めてお店へゴ〜!




「健康器具を買うの?」

「そうよ、司令も日頃の激務で疲れているでしょうから、マッサージ器を贈るつもりよ」

 肩たたき器なんかが値段も手頃で良いのよね。

「シンジはいくら持っているの?」

「僕は・・・」

「少ないわね〜無駄遣いやめなさい」

「うん」

 プラモばっかり買っているんじゃないわよ、まったくも〜〜肝心なときに役に立たないわね。

「それでどれを買うの?」

「これよ」

 ちょっと値が張るけど、多機能の肩たたき器、サンプルを使ってみたけど気持ち良いわ。

「それ?ちょっと高いんじゃない」

「お金は持っているから大丈夫よ」

「そっちの安いほうが良いんじゃない」

「おバカ、贈る品をケチってどうするのよ、感謝の気持ちが薄れるでしょう」

 まったくシンジはお子様ね〜

「ご、ごめん」

「親がいる時に孝行しておきなさいよ」

「う、うん」

 アタシも親孝行したかったんだからね・・・

















「ん、何だこの音は?」

 カタカタカタカタ

 静寂な司令室に響く音に入ってきた冬月は首を傾げた。

 カタカタカタカタ

「碇、何だそれは?」

「肩たたき器だ」

 ゲンドウは肩たたき器を使っている最中で小刻みに身体が揺れていた。

「見ればわかる、買ったのか?」

「シンジとアスカ君が贈ってくれた、父の日だそうだ」

「ほう、シンジ君達も優しいじゃないわ」

 冬月はゲンドウが使っている品を見て羨ましくなった。

「ふっ問題ない」

「あとで私にも貸してくれないか?」

「ふっ断る」

 ゲンドウはサングラスを指で持ち上げかけなおすとニヤリと笑うのであった。


 父の日です。消極的なシンジ君に対して贈りものをしてポイントアップを狙うアスカちゃん、贈るものは決まっています。

 ちょっと高い品ですけど、アスカちゃんはお小遣いを貯めていたので問題ありません(^^)

 貰ったゲンドウは嬉しそうです。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION Father's Day