MS20

「こ、これは!?」

「博士どうしたんですか?」

 研究室でキーを打っていたリツコが驚きの声を上げた、その声に雑誌を読んでいたレイが振り向いた。

「こ、これがザクなの?」

「ザク?」

 驚いているリツコの横からレイがモニターを覗き込んだ。

「ザクですね」

 レイはモニターから視線を外すと机に置いてあるクッキーを口に入れた。

「違うわ、これはザクじゃないわ!ザクの形をしたMSなのよ!」

「ザクですよ、ZGMF1000.ザフト軍の主力の機体ですね」

「ザフト軍?何それ、そんなのわかんないわ〜〜〜」

 髪を振り乱し絶叫するリツコ、部屋全体が揺れた。

「ガンダムSEED DESTINYですよ、知らないんですか?」

「し、知っているわよ。でもこんなのはザクではないわ!ザクはMS-06なのよ!」

「これもザクですよ」

「違うわ、これはザクの形をした別のMSなのよ、そうよ絶対に違う名前があるのよ」

「ありませんよ、博士はオールドタイプの人間だったんですね」

「はっ!」

 レイの言葉に動きが止まった。

「ガンダムの全てを受けいれてこそニュータイプなんです」

「そ、そうなの・・・」

「これで勉強してください」

 レイは一冊の本を渡した。

「これは・・・」

「はい、SEEDシリーズの全MSが載っています」

「ガンダムだらけじゃない」

 リツコは数ページを見たら全てにガンダムが載っていた。

「売れたら勝ちですよ」

「昔と変わったのね」

「キャラクターも萌えになっています。碇クンは特にルナマリアに萌えています」

「く、詳しいわね」

「はい、ニュータイプですから」

 ニヤリと口元を歪めると研究室を出て行った。







「う〜〜ん、ちょっと忙しくって研究を怠っていたら色んなガンダムが出ていたのね、これは勉強しないと」

 リツコは気合を入れると徹夜を決め込むのであった。










「リッツコ〜〜居る?」

「あ、いらっしゃい」

 翌日、アスカがやって来た。

「ど、どうしたの?眼が真っ赤じゃない、徹夜でもしたの」

「え、ええ。疲れたわ、アスカでいいわ、これを着てちょうだい」

「これって、何のMSなの?」

 見たこともないMSスーツであった。

「フリーダムガンダムよ」

「フリーダム?やあよ、そんなの着ないわ」

「えっ?どうして」

「アタシきらいだもん、昔のガンダムがいいわ」

 アスカはMSスーツを机に置いた。

「そんな事言ってはダメよ、ニュータイプは全てを受け入れなければいけないのよ」

「ニュータイプって、どうせファーストに言われたんでしょう?」

「ど、どうして知っているの?」

 リツコは驚いた。

「アタシも言われたのよ、どうやらファンを増やしたいみたいよ。バカシンジも騙されていたわよ」

「そうなの」

「別にアタシはオールドタイプでもいいけどね」

 ドオオオオオ〜〜〜〜ン!

「きゃあ〜〜!」

「な、なに?」

 突然トビラが爆発した。

「受け入れないのなら殲滅します」

「レ、レイ」

「ファースト」

 トビラの外にはザクのMSスーツを装着したレイが立っていた。

「それにアスカを亡き者にすれば碇クンとラヴラヴ、うふふ・・・アスカ、世界平和の為に死んで」

 アスカに標準をあわせるレイ、引き金に力を込める。

「そんなんで死ねるわけないじゃないのよ、こんの〜〜」

 アスカは先ほど机に置いたMSスーツを急いで装着した。

「フリーダム、完成していたのね」

 レイはアスカの装着したMSスーツを見て一歩退いた。

「どうやら性能はこちらのほうが上のようね」

「MSの性能で勝負が決まるわけではないわ」

「負け惜しみ言っちゃって、くたばりなさい」

 アスカの不気味に笑うと足に力を込めてレイに標準を合わせた」

ええ〜〜〜〜い!


















「はっ!ゆ、夢・・・」

 リツコは目を覚ました、仕事中に疲れて寝ていたようだ。

「ふう〜〜疲れているのね、もう今日は帰りましょう」

 PCの電源を切ると席を立った。

「博士、お帰りですか?」

「レ、レイ居たの?」

「ずっと居ました」

 背中から声をかけられて驚いた。

「これを作ってください」

「なにかしら?」

 設計書を受け取り内容を見てみた。

「これはザク」

「よく知っていましたね、新型のザクです。作ってくれますよね?」

「え、ええ作ってあげるわ、それより今日は疲れたから帰らしてちょうだい」

「わかりました、お気をつけて」

 レイは一礼すると研究室を出て行った。






「ふう〜〜新型なのね。私も勉強が必要かしら」

 リツコは設計書を折りたたみバックに入れると研究所を後にするのであった。


 新しいガンダムシリーズに戸惑うリツコさん、レイちゃんはしっかりと受けれていました。徹夜で勉強するリツコさん、MSスーツを完成させました。でもアスカちゃんは受け入れませんでしたね(^^;)

 そこへレイちゃんがアスカちゃんを亡き者にしようと強襲(笑)リツコさんの夢オチでした。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION MS20