お雛様

 今日は三月三日は耳の日、パンの耳の日・・・ひな祭り。

 ひな祭りは女の子のイベント、碇クンちにお呼ばれ・・・

 碇クンがチラシ寿司をご馳走してくれるみたい、碇クンのご飯は美味しいから嬉しい。

 ひな祭りは雛人形を飾るのが慣わしだそうだけど、碇クンは男の子だから持っていないわ。葛城三佐も持っていないみたい、アスカは当然持っていないわ。

 だから碇クンがチラシ寿司を作っている間は折り紙で雛人形を作るの。

「うっき〜〜〜、何よこれ〜〜全然作れないわ〜〜」

 私の正面でアスカも折り紙を折っているけど全然折れていないわ、折り紙がぐちゃぐちゃで原型を留めていないわ。

「本をよく読まないと折れないわ」

 折り方の本を読んだらわかるけどアスカは折れていない、不器用ね。

「読んでいるわよ、でも意味がわかんないわ。この本って不良品じゃないの」

「不良品じゃないわ、ほら」

 私は折った折り紙を見せたわ。

「うわっすっごく細かい作業ね、気が遠くなるわ」

「細かくないわよ」

「細かいわよ、ここんとこなんてすっごく小さいじゃない」

「小さくないわ、アスカの指が大きいのね」

 凄く大きいと思うわ、SALさんだから。

「大きくないわよ、このスラリと伸びた指先、光り輝く手のひら、素敵でしょう」

「ペンペンも折ったのね、上手だわ」

「クエクエ」

 ペンペンも綺麗に折れているわ。折り紙が折れないアスカはペンペン以下ね。

「こら〜〜人の話を聞けい〜」

「まだ居たの?」

 気がつかなかったわ。

「ずっと居るわよ、ムカつくわね〜〜」

「冗談よ」

「アンタの冗談がムカつくの」


「楽しそうにしてるね、作ったのかい?」

 碇クンが台所からやって来たわ、チラシ寿司ができたようね。

「ええできたわ」

「上手に出来てるね、これは綾波が作ったのかい」

「うん、これとこれは私。それとそれはペンペンが作ったわ」

「ペンペンも作ったんだ、凄いね」

「クエクワ」

 ペンペンも碇クンに褒められて喜んでいるわ。

「アスカは作ったの?」

「ア、アタシは・・・つ、作ってないわ。上手にできなかったの・・・」

 うふふ落ち込んでいるわね、この勝負私の勝ちだわ。

「出来なかったの?ちょっと本を見せてみて」

 碇クンに本を渡したわ。

「なるほどなるほど。アスカこうすれば良いんだよ」

「あ、うん」

 あっ!碇クンがアスカの手に触れながら教えているわ、アスカの頬が微妙に赤い。

「これでここを折れば良いんだよ、わかったかい」

「う、うん。わかったわ」

 まさかこういう展開になるなんて、まさかアスカはこの展開を予想していてワザと折れないフリをしていたのね。

「これで完成」

「あ、ありがと」

 アスカが私を見たわ、勝ち誇った顔をしている。・・・私も碇クンに手取り足取り教えてもらいたい、勿論夜も・・・

 ピ〜〜ンポ〜〜ン!

「誰だろう?」

 呼び鈴が鳴ったわ、碇クンが玄関へ向かったわ。







うわああああああ!

「な、何?今の叫び声は」

「碇クンの悲鳴だわ」

 何が起こったの、もしかして強盗?碇クンは私が守るわ、いざ玄関へ。

「シンジ〜〜」

「碇ク〜ン!」

 碇クンが怪我してたら強盗は瞬殺してやるわ。

「あ、綾波〜アスカ〜助けて〜〜」

「「ええ?」」

 玄関に行ってみると入り口には伊吹さんが居て、碇クンは・・・

「マ、マヤさんやめてください〜〜」

「ダメよ、シンジ君のお雛様姿は良いわ〜〜〜もうスリスリしちゃう〜〜すりすり〜〜」

 碇クンが無理やり伊吹さんにお雛様の格好をさせられてるわ。

「マヤ何やってんのよ!?」

「シンジ君に着物を着せているのよ。もう素敵!素敵よ」

「た、確かに、でもシンジが嫌がっているじゃない」

「アスカ〜綾波〜助けてよ」

 碇クンが助けを呼んでいる、でも伊吹さんから逃げようとして着物が着崩れしている姿が、何かグッとこみ上げてくるものがあるわ、これが萌えなのね。

「ファースト、シンジを助けるわよ」

「も、もう少し見ていましょう」

「え?」

「碇クンのお雛様姿は滅多に見れないわ、心行くまで目に焼き付けてから助けましょう」

「そ、そうね。たまには良いこと言うわね」

 碇クンの萌え姿、伊吹さん良いものを持ってきてくれたわ、感謝。

「ふ、二人とも裏切り者〜〜〜!


 ひな祭りは女の子の日、レイちゃんは御呼ばれしてシンジ君の料理をご馳走になります。作っている間は折り紙で雛人形作りですね。

 突然の来訪者はマヤさん、シンジ君を襲ってお雛様姿に(笑)

 助けようとする二人は暫く見てから助けるようですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION お雛様