温泉

 今からマヤさんと温泉があるネルフの保養所へ出発します。日頃の疲れを取ってくるように赤木博士に言われてお小遣いまで貰ったわ。

「レイちゃんさあ乗って乗って〜」

「はい」

 家まで迎えに来てくれたマヤさんの車、ロータスエリーゼって言うらしいの。碇クンが見たら喜びそうだわ。

「それじゃあ行きましょうね」

「はい」

 助手席に座りシートベルトをして・・・

「マヤさん、シートベルトが」

「あ、ごめんなさい。着け方がわからないのね。ベルトを両肩に通してお腹で固定するのよ」

 マヤさんがシートベルトを着けてくれたわ。これは普通のシートベルトでは無くて四点式、身体が固定されて安全って言ったわ。

「忘れ物はないわね」

「はい」

 マヤさんはサングラスをかけてレーシンググローブを装着したわ。なんだかいつもおっとりしている雰囲気と違うわ。

「安全運転するけど舌をかまない様にしててね」

「は、はい」

 な、なんだか葛城三佐の台詞に聞えるけど大丈夫かしら?もしかしたら二度と碇クンに会えなくなるのかしら。










 ・・・その心配も一分後には解消したわ。マヤさんは速度を守る安全ドライバーだったの、これなら碇クンにまた会えるわ。

「リンゴ持ってきましたけど食べます?」

「わあ〜ウサギさんじゃないの、じょうずね」

 碇クンに教えてもらったリンゴのウサギさん、マヤさんに喜んでもらえたわ。

「シャリシャリして美味しいわね」

「はい、甘いです」

「ボックスにお菓子を入れているから食べて良いわよ」

「はい」

 ポッキーがあったわ、いただきます。

「レイちゃん、私にも一本ちょうだい」

「はい」

 袋から一本取り出してマヤさんの口へ・・・

「う〜〜ん、美味しい〜〜」

 お菓子好きのマヤさんが買っただけのことはあるわ、美味しくて食べ過ぎちゃう。あまり食べたらご飯が入らないからこの辺でやめておきましょう。









「到着〜〜ふうう〜疲れたわ〜」

 マヤさんの安全運転、ちょっと時間がかかったけど無事に着いたわ。

「さっそく温泉に入りましょう」

「はい」

 チェックインを済ませて荷物を部屋に置いて温泉へ。




「広いわ」

 露天風呂、誰も入っていないわ。広いから泳げそうね。

「レイちゃん」

「はい?」

「温泉だからと言ってはしゃいだらダメよ。滑って転んじゃうわよ」

 アスカじゃあるまいし転ばないわ。

「ゆっくり歩かないといけないわよ。お相撲さんのようにすり足で・・・」

 ツルッ!

「きゃっ!」

 バナナの皮を踏んで滑ったように見事に転んだわ。大事な所が丸見えだわ。

「いたたたたた、ねっ言ったでしょう危ないって」

「・・・」

 説得力に欠ける言葉だわ。

「お風呂に入る前は綺麗に身体を洗わないといけないわよ」

「はい」

 入浴のマナーね、まずは身体を洗いましょう。

「ゴシゴシ、ゴシゴシ〜レイちゃん背中を洗ってあげるわよ」

「ありがとうございます」

 ゴシゴシ、ゴシゴシ

 普段は自分で洗っているから人から洗ってもらうと気持ちいいわ。

「マヤさん、次は私が背中を洗います」

「ありがとう、お願いするわ」

 マヤさんの背中をゴシゴシ、ゴシゴシ・・・

「うぁ、あああ気持ちいい〜〜」

 ・・・マヤさん感じすぎ、背中を洗っているだけなのに。

「そこよ、そこそこそこ〜〜〜!」

 洗っている手を止めたくなるわ。

「洗うの終わりました」

「はあはあ・・・はあはあ・・・レイちゃんってテクニシャンなのね」

 背中を洗っていただけなのに・・・大人ってわからないわ。

 次は洗髪、早く入りたいからサッと洗いましょう。

 シャンプーをつけて、ゴシゴシゴシゴシ・・・

「きゃあ〜!」

 髪を洗っていたらマヤさんの叫び声が聞えたわ。

「どうしたんですか?」

「シャンプーが目に入ったの〜〜しみる〜〜いた〜〜い。シャンプーハット忘れちゃった」

 ・・・

「うう〜〜目が〜〜目が〜〜」

「マヤさん洗ってあげますから上を向いていてください」

「ありがとう〜〜」

 マヤさんを仰向けに寝かせて頭を私の膝に乗せて目にお湯がかからないようにゆっくりとお湯をかけたわ。

「ふう〜〜レイちゃんありがとう〜お陰で助かったわ」

「今度からはシャンプーハットを忘れないで下さいね」

「えへへ、うっかりしちゃってたわ」

 ・・・それ以前にシャンプーが目に入っただけで叫ばないで下さい。

「それじゃあ入りましょう」

「はい」

 洗ってすっきりしたところでいよいよ温泉へ。

 ツルッ

「んきゃっ!」

 マヤさんまた転ばないで下さい、転ぶ方が珍しいですよ。

「いたたた、また転んじゃったわ」

「ちゃんと歩いてください」

「うん、入ろうね」

 マヤさん、目を放すと危ないわ。

「気持ちいいわ」

 家でお風呂に入るのとまた違う気持ちよさがあるわ、それに広いから手足を伸ばせてリラックスできる。

「レイちゃん気持ちいいわね」

「はい、広いからゆったりできます」

「でもね、広いからといって泳いだらダメよ、ここはプールじゃなくて温泉だからね」

「はい、わかっています」

 温泉では泳がない、それがマナーね。

「でもね、誰も入っていなかったら泳いでもいいのよ」

 それって違うんじゃ・・・

「きゃっきゃ、広い広い〜〜」

 マヤさん、泳いじゃっている・・・

「レイちゃんも泳ごう〜気持ち良いわよ」

「マナーが」

「それは誰が入っていたときの事よ。それにここはネルフの保養所だから問題ないわよ」

 それは関係ないのでは?

「泳がないの?私は泳ぐわよ〜〜ああっ!

「ど、どうしたんですか」

「足が〜〜足がつっちゃった〜〜〜溺れちゃう〜〜〜〜!!」

 溺れません・・・疲れを取るために来たのにどうして疲れが溜まってくるの?今度は碇クンと来たいわ。

「準備体操するの忘れていたわ〜〜〜」

「・・・」


 レイちゃん、マヤさんと一緒に疲れをとるために温泉へ、リツコさんからお小遣いまで貰ったので嬉しいです(^^)

 温泉に入った二人は身体を洗って髪を洗って・・・マヤさん騒ぎすぎ(^^;)お風呂に入っても騒ぐマヤさん、レイちゃんの疲れはとれないです(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 温泉