乙女の誘惑
「アッスカ〜〜スカスカスカスカちゃん」
「アンタ叩くわよ」
帰りのホームルームを終え、席を立とうとしていたアスカの元にマナがやって来た。
「お〜お〜相変わらず恐いわね〜今日もSALってるわね」
「蹴るわよ」
アスカの右足に力がこもる、数秒後には爆発しそうだ。
「おっと、その蹴りはワールドカップに取っておいて、今日は良い知らせを教えてあげるわ」
「いいわよ、アンタの良い知らせって悪い知らせだから」
アスカは鞄を手に取り帰ろうとしたが、マナが手を掴み制止した。
「ちょい待ち、これを見てよ」
一枚のチラシをアスカに見せた。
「何よ〜?これは・・・!な、なんですって〜〜!!」
アスカは雄たけびを上げた。まだ帰っていないクラスメイトは一斉にアスカの見て何事かと思った。
「アスカどうしたの?叫んだりして」
一番驚いたのは隣で帰る準備をしていたシンジである。
「んふ、んふふふふ〜シンジ、アスカはね今衝撃を受けているのよ」
「衝撃?」
「そうよ、そして旅立つ事になるわ」
「旅立つ?」
意味がわからないシンジは首を傾げるのであった。
「鋼鉄、今すぐ行くわよ」
「了解であります」
マナは敬礼するとチラシを返してもらった。
「チラシ?」
シンジはマナが手に持っているチラシを横から読んだ、そこには・・・
「女性限定、ケーキバイキング本日限り。なるほどね」
シンジはアスカの叫びに納得した。
「シンジ、そういうわけだから遅くなるわ」
「ご飯までには帰ってくるんだよ」
「ええ、わかったわ。鋼鉄行きましょう」
「待って、私も行くわ」
「おわっファースト、ビックリするわね」
当然後ろから現れたレイに驚いた。
「レイさんも行くのね、ヒカリちゃんは行くのかな?」
「イインチョさんはジャージ君と帰ったわ、二人で人には言えないことをするみたい」
「おわ〜〜ヒカリちゃんって大人ね〜明日ジックリと聞き出さないといけないわ、ねっアスカ」
「ひ、人には言えない事?」
アスカは真っ赤になって口篭った。
「アスカ、聞きたい?」
「えっ?な、何言ってんのよファースト、そんな淫らなことを言うなんて・・・ってキャ〜〜不潔だわ」
真っ赤になった顔を両手で隠し首を左右に振った。
「何を言っているの?イインチョさんとジャージ君は二人でカラオケに行ったのよ、ジャージ君が音痴だから特訓するって言っていたわ」
「確かに人には言えないわね」
マナは頷いた。
「トウジはジャイアン並だもんな」
シンジも頷いた。
「カラオケなんだ・・・」
「アスカ、何想像していたの?人には言えないようなことね」
レイの口元がゆがんだ。
「や〜〜ん、アスカったらえっちぃ〜〜えっちぃのはいけないと思いま〜〜す」
「う、五月蝿い五月蝿い五月蝿〜〜〜い!さっさと行くわよ」
アスカは恥ずかしさのあまり、ダッシュで教室を飛び出した。
「あ、待って」
「じゃあね、シンジ〜」
マナとレイはアスカを追って教室を出て行くのであった。
「わお〜〜美味しそう〜〜」
入場料1000円を払った三人、アスカはテーブルに並べられたケーキを見て瞳を輝かせた。
「元は取るわ」
「おっレイさん張り切っているわね」
「さあアンタ達行くわよ〜〜」
「「「お〜〜〜!」」」
三人は拳を突き上げると、皿を手に取りテーブルへ向かうのであった。
「いっぱい、いっぱい盛ってきたわよ」
アスカは皿から落ちそうなくらいにケーキを山積みしてきた。
「アスカ、やるわね〜私だって負けていないわよ」
マナもケーキを山積みしてきた。
「私は抹茶ケーキオンリーよ」
レイの皿は抹茶色で染まっていた。
「お〜〜レイさん和で攻めてきたわね」
「抹茶の苦味とケーキの甘さが良いの」
「う〜〜ん、美味しい〜〜」
アスカは口の周りにクリームを付けながらほお張った。
「アスカって行儀悪〜〜〜い、私はお上品に一口一口食べるわよ」
「な〜〜にお嬢様してんのよ、そんなんじゃ味がわかんないでしょう」
「そうよ、マナさん。ここでは沢山食した方が勝つのよ」
レイも抹茶を口の周りに付けていた。
「レ、レイさんもやるわね、ようし私だって〜〜!」
マナもほお張り食べ始めた。
「「「美味し〜〜い!!!」」」
口の周りにクリームを付けた美少女三人は瞳を輝かせる、しかし心の奥底では・・・
(((う、運動すれば大丈夫よ、きっと・・・)))
体重を気にしつつもケーキの誘惑には勝てない三人であった。
ケーキ食べ放題にアスカちゃんの行動は決まっています。マナちゃんレイちゃんも同じです。そしてヒカリちゃんは・・・人には言えない事をしています(笑)
三人で食べに行くことになり、お皿はケーキを山盛り。至福のひと時ですが、頭の片隅には体重の事が(^^;)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 乙女の誘惑