来訪者
あと五秒・・・四秒・・・3・・・2・・・1・・・
「誕生日おめでとう〜〜」
パチパチパチパチ〜〜〜
・・・ふう〜〜一人で祝うのはむなしいわね、まあ午前零時だからしかたないわ。学校でシンジに祝ってもらおうっと。
ふあああ〜〜さあて誕生日を祝った事だし寝るとしますか。
ピ〜〜ンポ〜〜〜〜〜ン
ぬあ〜〜?誰よこんな夜中に来るのは、もしかして強盗?強盗がチャイムを鳴らすわけないわよね誰かしら。
でも夜中だから玄関を開けるのは良くないわ、誰か確かめてから開けないとね。用心の為にバットを用意しておこう。
「・・・誰ですか?」
ドキドキ、ドキドキ
知らない人だったらどうしよう、もしかして幽霊とか。幽霊がチャイムを鳴らすわけないわよね、そのまま玄関をすり抜けて入ってくるわ。
「綾波です」
「え、レイさん?」
「うん」
やる気のない、いつも眠たそうな声はレイさんだわ、いったいこんな夜中に何の用かしら。
「夜分遅くにこんばんは」
「こ、こんばんは。こんな夜中にどうしたの?」
「これをマナさんに」
「これ?」
レイさんがリボンがついた箱をくれたわ。
「今日はマナさんの誕生日だからケーキ」
「ケーキ・・・」
レイさん私の誕生日を憶えていてくれたんだ、でも日付が変わってすぐに来るとは・・・まあそれがレイさんらしいわね。
「ありがとう、せっかくだから上がっていってお茶を出すわよ」
「うん、お邪魔します」
夜中に来てくれたんだからお茶を出さないとバチが当たるわ。
「ごめんね〜〜散らかってるから適当に座ってね」
「うん」
一人暮らしだと面倒で掃除をしないのよね〜〜たま〜に掃除をするとアスカが遊びに来て散らかしていくのが困りものだわ。
「ふんふんふ〜〜ん」
レイちゃんは紅茶が好きだったから紅茶を入れようっと、お湯を沸かして・・・ええと紅茶の葉は引き出しだったわね。
「レイさ〜〜ん、おまた・・・せ」
「先に頂いているわ」
はやっ持ってきたケーキを開けて食べていたわ。
「レ、レイさん夜中よ、遅くに食べると太っちゃうわよ」
私も今すぐ食べたいけど太っちゃうから我慢するわ。
「大丈夫、私は太らない体質だから」
う、羨ましいわ。じゃあケーキを全部食べてみてよ〜〜って言ってみたいけど私の分が無くなっちゃうから言わないわ。
「はい、紅茶」
「ありがとう、マナさんは食べないの?」
「わ、私はいいわ。太るしお肌に良くないし」
食べるなら学校から帰ってきてからね。
「それは残念ね。このショートケーキは最高級の生クリームを使っているから時間が経つにつれて美味しさが失われていくのよ」
「そ、そうなの?」
「うん、デパートのjun16堂で買ってきたの」
「え、そうなの?」
「うん、一番高いやつ」
jun16堂って言えば、ケーキが美味しくて評判のお店じゃないのよ。
「スポンジも最高よ、口の中でフンワリとして・・・」
ゴクッ
レイさんの口に運ばれるケーキ、美味しそう、私も食べたい今すぐ食べたい!
「食べる?」
「わ、私はいいわ・・・」
「そうこんなに美味しいのに、イチゴが甘いわ」
ゴクッ!
真っ赤に熟れたイチゴ、レイさんのセクシーな口に運ばれて・・・あ、ああ美味しそう〜〜
「ゴクゴク、やっぱりケーキには紅茶が合うわね」
はうう〜〜美味しそうだわ、ケーキを食べて甘くなった口の中を少し渋い紅茶で潤おす・・・も、もう駄目〜〜〜〜〜〜!
「い、いただきま〜〜〜す」
パクパク、パクパク
ん〜〜〜!生クリームの滑らかな舌触り、甘さ広がるイチゴ、フンワリとしたスポンジ!最高だわ。
「食べちゃったわね」
「だって我慢できなかったんだもん」
レイさん一人だけ食べてずるかったし〜〜
「そう欲望を我慢するのは良くないわ、太ったって運動すればいいんだし」
痛いこと言うわね、甘いから確かに太りそう・・・
「マナさん・・・」
「なに?」
「羊かんもあるけどどう?」
よ、羊かんもあるの?お茶に羊かん・・・和の甘美だわ。
「だ、駄目よ。羊かんは明日ね」
「そう、私は食べるわ・・・美味しい」
うわっ美味しそう〜〜
「食べる?」
「う・・・う・・・う〜〜〜うんっ!食べる」
レイさんが持ってきたケーキ、羊かんに負ける私・・・くう〜〜なんて我慢弱いのかしら、とほほ体重計に乗るのが怖いわ。
「お団子もあるわよ」
お、お団子まで〜?レ、レイさん、私に太れっていうの〜〜!?
マナちゃんの誕生日、日付が変わってすぐにお祝いに来てくれたレイちゃん、ちょっと早すぎ(笑)
プレゼントは女の子が大好きなケーキ、でも夜中に食べると太りますよね。でもレイちゃんは太らないので気にしません、マナちゃんは気にしていますね。
レイちゃんが食べている様子を見て、我慢できなくなり食べてしまったマナちゃん、体重計が怖いです(^^;)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 来訪者