今年もネルフの広場に桜が咲いたわ、綺麗な桜。

 ずっと見ていても飽きない桜、ここでお弁当を広げて碇クンと一緒だったら楽しいかも・・・








「やあ綾波、僕に何か用かい?」

「桜」

「ん?」

「桜が綺麗なの、碇クンと一緒に見たいから呼び出したの、迷惑だった?」

 館内放送で呼び出したらすぐ来てくれたわ、嬉しい。

「そんな事ないよ、ここにはそんなにこないから桜が咲いていたなんて気づかなかったよ」

「一緒に見てくれる?」

「うん、良いよ」

 碇クン、優しいわ。

「それでね、お弁当を作ってきたの」

「うわ〜〜綾波が作ったの?美味しそうだね」

 ネルフの食堂を借りて碇クンの為に作ったわ。桜の下にシートを敷いて座って食べましょう。

「これがタコさんウインナーでこれがカニさんウインナーなの」

 使い慣れない包丁、苦戦したわ。

「包丁の入れ方がちょっと不揃いだけど上手にできているじゃないか」

「うん、頑張ったわ。これはウサギさんリンゴ、両耳がちゃんとできたわ」

 時間をかけて耳を作ったから完璧よ。

「うんうん、綺麗にできているよ」

「ありがとう碇クン、玉子焼きを食べて」

「うん、いただきます」

 甘さを抑えた玉子焼き、私の自信作。

「どう、美味しい?」

「美味しいよ、上手になったね」

 褒められたわ、嬉しい。これでいつでもお嫁に行けるわ。

「桜は綺麗だし、料理は美味しい、最高の花見だね」

 碇クンが私を綺麗って言ってくれたわ、料理が最高って言ってくれたわ。・・・ちょっと違うわね。

「うん、桜って綺麗ね。鮮やかなピンク・・・赤に近い色ね」

「それはね、桜の下には死体が埋まっているんだよ、その血を桜が吸って薄紅色の花を咲かせるんだよ」

「ほ、本当なの?」

 こ、この桜の下に死体が・・・誰の死体なの?もしかして碇司令、それは違うわ。あの人の血がこんなに綺麗なわけ無いわ。

「本当だよ、そして夜にはその幽霊が現れるんだよ」

 ぶるぶるぶるぶる、碇クンの話を聞いていたら寒気がしてきたわ、怖い・・・

「ど、どんな幽霊なの?」

「確か、若い女性の幽霊だよ」

 若い女性?そして碇クンを誘惑するのね、許せないわ」

「あ、綾波の後ろに女性が!」

 !!

「うにゅ〜〜〜・・・」

 私、幽霊苦手なのさよなら・・・

「綾波、綾波、ごめん冗談だよ冗談」

 碇クンの声が聞えるような聞えないような・・・とほほほ・・・


 レイちゃんとシンジ君のお花見、お弁当はレイちゃんのお手製。

 料理を褒められたレイちゃん、嬉しいですが、桜にまつわる話を聞いて気絶してしまいました(^^;)シンジ君、ちょっと悪戯が過ぎましたね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 桜