試食

「あ〜めんどくさいわ」

 アスカが大きな欠伸をした、眠たそうだ。

 僕とアスカはリツコさんに呼ばれて研究室に向かっているんだけど、何か用があるのかな?

「まったく、用があるならリツコが来ればいいのに」

 さっきからアスカはずっと愚痴を言いっぱなしだ。ずっと聞いている僕はウンザリしているよ。

「ねえシンジ、リツコの用事って何なのかしら?」

「さあ?何も言ってなかったけど」

 兎に角行ってみればわかるね。





「こんにちは〜」

「いらっしゃい、よく来てくれたわね」

「何の用なの?こっちにも予定があるから早くしてくれないかしら」

 アスカの予定って昼寝するだけだろう。

「ごめんなさいね、ちょっと試食をしてくれないかしら」

「試食って?」

 アスカの瞳がちょっと輝いたぞ、食べる事になったら元気になるなあ。

「お寿司よ、今度回転寿司店を出そうと思っているのよ。それに出すネタを試食してほしいのよ」

 リツコさんは相変わらず副業が凄いなあ、ネルフより稼いでいるんじゃないかな。

「しょうがないわね〜言っておくけどアタシの舌を満足させるネタを出さないと許さないわよ」

「ふふ、ご心配なく。最高級のネタを仕入れていたわよ」

 リツコさんは独自のルートをもっているからなあ、まあ最高級のネタがタダで食べれるんだ、いっただきま〜〜す。

「リツコ、トロよ!トロをちょうだい」

 うわっ最初からトロなの、普段食べれないからここぞとばかりに食べようとしているよ。

「トロね」

 リツコさんは自動寿司にぎりにネタとシャリをセットして作り始めた、機械化でコストを削減するんだ。

「はい、トロよ」

「うわ〜〜美味しそう〜〜パクッモグモグ・・・ん〜〜〜美味しい!」

「ほんとだ、口の中でとろけるね」

「ふふ、満足してくれたわね」

 最高級のトロだよ、これは凄く高いんだろうね。

「リツコさんこれはいくらで出すんですか?」

「100円よ」

「えっ100円!?」

 100円にしたら赤字になるんじゃないのかな。

「100円で大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ、高くしていたら経営なんてできないわよ」

 ふ〜〜ん、色々と考えているだ。

「次はエビをちょうだい」

「エビね」

 次はエビだ、トロと同じように機械にセットして完成だ。

「プリプリしていて美味しい〜もう一つちょうだい」

 アスカは食べるの早いなあ、僕が食べ終わる前に二つ目にいっているよ。

「最高〜〜!」

「これはいくらで出すんですか?」

「これも100円、全てのネタが100円よ」

「えっ全部100円!?それで儲かるんですか?」

 確かに回転寿司は100円のところが多いけど、こんなにネタが美味しかったら100円以上で出してもいいんじゃないかな。

「儲かるわよ〜徹底的にコスト削減しているし、目玉商品を自社で養殖しているから元手がタダなのよ」

「へえ〜目玉商品があるんですか」

「リツコ、それちょうだい。美味しいんでしょうね?」

「ええ、美味しくて気絶しちゃうわよ」

 へえ〜気絶しちゃうくら美味しいんだ、楽しみだなあ。

「早く早く〜」

「待っててね」

 リツコさんはクーラーボックスからネタを取り出して機械にセットしたぞ。

「はい、おまどうさま」

「ぎゃ・・・ぎゃ〜〜〜〜!な、なによこれ〜!?

「リ、リツコさんこれは何なんですか?」

 シャリに乗っているネタが・・・ネタがあ〜〜〜

「ミニチュア綾波レイよ、身長5センチだから凄く養殖が簡単なの」

「あ、綾波だって見ればわかりますよ」

 あ、綾波がネタに仰向けに乗っている、それも裸で・・・ちょっとラッキーかも。ってリツコさんは何てモノを出すんだよ〜〜

「ア、アタシ要らないわよ」

「ぼ、僕も要りません」

 僕とアスカはその場から逃げ出そうとしたけど・・・

「うふふ、逃がさないわよ」

 まずいっ!リツコさんの瞳が不気味に輝いた。か、身体が動かない・・・か、金縛りだ。

「さあ食べなさい、凄く凄く美味しいわよ」

「い、嫌よ。シンジ助けて〜」

「ア、アスカ〜」

 アスカの口にリツコさんが無理やり綾波寿司を食べさせようとしている。助けたいけど身体が動かない、動け動け〜〜〜!

「うふふ、天国の扉を開けなさい。うふふ」

「い、いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

アスカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!



















「・・ジ」

「・ンジ」

シンジッ!

「はっ!あ、あれアスカ。ここは?」

「なにがここはよ。いつまで寝てるのよ」

 僕は寝ていたのか。見回したらリツコさんの研究室の仮眠部屋だ、いつの間に寝ていたんだろう。

「まったくタダだからって食べすぎよ」

「あっそうかお寿司を食べていたんだね」

 あまりに美味しくてお腹いっぱい食べて眠くなったから寝ていたんだったっけ。

「シンジ君、目が覚めたかしら」

「あ、はい寝ちゃってすいませんでした」

「いいのよ、残りがあるから夕食用に持って帰りなさい」

「ありがとうございます」

「わお〜〜夜もお寿司〜お寿司〜〜」

 リツコさんからお寿司の貰ったぞ。でもへんな夢を見たなあ〜〜今思い出しただけでもゾっとするよ。


 リツコさんに呼び出されたアスカちゃんとシンジ君。リツコさんの目的はお寿司の試食、色んな副業をしています(笑)

 ネタは最高級、アスカちゃんとシンジ君は大満足。そして目玉商品は・・・MADリツコさん本領発揮ですね(^^;)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 試食