バレンタイン





アンタ誰にもチョコ貰ってないでしょ、義理でよかったらあげるわよ



義理ならいらない



どうしてよ?



本命が欲しいんだ



はあ?シンジの分際で何言ってんのよ



アスカの本命が欲しいんだよ



アタシの?



うん、ダメかな



だ、ダメじゃないわよ。しょうがないわね、本命をあげるわよ



ありがとうアスカ



シンジ・・・













「と、いうストーリなのよ。どう感動したでしょう?」

「クエー」

 ペンペンに力説するアスカだが、当のペンペンは首を傾げていた。

「チョコは既製品でも良いけどやっぱり手作りが一番よね、そう思うでしょう?」

「クワー」

 ペンペンは首を縦に振った。

「と、言うわけで今日はチョコを手作りするわよ」

 アスカは板チョコを数枚準備するとエプロンを身に着けて気合を入れた。

「まあ、溶かしてから型に入れるだけだから簡単なのよ」

「クエー」

 ペンペンはずっとアスカの様子を隣で見ている。

「溶かしたらちょっと隠し味を入れるのよね、ワインを少し入れると良いのよ」

 アスカはワインを数滴いれようとした・・・

 ドバドバドバドバ〜〜〜

「きゃあ〜〜〜入れすぎた〜〜」

「クエー」

 ビンを傾けすぎた、その様子を見たペンペンは思わず羽で眼を覆うのであった。

「これじゃあ、酔っ払っちゃうわね〜、でもシンジにあげるんだからいいわ。酔った勢いで、うふふふ・・・」

 アスカの口が不気味に歪んだ。

「ク、クエ」

「よしっ後は型に流し込んで冷やせば完成よ」

 テーブルに大きなハート型を用意すると、その中にチョコを流し込んだ。

「ふんふんふ〜〜〜ん、よし冷蔵庫で冷やすわよ」

 アスカは型を持って冷蔵庫に向かおうとした・・・

 ツルッ!

「きゃ〜〜〜〜〜〜!」

 滑りバランスを崩して型を放り投げてしまった。

「ク、クエ〜〜〜〜」

 ガシャガシャ〜〜〜!

 チョコは無残にも床に散らばりまくってしまった。

「あ〜〜〜折角作ったのに〜〜〜・・・」

 チョコを見つめてガックリ肩を落とすアスカにペンペンは優しく肩を叩いた。

「クエクワ」

「なに、なぐさめてくれるの?」

「クワクエ」

「別にチョコを渡さなくてもいい?他のものでも良いじゃないですって」

「クワ」

 ペンペンは大きく頷いた。

「ふふ、ありがと。そうよねチョコじゃなくても良いわよね」

「クワ〜〜」

「よ〜〜し、じゃあ趣向を変えてチョコ以外のものを贈るわよ〜〜」

 アスカは握りこぶしを高々と突き上げると気合を入れるのであった。








「でもチョコ以外を贈るとなると何が良いかしら?たくさんあって迷っちゃうわ。ねえペンペン何がいいかしら?」

「ク、クエ〜〜・・・」


 もうすぐバレンタイン、アスカちゃんも手作りで気合が入ります。でもワインを入れすぎで床にぶちまけ(^^;)

 そんなアスカちゃんをなぐさめるペンペン(笑)

 チョコ以外のものを贈ることを決めたアスカちゃんの次の悩みは何を贈るかですね、ペンペンに頼らず自分で考えましょう。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION バレンタイン